1996年5月発売
『魔法使い』は記憶を取り戻せなかった。だけど、あたしは『女帝』のことを教えたくない。あたしは『女帝』に嫉妬してる…。そんなあたしたちの前に現れたのは、会堂から脱出してきた坂崎。でも、戦いの真っ最中、『運命のタロット』最強の精霊『世界』が、坂崎を会堂へ連れ戻しにきたんだ。その引力に巻き込まれて、なんと、あたしは、13年後の世界へふっ飛ばされてしまったの。そして、そこで再会したのは…。
港の見える丘公園で女性がおそわれ、現場から怪しい覆面の男が立ち去った。事件解決にのりだすリミと彦音-。それにしても、あの、別人になった彦音くんはしっかりしているのに、ふだんはまったく頼りなくて、イヤになっちゃう。だいたいこんなピンチのときに変身してくれないないんて、犯人をつかまえられない。でも、覆面の怪人って、敵なの味方なの。すると犯人はいったい…。
わたし、どうかしてる。あの電話は、ただの間違いで。あの人は、わたしと話をするために掛けてきてくれたわけじゃない。お互いにどこで何をしてる人間なのか、尋ねることもなく、話してたけど-なぜか、それが心地よかった。前の彼のこと、まだフッ切れたわけじゃないけれど。ドキドキする対象が、変わっていく気がして…。
亨は背もまあ高いし、顔も悪くはない。そのうえ、頭が良くて、サッカー部のキャプテンとくれば、モテないわけがない。ユキは何でもはっきり言う。好きなものも、嫌いなものも容赦ない。典子は、かわいいけど、ほんとの友達じゃない。大事なことは話さない。お互いに。17歳の教室には、いろんな色があふれている。いつかあたしも、自分を思いどおりに染めることができるだろうか…。
私、鹿島田理梨子。タロット占いとネコの世話が得意な高校2年生です。私の学校には、とってもステキな生徒会長がいたの。でも、半年前に亡くなってしまった…。ところが、彼の亡霊が体育館に現れる、という噂が広まり、会長に憧れてた女の子たちは、パニック。ついに、この私も道づれで張りこむことに。殺人事件は、その夜の暗闇から始まります。「危ないことに、かかわるなよ」って、BFのロウが忠告してくれたのに…もう手遅れ。
京都の庵に身を隠していた篠宮透子が、父・京一郎の手によって誘拐された。卓也と聖司、そして薫の三人は、七曜会の命を受けて、京一郎の潜伏先、香港へ飛ぶ。透子を呪具とする術の完成のため、七曜会の秘宝「闇月」を奪った京一郎の狙いは、香港にあるもう一つの秘宝「照日」。薫と卓也は無事秘宝を守り、透子を奪還できるのか…。霊能力コンビが繰り広げる妖しの世界のオカルト・ファンタジー第五幕。
大公家に伝わる「未来の書」には、そこに記された予言を成就してゆくかぎり、公国は安泰である、という言い伝えがある。美貌の公子エリュートに課せられた予言とは、公国遍歴のあと、国で最も美しい娘を生涯の伴侶として都へ連れ帰るというものだった-。飲んだ者を一晩で“最も美しい娘”に変えるという秘薬を授かって、エリュートは従者マシバと旅に出たのだが-。第2回ホワイトハート大賞「エンタテインメント小説部門」優秀賞受賞。
時を経て、たくましく成長し『蒼の王子』と呼ばれるようになったフェランは、敵国バハウ帝国から、故国エルミネールを奪還。念願を果たした。そして、いよいよ、隣国リンバーグ皇国の姫君リュキア皇姫が、フェランの花嫁となるため、エルミネールへとやって来た。しかしフェランは、国境に押し寄せたバハウ軍を迎え撃つために出陣。だが、なぜかあっさりと退くバハウ軍。帰還したフェランは、リュキアと喜びの時を過ごす。だが、その幸せな時の陰で、世界は、大きく変わろうとしていた-。
地獄の関東大震災から3年後。大正15年。神島桐子は、先代の神島家の当主、兄史人の急死をうけて神島家の当主となった。桐子、わずかに10歳。神島家の使役鬼たる弓生と聖は、桐子の術修業を助けるべく東京にいた。だが、術修業とは名ばかりで、実は中央の術者を呪詛するためであった。命じたのは、桐子の後見役を任じる狩間久義。中央の術者の一部が体制の転覆を謀っているのだという。その数13名。-しかし、事の成り行きに胡散臭いものを感じた弓生と聖は、その背後にあるものを探り出しにかかるが…。感動の名作、後編。
直接選挙を実現し民主主義を育みつつある台湾にアジアの巨象中国がついに牙を剥いた。改革開放経済が破綻、軍事的冒険に打って出た南沙諸島で資源を失い、行き場のない中国の矛先は台湾海峡へ向けられた。常任理事国日本は、市場として無限の可能性を秘めた大陸と、産声を上げた民主国家の間で選択を迫られる。日本は金門馬祖両島に陸自からの兵員を派遣する。開戦の火蓋が切られたのは大陸との距離わずかに二キロ、地上で最も堅牢な要塞島、金門だった-近未来軍事シミュレーション。
暗愚な王を倒し権力を掌握した王英達三公子は外憂に備えるべく国力の整備増強に腐心していた。しかし己の権力に固執する諸候の反発は思いのほか強く内政改革は遅々として進まなかった。おりしも隣国楚が強国秦と合従し華陽を狙っているとの報が届く。亡国の危機に彼らがとった策とは。
カイムジェサ帝国との決戦に向けて帝国内部に足掛かりを築かんと拠点を構えたアシュラウル。周囲の部族を苛政から解放しつつ帝国の瓦解を誘う戦法はしかし西の大陸のすべてを巻き込み無垢の人々を犠牲に求めた。偽神を疑いながらも戦う獅子王と冷酷な戦術で立ち向かうアシュラウル。竜虎相打つ激戦の行方は。
現世魔王復活の鍵となる閃輝真刀を持って渡目沖村を出奔した破軍を、凶魔『穿』と自衛隊の白金一が追う。一方、渡目沖村で破軍に手も足も出ず敗れたことに苛立ちを募らせていた十斗は、偶然、五年前に自分の母親を殺した凶魔の名前を知って、怒りに燃える。逆上する十斗に母親の仇は討てるのか。そして、閃輝真刀は誰の手に-。因縁と因縁が交錯する、衝撃のシリーズ第四弾。