2024年6月12日発売
「紫式部の和歌を屍に添えて汚す者は許せん。 下手人を突き止める!」 『小倉百人一首』に選出された和歌が事件解決の手掛かりにーー 若き藤原定家が、名歌の絡んだ五つの謎を解く! 一一八六年。平家一門の生き残りである、亡き平頼盛の長男、保盛はある日、都の松木立で女のバラバラ死体が発見された現場に遭遇する。生首には紫式部の和歌「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半(よは)の月かな」が書かれた札が針で留められ、野次馬達はその惨状から鬼の仕業だと恐れていた。そこに現れた、保盛の友人で和歌を愛してやまない青年歌人・藤原定家は「屍に添えて和歌を汚す者は許せん」と憤慨。死体を検分する能力のある保盛を巻きこみ、事件解決に乗り出す! 後に『小倉百人一首』に選出された和歌の絡む五つの謎を、異色のバディが解く連作ミステリ。 ■目次 「一 くもがくれにし よはのつきかな」 「二 かこちがほなる わがなみだかな」 「三 からくれなゐに みづくくるとは」 「四 もみぢのにしき かみのまにまに」 「五 しのぶることの よわりもぞする」
■2024年必読作・ペリン『白薔薇(しろばら)殺人事件』冒頭先行掲載や、ブックガイドなどで贈る、「謎解きの魅力、再発見! 初夏の翻訳ミステリ特集」。■読切 〈福家警部補〉シリーズ最新作! 大倉崇裕「亡霊」。不死の少女をめぐる美しい物語、川野芽生「不死者の物語 -女生徒」。■第24回本格ミステリ大賞全選評、一挙掲載。■特別企画 〈エリ沢 泉〉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)&〈明智恭介〉シリーズ最新作刊行記念「対談 櫻田智也×今村昌弘」ほか。
歓楽の絶頂を極め、なお新たな楽しみを求めつつもそれが手に入らない貴公子。あるとき彼は、珍しいものを扱う外国人に出会う。谷崎潤一郎の名作が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは『ルルとミミ』『鼠』『魚服記』『山月記』『赤とんぼ』を担当するイラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに現代リミックス。第39弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。