2019年6月18日発売
ぬるくゆるやかに流れる黒い川ぬるくゆるやかに流れる黒い川
六年前、武内譲は無差別に二つの家族を惨殺し、凶行の動機を明らかにしないまま拘置所で自殺した。遺族となった栗山香那と進藤小雪は、深い傷を負いながら離れた場で生活していた。二人は事件当時の武内と同じ二十歳になったとき再会する。「事件をあらためて調べよう」と小雪に誘われ応じた香那。真相を追うごとに世代を越えて女性への嫌悪で繋がる男の存在に気づく香那たち。武内が殺人を犯す背景は何だったのか、それに触れたとき二人はー。女性憎悪の闇を追う長篇サスペンス。
赤い白球赤い白球
1939年、日韓併合時代の夏、平壌一中の一番セカンド・朴龍雅と二番ショート・吉永龍弘の名コンビは甲子園出場を目指し、野球に夢中だった。二人はその後、軍人の道を歩み、朴は少年飛行兵となり、吉永は陸軍予科士官学校に進学する。そして戦況はますます悪化し、いつしか朴は東南アジアの撃墜王となり、朝鮮の英雄と呼ばれるようになる。懐には幼き頃に吉永からもらった血塗れの白球があり、それが朴の心の支えだった。一方、少尉となった吉永はマニラに赴任。戦況を打破するための「特攻作戦」に関わることになり、再び二人の運命は交錯するー。
鬼人幻燈抄鬼人幻燈抄
江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会うー江戸から平成へ。途方もない時間を旅する鬼人の物語。和風ファンタジーシリーズ第一巻!
哀愁のニューイングランド哀愁のニューイングランド
日本の閉鎖的な学会に失望し、祖国日本を捨て、家族と別れ、一人渡米した元キャリア官僚の研究者・田中俊彦。アメリカ・ニューイングランドで、大東亜戦争に勝ったのは実は日本だったという日本戦勝論を聞き、彼は捨てたはずの祖国日本に想いを馳せる。
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