2024年7月27日発売
曾祖父の遺したノートに記された八つの■をめぐる物語「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」、“ムーンシャイン予想”を下敷きに繰り広げられる軽快な算術SF「ムーンシャイン」、生まれ変わりを教義の中心におく“エルゴード教団”の奇怪な歴史を描く「遍歴」など全四篇。SFと純文学の世界で大きな注目を集める著者の短篇集。
栃木県北西部の田舎町で、八人の女性が殺害された挙げ句、解体・遺棄されるという事件があった。その十五年後、現場だった犯人の元自宅、通称「バラバラ屋敷」へ肝試しに訪れた五人の中学生は、鍵の掛かった屋敷内を覗いたところ、卓袱台に同級生の生首が置かれているのを発見し…密室化した幽霊屋敷を巡る謎を描く表題作ほか、異界駅に迷い込んだ大学生グループが、密室からの殺人犯消失に遭遇する「にしうり駅の怪談」など、怪談作家・呻木叫子が採集した四つの怪奇犯罪譚を収める。第十七回ミステリーズ!新人賞受賞作シリーズ最新刊。
砂漠に花開いた水の都、 美しき奇跡の都の秘められた真実の物語 〈ふしぎ駄菓子屋 銭天堂〉〈妖怪の子預かります〉 シリーズの著者のアラビアンナイト風ファンタジイ 大砂漠。砂の大海原とも呼ばれるこの地には、はるかな昔より数々の国や集落が生まれては、年月と共に砂に呑み込まれ忘れられていった。そのなかで、決して忘れられることのない国が一つだけある。ナルマーン。一つの都にして一つの国。砂漠でありながら、青い水が尽きることなくあふれた都。魔族を支配した王が造らせた奇跡の都。だが、どんな歴史書にも書かれていない真実のかけらは無数に存在し、それぞれに物語を秘めているのだ。『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ、『妖怪の子預かります』シリーズで人気沸騰中の著者による、アラビアンナイト風の世界を舞台にした極上のファンタジイ短編集。 ■目次 プロローグ 1 絹の都の姫君 2 小さな眷属(けんぞく)の憂(うれ)い 3 白の悪だくみ 4 赤の贈り物 5 青の再会 6 夜風と共に エピローグ