1991年4月発売
「ハートブレイクバスターズ」は、その名のとおり“失恋退治屋”サン!あなたの悲しい失恋も、恋を憎む霊・ハートブレイカーのしわざなの。おはらいすれば、もう大丈夫よ!-なーんて、信じられる。これが悩める17歳の、あたし、ショーコのバイト先ってわけ。もっとも、笑顔のまぶしいミカエルがお目当てなんだけど。ところが、こんなあたしたちにヤキモチして、ハートブレイカーが本性を現して襲ってきたの。“恋”を守らなきゃ!
「ゆーさんのラーメン、残したりするんじゃなかった…」。ここは船底、オリの中。白黒まだらの腕でつかんだ笹の葉を、後悔の涙がぬらしてる。あわれ、ミキは空腹のパンダの姿に。南の島のマーナ王から、聖マリアに招待状が来た。香港への船旅を楽しめるのは、院長先生が選んだ10人だけ。めだたないミキは、ぬいぐるみを着て忍びこむしかなかったのです。ところが、重大な秘密を“パンダ”は聞いた。船長たちはニセモノ、凶悪な乗っ取り犯なの!
あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。入学以来、妙な事件にばかり巻きこまれてきたんだけど、封印された栄の超能力を解放するため、今回はとうとう『火星行き』なんていう、とんでもないことになってしまったの。火星に行ったら行ったで、三好さんの師匠のいるという火星高野山で、あたしたち一行を待っていたのは、あのキンナラくんだったし…。これからいったい、どうなるのかしら。
悪の栄える犯罪都市ネオ・ナリタ。元気者の真夜子のもとで暮らす、天才少年・涼のなかには、伝説の妖魔が潜んでいる。その名は、アルディーン。誰も制御できなかったすさまじい呪力で、涼は今夜も、“悪”に立ち向かう。ところが、思わぬ相手が目前に。香港の女頭目・梨花夫人。妖艶な美貌と毒をふくむ色香は、男たちを狂わせる。涼も、うつろな目じゃ、陰で笑う本当の敵の毒牙は見えない。目を覚ませ、闘え、涼!愛する者のために。
厳寒のニューヨークシティから、赤い髪のエイリアンが帰ってきた。冬でもあんまり寒くないカリフォルニアから、美少年も帰ってきた。ふたりをアメリカから呼び戻したのは、以前、あたしたちを教えてた先生。ホシオの宿敵、理科の野沢先生。ホシオの敵は当然、あたしの敵でもある。あたし、百武千晶と、ホシオの前に、これだけ役者が揃ってしまって、トラブルのないはずがない。そう。たしかに、トラブルは起きていたの。
わたし、田村亜里佐。このたび、みごと、N高に合格しました。もう、うれしくって。だって、N高には憧れの浩ちゃんがいるんだもの。幼なじみで、ひとつ年上の超素敵な人。でも、この恋は誰にも打ち明けられないの。わたしの双子の姉、真里亜に、「浩ちゃんが大好き」って、先に宣言されちゃったから。真里亜はとても積極的。浩ちゃんも真里亜が好きらしいんだけど、わたしにやさしくて。やっぱり、わたし、あきらめきれない…。
尚之は、生まれて初めてできた、彼氏って呼べる人。大好きな人。あたし、今、世界じゅうで一番のしあわせ者だよね。あたし、中野木綿子。高校2年。元気でノリがよくてっていうタイプの女の子。自分では、この性格、けっこう好きなんだけど、困ったことに、尚之の好みのタイプは、あたしとは正反対の、おとなしくて物静かな子なんだ。だから、あたし、尚之の前では、彼に合わせて、おとなしい子してたんだけど…。
紫苑学園高等学校。伝統と、広大な敷地と、きらめくような卒業生たちに彩られた名門。なぜこのわたしが、こんな学校に入学したのかというと、ほかの高校の受験にすべて落ちてしまったからなんだ。本当は、わたしだって、もっと自由で、庶民的な学校で、のびのびと高校三年間を送りたかったんだけどな。そんなわたしが、入学早々、なんと、生徒会の美青年たちと演劇祭で『ロミオとジュリエット』を共演することになってしまって…。
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第三の月があったという-。広大な砂漠を放浪するリューとエリアードは、偶然出会った隊商に助けられた。長のハルシュ老の勧めで、隊商と一緒に旅をすることにしたふたり。しかしそれが、事件につながろうとは…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚開幕。
1991年、初夏。津和野夕希、16歳。わたしは夢を見ているんだ、と夕希は思った。そして、夢の中の少女は夕希自身だった。『由起乃』-彼は少女の名を呼んだ。クラスメイトの日高達朗は、すごく真剣な目をして、夕希を見つめていった。「あんた。由起乃とは、似ても似つかねえや」“-彼が見ていたのはわたしじゃないの?わたしを通してほかの誰かを見てたの?”
恋の始まりは、いつも突然…。17歳の倉橋樹の場合も、それは唐突に訪れた。雨宿りに飛びこんだ“六本木ピットイン”。煙草の煙と、ジンの香りの向こうに、彼、織田恭平がいた。恭平の吹くアルトサックスの音色が、樹の心を捉えて放さない。初めて知る本物の恋。彼に導かれるまま、樹はジャズの世界へ…。高校最後の夏。樹のほんのりビターなラヴストーリーが始まる…。
あたし、リリアン。バドリジア王国の第二王女。父様は亡くなってしまったけど、女王である母様と、カナリー姉様、妹のクレメンティアと四人で、平和に、幸せに暮らしていたの。でも、その平和は、一瞬にして崩壊してしまった。野望に満したシタ王国によって。あたしはたったひとり、隣国のブロニジアに落ちのびたけど、何もかも失って、いったいこれからどうしたらいいのだろう…。壮大なヒロイック・ファンタジー開幕。
結実の父の荘式があった。結実は、不思議と涙が出なかった。そんなとき、昔父の会社で働いていた嶺子が久し振りにやってきた。今の結実と違って、ゆとりがあって幸せそう。でも驚いたことに、浜田が嶺子の従弟で、嶺子は浜田がオーナーの会社で働いてるだなんて…。結実は、なりふりかまわず、女優よりも知名度のあがる歌手を選んだ。それにはなにがなんでも、待子の協力が必要だった。
高校2年の夏。17歳の誕生日の花音は松浦一泉(みーくん)と再会した。でも彼にとっては、その日は恋人・祐実の一周忌だった。「皮肉だね。俺、もう、花音の誕生日を祝ってやれなくなっちゃった…。」すれちがってしまう想いに、花音の心は重い。恋人の大沢淳悦(淳くん)も含めて、ガラスのように儚くこわれやすい心たちの姿を花音は知っていく…。好評シリーズ第5作。
あたし、みんの。中学2年。実は今、とっても困ってる。だって、うちのお父さん、突然会社を辞めて「便利屋」なんてはじめちゃったんだよ。そしたら、幼なじみのハズムが依頼にきて、犬のラブリーを捜してくれって。最初はしぶしぶ手伝ってたあたしだけど、調査を重ねるうち、意外に奥が深そうな事件ってわかってきた。うーん、あたしってば、もしかしたら探偵稼業に向いてるのかも。
私(真夏)のママが再婚して、新しい家族との生活が始まった。ママが私だけのものじゃなくなるのはちょっと寂しいけど、ママの幸せのためだもの、仕方ない。でも、がまんならないのはあの女-私の継姉・美香子のこと。美香子は、私が大好きな紀之さんの恋人だったことがある。そして紀之さんを振ってしまったくせに、「もう一度よりを戻してもらおう、と思ってるの」なんて言いはじめて。
女子校に通う綾乃は、バイクとぶつかって気を失い、病院に運ばれた。そのときから綾乃の頭の中にゆうこという知らない少女が住みついてしまった。ゆうこは綾乃の担任の筒井先生を知っているらしく、さかんに綾乃をけしかけ、筒井先生に綾乃の存在をアッピールさせた。ゆうこの気持ちを思いやる綾乃は、筒井先生の家を訪ねたりして、先生の関心を自分に向けさせようと必死になったが…。
五月祭のイヴ、その日は妖精の国への扉が開く日。その扉は、ショウのママのイギリスのクレイトン家の領地のどこかにあるらしい。あたし(モリカ)は今年こそ妖精王であるパパに会おうと、ショウと2人でイギリスへ行くことに決めてる。ところが、同じ高校のロック部のウィングが、プロデビューのレコーディングをロンドンのスタジオですることになった。そこで、皆で一緒にイギリスへ…。