著者 : 斉城昌美
目指すは敵都、勝利を手中に!長年の悲願を胸に抱き敵領に攻め入ったアシュラウル軍。忍び寄る崩壊の足音に保身に走り浮き足立つ民草だが動じることなくただ独り獅子王は神皇帝に一騎打ちを挑む。大陸の覇権と男の矜持を賭け死力を尽くして戦い続けた両名の決戦の刻は今。
北方戦線でダルナディートに圧勝し怒涛の勢いで南に突き進む帝国軍。一方、寡兵を率いて南方戦線の緒戦に辛うじて勝利を得たアシュラウルは対決の時を予感しつつ北進する。賭けるものは大陸の安寧-一歩も譲れぬ戦いの幕が上がる。魔道帝国の圧倒的な大軍に挑む精霊王アシュラウルに果たして勝機はあるのか。
カイムジェサ帝国との決戦に向けて帝国内部に足掛かりを築かんと拠点を構えたアシュラウル。周囲の部族を苛政から解放しつつ帝国の瓦解を誘う戦法はしかし西の大陸のすべてを巻き込み無垢の人々を犠牲に求めた。偽神を疑いながらも戦う獅子王と冷酷な戦術で立ち向かうアシュラウル。竜虎相打つ激戦の行方は。
港町ダィーラに流れる猟奇殺人の噂。またしても獅子王の陰謀か。悪辣な手口を察したアシュラウルはアマラン国内の内訌を阻止すべくクィラ領主邸の宴に乗りこんだ。華やかな祭りの陰で密かに進行する陰湿な企て、帝国の策略を潰さんがため精霊王アシュラウルが選んだ苦肉の策とは。
争乱のニーヴァンをあとに旅に出たアシュラウル一行は、アマラン王国の末王子が領内で消息を絶ったとの噂を耳にする。不思議な力で魔道帝国の脅威から国を護るという王子ルシュエス-新たなる獅子王の陰謀か。事件の裏に謀略の臭いを嗅ぎ取ったアシュラウルは王子を救うべく怨霊巣喰う魔都へと乗りこんで行く。
恋人も友もすべてを戦乱に亡くし、傷心のアシュラウルは海を渡る。争いのない世界を夢みて辿り着いた新大陸だったが、この地にも大陸制覇の野望を抱く魔道帝国カイムジェサの獅子王が居た。二度と再び剣は手にせぬ、との誓いも虚しくアシュラウルは、ニーヴァンの玉座を巡る戦いへと巻き込まれていく。
神聖連合王国の北方軍が遂にシヴァート奪還へと乗りだした。南北両面からの攻撃にいよいよ窮地に追いこまれた帝国軍。しかし獅子王は不気味な沈黙を守っていた。順風満帆に見える戦いの裏で秘かに暗躍する反逆者たち。野望や思惑が交錯する中、アシュラウルが採った策とは。
バウィラノス軍の侵攻を食い止めた新将軍アシュラウルは不敗の防衛体制を築くことで聖戦という名の殺戮の終結を目指すだが、久々の勝利に酔いしれる王達は更なる勝利を要求するのだった暗澹たる思いを抱いて敵情視察に出たアシュラウルの前に現れたのはいまやバウィラノスの執政となった最愛の妻モアラの姿だった。
カイムジェサ帝国との決戦に向けて戦備を整える神皇帝アシュラウル。その足元をすくうかのようにニーヴァン王エルダーンが叛旗を翻した。人間の野心とはかくも激しく、愚かしいものなのか。苦い想いを胸に、アシュラウルは単身陰謀渦巻く王都へ飛ぶ。だがそれは、さらなる騒乱の序章にすぎなかった。