2022年4月21日発売
劇作家 根本宗子、文学界へ進出! 東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」で働く人々は皆どこかヘン。しかしもっとおかしいのは毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子に座る女だった。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダーに、他人の人生を壊してしまった男…。 「黙ってれば、自分の意見を持たなければ、嫌な思いもしませんから」 ーーバックヤードで繰り広げられる言葉の応酬と傷つけ合い。めんどうな12人の人間が曝け出した感情の先に希望は灯るのか。 演劇界の異才による傑作群像劇、ついに小説化! 【編集担当からのおすすめ情報】 著者から、読者のみなさまへのメッセージです。 *** 23歳の時、自分の劇団公演のために演劇作として書き下ろした「今、出来る、精一杯。」を初演から10年の時を経て小説という新たな姿で今の世の中へ解き放てること、とても感慨深いです。 どんなに劇作を続けて技術が上がっても常に自分のライバルはこの作品で、いつもこの時の自分に見張られている気がしながら劇作を続けてきたほど自分の中で大きな作品です。 そんな本作に32歳の今のわたしが新たな言葉を吹き込み、特別な小説が仕上がりました。 どうか手にとっていただけたら、そしてどこかの誰かの大切な一冊となったら嬉しいです。 根本宗子
警視庁に出向していた琉球警察の真栄田太一警部補は本土復帰が5月15日に迫る1972年4月、那覇にある本部に帰任する。その直後、沖縄内に流通するドル札を回収していた銀行の現金輸送車が襲われ100万ドルが強奪される事件が起きる。琉球警察上層部は真栄田を班長に日米両政府に知られぬよう事件解決を命じるが…。本土復帰50年を前に注目の著者が描くノンストップサスペンス。