2023年4月26日発売
本好きの中年男ヘンクは、離婚して老犬スフルク(ならず者)と暮らすICUのベテラン看護師。ある朝、運河沿いを散歩中、へばってしまった老犬をすばやく介抱してくれた女性がいた。この日は、かわいい姪の17歳の誕生日。元妻の情事の現場に出くわして以来、恋なんていうものとは無縁に生きてきたヘンクだが、けさ出会った同世代の女性にときめいている自分を発見する。戸惑う彼の背中を、姪のローザがどんと押す。離婚、不遇だった兄の死、やり手の弟との不仲、忍び寄る老い…人生の辛苦をさまざまに経験してきた男が、生きるよろこびを取りもどしていくさまをつぶさに描く。2020年、コロナに見舞われたオランダで、多くの人たちを慰め、励ましたベストセラー小説。リブリス文学賞受賞。
俺は転生したんだぞっと。小説を原作としてゲーム化にアニメ化までした『魔導の夜』の世界に、だ。原作の小説こそ途中で飽きてしまったが、ゲーム版はやり込みアニメ版も網羅しているがどうも少し様子がおかしい。そう、俺は転生した。ただしメイン級のキャラクターではなく、ただのモブに。それも本編ストーリーには全く出てこない、もはやモブですらないかもしれないキャラに転生してしまったんだ。両親にも怪しまれないように、ごく普通のモブとしてこの世界を生きようとしてたんだが…。突然、幼稚園で魔物に取り憑かれた同級生の暴走に巻き込まれてしまう!俺でもなんとかなるんじゃないか、と思って戦いを挑むも腕を切られて満身創痍。馬鹿な考えをしたものだ。俺はモブ。明日のニュースで「死んだ幼稚園児」と報道される程度のモブだったのだ。『ジョブを決めてください』ふと、ゲーム開始時に見たことあるメッセージ表示が浮かぶ。生き残るために選んだジョブ『神官』で窮地を脱するが、この選択が意図せずして『魔導の夜』の展開を変えていってしまうのであった。
「ちっくしょぉー!彼女欲しぃー!!」いかつい顔に立派な体躯を持ったがゆえに、中学三年間まったくモテずに過ごしてきた俺。そんな嘆く俺の前に突如現れた謎の女神。「そんなあなたに朗報です!女性にモテモテの人と、人生を交換してみませんか?」突拍子の無い女神の提案に困惑しつつも、入れ替わりを決意する俺。しかし目覚めた先は、男性が極端に少ない世界の日本だったー!?そんな世界で入れ替わった宗谷武人として戸惑いつつ過ごしながらも、この世界で男性は誰でもモテモテ。故に、モテない女性の心が理解できるのは元・非モテの俺のみ。それに気づいた俺は周囲の女性を幸せにしようと心に誓うのだが…書籍化に伴い、新規エピソードも多数追加!
王太子に婚約破棄を突き付けられたクリスティーナは、衝撃を受け前世を思い出す。その記憶によると、ここは乙女ゲームの世界で自分は悪役令嬢らしい。であれば、婚約破棄は受け入れるしかない。とはいえ、このまま運命に身を任せ大人しく引き下がるなんて、これまで公爵令嬢として誇り高く生きてきた彼女にとって許せることではなかった。ひっそりとどこかに嫁げ、という父の言葉に逆らい、クリスティーナは自分の価値を証明するため孤独に奮闘する。周囲はそんな彼女を冷笑し様々な嫌がらせをするが、彼女は負けない。やがてその凛とした姿に、無骨な辺境伯が一目惚れしてー!?
父の命で没落しかけのバークレア伯爵に嫁いだローザ。彼女は、自分に見合う男になろうともがく夫エイドリアンを可愛らしく思うものの、その気持ちがなんなのか分からないでいた。そんな中、ひょんなことから国王に目を付けられたローザは、側室に召し上げられることに。父であり、冤罪で追放された元王太子のドルシア子爵は、それを利用して国王に近づき、正当な跡継ぎたるローザに王冠を贈るべく本格的に動き出す。一方エイドリアンは、いずれ来るローザとの別れを受け入れる心の準備をしながら、すれ違いこじれっぱなしの親子の仲をどうにか修復しようと奔走中。王座を取り戻した時、二人の離縁も成立しー。
姉のものを欲しがる妹の悪癖を利用した、婚約者交換ー。その結果、令嬢マリーアンネは長年の想い人・公爵ハロルドとの婚約に成功した。そんな憧れの彼と、実は相思相愛であったことを知ったマリーアンネ。けれど幸せな時間も束の間、彼女は王太子の婚約者となった妹の臨時講師に任命される。慣れない激務に追われ、愛するハロルドと会うことすらままならない日々。さらに折悪く、ハロルドもある極秘任務のため王都を離れることになる。孤立無援の王宮で、マリーアンネは懸命に自分の役目を果たそうとするのだが、その裏では恐ろしい陰謀が動き出していてー!?切なくも美しい至極の恋愛譚、激動の第二巻!
皇太子の婚約者である公爵令嬢・ジョージアナ。彼女は、自身を蔑ろにする婚約者・ランドンに対し、とある宣言をした。それは「もうあなたを愛することをやめる」というもの。未来の皇太子妃として、婚約者と愛し愛される夫婦になることを望んでいた彼女だったがー自らの願いを踏みにじり続けるランドンに対して期待することをやめたのであった。宣言から数日が経ち、友人たちと下町に遊びに行ったり、家でゆっくりと過ごしたりと、新しい日常を楽しむジョージアナ。そんな彼女とは裏腹に、ランドンはジョージアナの居ない日々に虚しさを感じていた。そしてある日、ジョージアナの前に思いつめた様子のランドンが現れてー?
シーヘルビー国での結婚式参加も無事に終え、帰国したバーティアとセシル。最近では友人たちの結婚式の話も出始め、周囲はおめでたい雰囲気に満ちている。そんなある日、バーティアの契約精霊・クロと、セシルの契約精霊・ゼノが結婚の挨拶をしに、精霊界にあるお互いの実家に行くことになった。せっかくだからと、セシルとバーティアも一緒に行くことに。まずはクロの実家である闇の王の城に向かったのだけれど…ゼノ&セシルは、城から追い出された挙句、「協力して課題をクリアしてこい」と言われてしまって…!?愛する者と再会するため、男性陣よ、いざ行かん!
目が覚めると異世界の公爵家の末っ子妹に転生していた主人公・ミリィ。宿敵・ウィタノスことモニカとも和解し、相変わらず美形の兄たちから愛されながら、ほのぼの幼女ライフを送っていたミリィだが、ある日、街中で見知らぬ男に誘拐されてしまう。連れ去られた先は遠い異国の地であり、母の故郷でもあるザクラシア王国だった。男装しているミリィを少年と勘違いした誘拐犯は、ミリィを次代の国王候補とするのだと言ってきてー。さらに末っ子妹の失踪に気が付いた兄たちは、怒り心頭の中、最愛の妹を探すために国を飛び出し、居場所を突き止めるが…。ついにチート能力が発覚!お兄様の溺愛超加速、急展開の第二巻!
現実のみならず異世界でまで面倒ごとを押し付ける妹・マナから逃げるために公爵家で学び続けるレイナ。そんな彼女の元に現れたのは超独善的な伯爵夫人と、娘にDVモラハラを振りかざす子爵。過去の家族を思わせる二人を一発退場させ、レイナは少しずつ辛い過去から抜け出すために歩みを進めていく。しかしついにある日、無理が祟ってレイナは意識を失ってしまう。そこで表出したのは、隠された妹への劣等感といつかは大切な人に見限られることへの不安だった。そんな彼女に、宰相エドヴァルドは彼女への独占欲を伝えー。超有能でちょっぴり脆い聖女の姉と冷徹で寡黙な宰相閣下の、異世界世直し&恋愛攻防戦、待望の第二弾!
兄が詐欺に遭い莫大な借金をしたせいで、貴族の好色ジジイに嫁がなければならなくなった男爵令嬢のソフィア。ところがそんな彼女のもとに、王太子の『友人』になれば借金を肩代わりしてくれるという提案が飛び込んでくる。しかし世の中そうそう上手い話などあるわけはなく、その『友人』とは、王太子の不仲な婚約者に嫉妬をさせる当て馬のことだった。他に方法のないソフィアはそれを了承し、王太子の計画書通り、よく言えば天真爛漫、悪く言えばバカそのものの友人役を演じることに…そうして王太子と時に本音で言い合ったり交流を持ったりする間に、二人はただの『友人』ではいられなくなってきてー。
語り手は一匹のヤモリ。アンゴラの首都ルアンダで、フェリックス・ヴェントゥーラの家に棲みつき、彼の生活を観察している。フェリックスは人々の「過去」を新しく作り直す仕事をしている。長年にわたる激しい内戦が終わり、アンゴラには新興の富裕層が生まれつつあるが、すべてを手にしたかに見える彼らに足りないのは由緒正しい家系なのだ。そんな彼らにフェリックスは、偽りの写真や書類を用いて新しい家系図と「過去」を作成して生計を立てている。ある日、フェリックスのもとを身元不詳の外国人が訪ねてくる。口髭を生やし、古臭い服装をしたその男は、「名前も、過去も、すべて書き換えてほしい」と頼み、大金を積む。フェリックスは悩むが、結局、ジョゼ・ブッフマンという新しい名前をはじめ、すべてを完璧に用意する。ブッフマンは大喜びし、以後、足繁く訪ねてくるようになる…。2007年度インディペンデント紙外国語文学賞受賞作。