2019年11月21日発売
美人で気立てのいい園子に一目惚れして僕が、彼女にずっと隠し続けている仕事、それはラブドール職人。僕が仕事に追われるうちに、特別だった新婚生活は当たり前の日常になり、あんなにも恋焦がれていたはずの園子と、次第にセックスレスになっていった。2人の心は離れていき、いよいよ夫婦の危機を迎えたとき、園子は胸の中に抱えていた秘密をぽつりと打ち明ける。純愛と性愛とドールが交錯するラブストーリー。
出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。ある夜、上司から廃刊の可能性を匂わされたことを機に組織に翻弄されていく。社内抗争、大物作家の大型連載、企業タイアップ…。飄々とした「笑顔」の裏で、次第に「別の顔」が浮かび上がりー。俳優・大泉洋を小説の主人公に「あてがき」し話題沸騰!2018年本屋大賞ランクイン作。
自分の住む町に息苦しさを感じ東京の大学に進学した可瀬理久は、大好きな写真家・渡引クロエがかつて立ち上げたという創作サークルに入会。しかし廃部寸前で活動はほぼ0。気を落としていると「写真越しに目が合うと会話が出来る」不思議な力を持つ同い年の女の子・渡引真白と出会う。なんとクロエの娘だった。真白は会ったことのない父親を捜しているらしいが、そこにはとある事件が絡んでいて…。青春恋愛キャンパスミステリー!
7月に入り、ようやく夏らしい気候になってきた北海道・札幌。晴れてユウと結婚の約束をした千春は、彼と『くま弁』で一緒に働く未来について考え始める。意を決してユウにその気持ちを伝えた千春だったが、返ってきたのは「自分の人生に巻き込みたくない」という予想外の反応で?2人が見ている夢は同じなのかそれともー?日々悩みは尽きないけれど、少しだけ前に進む勇気がもらえる北のほっこりお弁当ものがたり第6弾。
驚異の診断力を持つ謎の少女・白夜が高森病院の診断協議チーム「DCT」に入って1年。誤診を指摘し、白夜は次々に患者を救っていたが、以前に難病を患った元グラビアアイドルの日比野カンナが、またしても病に冒された。病名は「癌」。しかも子を宿しており、手術、薬物、放射線ーいわゆる癌の3大療法では子供を救えない。果たして白夜は母子を助けることができるのか?癌のメカニズムと治療法に挑む、空前の医療小説!
小さな謎は大切なことへの道しるべ。解いてみると一筋縄ではいかない人の心が照らし出される。学生時代に届いた想い出の葉書には、姉のように慕っていた先輩が遺した謎めいたアルファベットの羅列があった。数十年の時を経て読み解かれたとき、現れたものとはー。表題作のほか、宇宙人たちが日本の名著を読むユーモア作「解釈」、乱歩へのオマージュ「続・二銭銅貨」など、ミステリの名手が贈るバラエティに富んだ謎解き7篇。
柳町北署管内にある神社の石段下で、若い男性の遺体が発見された。容疑者として勾留されたのは、前日に被害者と口論となっていた中年男性。それはなんと、退職警官専用のシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」に住む元刑事・迫田だった!新人刑事の牧野ひよりとメゾンの住人は、現場で聞こえたという奇妙な音に着目し独自捜査を進めるが…。元捜査一課・夏目の封印された生い立ちも明らかになる、緊迫のシリーズ第4弾!
いまいちやる気のない従業員で売り上げが落ち込む中堅ホテル、フィデルホテル。支配人の永野は改善策を打ち出せないでいた。そこに社長としてやってきた変わり者の社会心理学者・元山が提案したのは、“従業員総選挙”。落選すれば解雇もやむなしという崖っぷちの投票制度だ。ざわつく従業員を後目に、さらに管理職の選挙も!好きな仕事と向いている仕事は違う。適材適所の新体制で、ホテルは復活なるか?元気になれる感動のお仕事小説。
警視庁監察係の新海真人は、首席監察官の秋月雅子に命じられ、科捜研の七尾と麻薬取締官の江口との会合に出向いた。なぜ、真人が呼び出されたのか。先月、成田税関で逮捕された大学生が持っていたドラッグが、真人の妹を死に追いやった薬物と酷似しているというのだ。真人は、妹の仇として追い求めていた黒幕への手がかりをついに見つけたのかー。だが、捜査線上に浮かびあがったのは、意外にも警視庁OBの大物政治家だった。
興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。渋谷のスクランブル交差点で、空を指さして絶命した老人が最期に見ていたものは何か、それを突き止めれば1000万円の報酬を支払うというのだ。一方、老人が死んだ日、1人の公安警察官が忽然と姿を消す。停職中の刑事・相馬は彼の捜索を非公式に命じられるがー。2つの事件の先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!?サスペンス・ミステリ巨編!
失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り着いたのは瀬戸内海の離島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。--君は君で、僕は僕で、最善を尽くさなければならない。すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に立ち向かう。『犯罪者』『幻夏』(日本推理作家協会賞候補作)に続く待望の1800枚巨編!
薩摩藩士の岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。そんな中、伊織は安政の大地震の際に、燃え盛る江戸の町をひとりさまよい歩く、美しい少女を見つけた。あやかしのような彼女は訊いた。「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていてー。激動の時代に出会いし二人の、悲劇の幕が、いま開く。
ジークフリート消滅という衝撃も覚めぬまま、“黒”の陣営はヴラド三世、ケイローン、アストルフォ、フランケンシュタイン、アヴィケブロン、そして“赤”の陣営から奪ったバーサーカー・スパルタクス達で“赤”の陣営に立ち向かう。一方、アタランテ、カルナ、ライダー、シェイクスピア、セミラミスの“赤”陣営は宝具「虚栄の空中庭園」で空から急襲。激闘が勃発する。そして運命は“竜殺し”を戦場へと帰還させたー。
東京都、二子玉川。高校生の十屋龍之介は、父の遺した蔵書が高く売れたことがきっかけで、古書を見極め売買する「セドリ」になる。ある日、多摩川沿いの古書店を訪ねた彼は、洋服に羽織姿の店主・朝香裕也から万引きを疑われる。朝香の店は開店休業中だが、大切な本が盗まれたらしい。それは朝香が作製した「贋作本」。捜し出したら好きな本をやる、と言われ、龍之介は本捜しを手伝うことに…。新感覚ビブリオ・ミステリ!
札差羽黒屋が扱う禄米を奪った一味が、尋問の中で共謀者として、勝田昌三郎の名を挙げた。さらに昌三郎は、殺しの容疑までかけられる。勝田家は五月女家と最も近い血縁関係になるため、善太郎にとっても他人事ではない。疑いを晴らすべく奔走していると、実家の大黒屋の米倉庫が付け火に遭ってしまう。一方、幼馴染のお稲との間にも跡継ぎ問題を抱えており…。次々に勃発する問題に立ち向かう、大注目新シリーズ第2弾。
孤児を引き取り面倒を見ている八丁堀の『忠孝園』。縁あって、武士の伊八朗が手伝いをするようになったある日、13歳の亮吉が園から姿を消した。その裏には、盗賊団の跡目争いがあり、亡くなった亮吉の父親の跡目を狙う輩が動いていた。その一方で伊八朗は、出て行った女房に幼い娘が引き取られ、酒に逃げていた男を立ち直らせようとするが…。様々な事情を抱えつつも、相手を思いやる親子を救えるのか。感涙必至の時代小説。
尚哉の友人・難波の元に不幸の手紙が届いた。 時を同じくして、高槻と尚哉は「図書館のマリエさん」という聞き慣れない都市伝説を知る。 図書館の蔵書に隠された暗号を解かないと呪われるというのだが……。--「不幸の手紙と呪いの暗号」 鬼神伝説が残る村に調査に出向いた一行は、不気味な洞窟で、額に穴のあいた頭蓋骨を見つける。 その直後、高槻に思いがけない受難が……。 尚哉は、佐々倉はどうする!? 「あぁ、この世はなんてたくさんの呪いに満ちているんだろうね。」--「鬼を祀る家」 高槻と、幼馴染である捜査一課の刑事・佐々倉の幼い頃を描いた番外編「【extra】それはかつての日の話」も収録。 いま、売れに売れている民俗学ミステリ、シリーズ待望の第3巻! 本当に、面白いんです!!! イラスト/鈴木次郎 第一章 不幸の手紙と呪いの暗号 第二章 鬼を祀る家 【extra】 それはかつての日の話
つらくて忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人・記憶屋。記憶屋に会いたいと願った人々は、あの時どんな想いを胸に秘めていたのかーー? 切ない涙があふれだす、珠玉の3篇!