著者 : 篠原美季
ロンドン、ヒースロー空港の上空で目撃された龍。東洋風の蛇に似た姿のそれは、ユウリたちの母校・セント・ラファエロの上空でも生徒たちに目撃された。その後、降り続く雨。総長となったアーチボルト・シリトーは「フォーダム級」の異変を察知し、ユウリに事態の正常化を依頼。ユウリは母校を訪問する。その頃ロンドンでは、シモンの弟・アンリが行方不明に。ユウリは龍の謎を解き、アンリを救えるか?
セント・ラファエロ時代のユウリの友人、アルフレッド・ロウ。著名な占い師を祖母に持ち、本人もタロットが得意な彼は、祖母が相続した遺産の手続きをする際、ユウリに同行を求めてきた。遺産には「隠れた問題」があり「カップの従者」が必要になるというのだ。シモンに紹介してもらった弁護士と共に南仏に遺された家を訪ねた二人。ユウリはそこで不思議な形の指輪を手にし、パリにあるもう一つの遺産の存在を知る。
西早稲田の路地裏。枝垂れ柳に隠れるようにひっそり佇む食堂「あおやぎ亭」。営業時間は日の出から日の入りまで。おばんざい風の料理を出す店の主人は、端正な顔立ちをしたどこか古風な感じのする男性だった。半井結人は幼い頃の体験から「死者の魂」が見えるようになり、その力を持て余していた。だが「あおやぎ亭」の店主との出会いを機に、自分に秘められた力の意味と活かす方法を知ることに。新シリーズ開幕!
シモンの双子の妹たちが、ユウリへの贈り物にするためネットオークションで落札した万華鏡。覗き窓の周りにラテン語で「百の目が見る」と刻まれたそれは、実は盗品だった。女性遍歴からか「青髭公」と呼ばれるニューサム伯爵は、アシュレイに盗まれた万華鏡捜しを依頼。シモンの許にはアンジェレッティという男が、ユウリの前にも若い男が万華鏡を求めて現れた。三人の男が執着する万華鏡に隠された秘密とは?
待降節に華やぐロンドン。一年に一度の新人デザイナーとモデルの卵たちによるファッションショーが行われた。スーザンは、そのランウェイを歩くことに賭けていた。だが夢は叶わなかった。失意の彼女の指には、エジプトで拾った赤い石がはまった古い指輪が、禍々しく光を放っていた。一方、ウエストエンドの骨董商ミスター・シンの店で異変が起き、アシュレイが巻き込まれてしまう。ユウリはシモンの力を借りて、スーザンとアシュレイを救えるか?
ハロウィーンを前にしたロンドンの街角。ユウリは、困り顔で座り込む奇妙にクラシカルな装いの青年から「一緒に林檎を捜してくれないか?」と頼まれる。パリでは、シモンが怪しげな結社に所属するルイ=フィリップから林檎を渡せと迫られ、シモンの従姉妹ナタリーの周囲でも、林檎が謎を呼ぶ。一方アシュレイは、林檎が描かれた妖しい書き物机を託されるが。皆が捜す「林檎」とは?果たして林檎は誰の手に?
悪友バーナードに呼び出され、田舎町ブライアーヒルへと赴いたリドル。その地で何故か、二人は入れ替わる羽目になるが…?ヴィクトリアン・オカルト・ファンタジー第2弾!!
新学期。シモンは、数学の天才・ジャック・パスカルと邂逅した。彼は、マンチェスター近郊にあるオコーナー家のマナーハウスで開かれるホームパーティーに出席。その帰路、ロンドンに住むユウリを訪ねたいと話した。だが、ユウリの前には姿を現さず、帰寮後は、部屋に引きこもってしまう。才能と栄光をもたらすというオコーナー家の失われた家宝「ウェーズリーの水晶」を捜すアシュレイ。パスカルを異変から救いたいユウリ、シモン。謎の鍵は、マナーハウスに!
夏休みを日本で過ごすユウリとシモン。横浜で二人は、偶然ユウリの幼馴染み・樹人に再会する。そこにやって来た樹人の友人を見たユウリは、不吉なものを感じ「彼からは、何も受け取らないほうがいい」と樹人に忠告する。不吉の源泉。それは山手の教会で発見された、大いなる闇の力を持つという「ブラック・ウィドウ」だった。「ブラック・ウィドウ」を追う黒い結社。そして新しい味方の登場。「欧州妖異譚」シリーズ、新展開の幕開け!
ユウリと不思議なカードの力で間一髪、命を救われたハリーズ。だが彼女は、意識を失ったままで目を覚まさない。ハリーズを見舞うため病院を訪れたユウリとシモンは、そこで禍々しさを全身に宿した黒ずくめの男と再会する。オットー・リーベンドルフ男爵。彼は、ユウリにハリーズの魂を取り戻したければ、カードを捜し出し、渡せと言う。アシュレイと合流するためヴェネチアへ飛ぶ二人。水の都で三人を待ち受けるのは?カードを巡る冒険、完結!
イースター休暇を前に浮足立つセント・ラファエロ。特にヴィクトリア寮では恒例行事・エッグハントの景品「シモンとのアフタヌーン・ティー」を巡り、盛り上がりは最高潮。だがハリーズの顔色は、暗く沈み込んで見えた。ハリーズの後見人だった文献学者、故ジョージ・スペンサーの蔵書を調査するアシュレイは、館で黒ずくめの男と出会う。男は、遺品にあるはずの「あるもの」を渡すようにと迫る。やがてその魔手は、ユウリにも及ぶが。
全寮制のパブリックスクール、セント・ラファエロ。その生徒たちがある屋敷に集い、降霊術を行った。正体不明の霊が呼び出され、不気味な予言を残している時、屋敷の主である文献学者が書斎で謎の死を遂げる。遺された蔵書コレクションから消えた「書物」とは?不思議な力を持つ漆黒の髪の少年ユウリと貴公子シモン、オカルトに造詣が深い上級生アシュレイ。三人の美しき少年たちは「書物」の秘密を解き明かせるか?
キース・ダルトンに日本の「根付」の競売に参加して欲しいと頼まれたユウリ。当日、会場で見たものは、象牙に精緻な細工を施した牛の古根付だった。同時に出品された虎、偶然ユウリが手に入れていたニワトリの根付も「時阿弥」という職人の手による物だった。夏休みを京都で過ごすユウリは、従兄弟の霊能者・幸徳井隆聖と怪異に挑むことに。同じ頃、公開授業を手伝うため来日したダルトンが、行方不明になってしまう。
校舎裏に封じられた邪悪な古代神が蘇る!?全寮制のセレブ男子校、御堂学院は密かに危機を迎えていた。神使いに任命された真人と神鎮めの神官である蘇王は、夏休み返上で、復活阻止の鍵を握る火の神「カグツチ」の情報を集めるが空振り続き。そんな中、突如真人が失踪。さらに古代神を崇める上級生・守谷も本格的に動き出して…!?奔放な神使い&クールな神官コンビ、最大のピンチ!大人気学園オカルト・ミステリ第3弾。
怪しげな古美術商ミスター・シンの店に「魔獣」だという熊皮の鑑定依頼が持ち込まれた。アシュレイは、その真贋を見極めるためフランス中南部へと向かう。その頃、ベルジュ家のロワールの居城では「天使」と呼ばれるシモンの双子の妹たちが、自分たちの誕生日会の余興として宝探しゲームの準備を進めていた。ユウリは、何者かがすりかえた誕生日会の偽招待状に騙され、パリ北駅から連れ去られてしまいー。
全寮制のセレブ学校・御堂学院。玉司真人は学内で巫女装束の幽霊を見かける。寮監督生の水方蘇王は、それは心霊写真に写っていた女性の霊が抜け落ちたものだというが、その後、心霊写真の撮影者・高校3年生の下平が火事で死亡してしまう。しかも同じ場所で、十数年前にも火事が起きていたことがわかりー!?自由奔放な神使いと神鎮めの神官が、怪奇事件の謎に迫る!大人気ゴシック・ミステリ、第2弾!!
十五歳を迎えた生徒が一人、必ずいなくなる「十五の神隠し」。しかも学内には神への貢ぎ物として死体を埋めた岩があるらしい。そんな忌まわしい伝説がのこる御堂学院。だが、言い伝えのとおり、十五歳の生徒が姿を消してから異変がはじまった!?編入生の玉司真人は、生徒の行方を捜し、助け出そうとするが、寮監督生の水方蘇王に固く止められてしまいー!?全寮制の男子校を舞台に描く華麗なるゴシック・ミステリー、開幕!!
ローマ郊外の地下遺跡調査現場で発掘された鉛の板。そこに刻まれた文字を読んでから、ダルトンの旧友・アンソニーは原因不明の不調で心身を病み「自分は呪われた」と繰り返し訴えるのだった…。一方、時を同じくして聖天使城からイタリア人女性も姿を消した。ふたつの事件に、関連はあるのか?ユウリは、密儀宗教などに詳しいアシュレイを頼り、ダルトンを含む三人でローマへと向かうのだった。
英国の全寮制パブリックスクールでの同級生、ユウリとシモンは親友以上の関係だ。二人は通う大学はロンドンとパリに離れてしまってはいたが、シモンは週末にはユウリのもとへ足をのばしていた。そんなある日、やはり高校の同級生でユウリと同じ大学の俳優、オニールの舞台の打ち上げパーティーで、事件は起こった。シモンに近づく女にユウリが見たものとは…。