2022年3月4日発売
この身体こそ、文明の最後の利器。 29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。 子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかったーー。 北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。 『OUT』から25年、女性たちの困窮と憤怒を捉えつづける作家による、予言的ディストピア。 【著者略歴】 桐野夏生(きりの・なつお) 1951年金沢市生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。2015年には紫綬褒章を受章、21年には早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。『バラカ』『日没』『インドラネット』『砂に埋もれる犬』など著書多数。
前世の愛読書の世界に転生していたことを自覚したティララ。しかし魔力ゼロの王女ティララは、父であり冷酷無慈悲な魔王・エヴァンに監禁され、非業の死を遂げる脇役姫だった。シリアス展開を回避するため、最恐暴君のパパを攻略しつつ、錬金術をマスターして生き延びようとしたらーー前世の知識&浄化の魔力で、チートな錬金術の才能が開花! レア聖獣を作ったりもふもふ錬金術師に弟子入りしたり、念願のほのぼのライフと思いきや…なぜかパパの嫉妬が爆発して!? パパも師匠も、超絶過保護はご遠慮くださいっ!
国家簒奪を企んでいた宰相ゼフの陰謀を挫き、ささやかな平穏を取り戻したグラン王国は、アリシア姫の姉・クラーラの帰還と共ににわかに騒がしくなる。なんとルーン魔術師のヴァンを見るなりクラーラは夫にすると宣言!ヴァンに対し、ぐいぐい迫るクラーラを見て、アリシアはある決心をするー。そんな中、次期国王であるアレクシスも国へ帰ってくるが、彼はヴァンを王宮から追放しようとする。彼に滞在を認めてもらうためにはヴァンは剣術大会で優勝しなければならないが、大会では魔法の使用が禁止されていて…。