2000年11月発売
「できるだけ早く、帰ってきますね」-ひとりは、さびしいから。そう言って、微笑って父のもとに出かけていった敏生の、なつかしい、可憐な姿。-冷たい父だった、という。優しい言葉ひとつ、かえてもらえなかったという。けれど、死期が迫ったとき、彼は突然、息子に言って来たのだ。会いたいーと。(…何か、胸騒ぎがする…)天本の予感は、まさに的中しようとしていた。
ストゥウラ国の侵略を受けたクマリ国。そこには生き女神として人々に奉られている少女ヤクシーがいた。彼女と共に逃亡を続ける青年僧シュシと雑誌記者ジェイは、ストゥウラの追っ手と遭遇するが、それを見事な動きで倒すジェイ。だが彼には、人を殺せる技術を習った覚えはないという。そして脳裏に響く「あなたは楽園にいるのよ」という謎の言葉。はたしてジェイの過去には何があったのか?近未来ファンタジー決定版、急展開の第2弾。
高校野球の名門、帝都高校から転校してきた天才球児西宮光児の活躍により、甲子園優勝校神戸学園との練習試合に勝利し、部の存続を勝ち取った若草高校野球部。そんな彼らに新たな挑戦状が届く。その相手は、全国高校女子硬式野球大会で優勝した白桜学園。そしてそこには、光児があまり会いたくない幼なじみの小夜美がいたりもして…。野球を知ってる人も知らない人も、笑って楽しめる電撃的スポコン・ラブコメ小説!第6回電撃ゲーム小説大賞“銀賞”受賞作第2弾。
高橋幸児の死体を乗せた輸送車が炎上。しかし事故の現場からなぜか死体は発見されなかった。一方、出向明けを間近に控えた太一朗は、ある決意を持って優樹のもとへ向かう。何とか優樹を公園へと連れ出すことは成功したのだが、高橋を巡る因縁の地ー代々木公園で二人が見たものは何者かによって人為的に復活させられたらしい高橋幸児の姿だった。優樹と太一朗は過去の記憶を完全に失っている高橋幸児をとりあえず六課に連れて帰る。しかし高橋の処遇を巡り、太一朗と優樹は対立し、その対立はやがてー。シリーズの核心に迫る第4巻、登場。第6回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞シリーズ。
銀ねず城での長い戦いの夜が終わり、デュアンが目を覚ますと、城内は喜びに沸いていた。豪華な衣装を着せられ、英雄のような待遇を受けるなか、城をあげての祝賀式典がはじまった。なにからなにまで、すべてが体験したことのない夢のようなことばかり。デュアンもオルバもヒーロー気分に浸っていたが…。ともに戦った仲間ー魔法戦士クレイ・ジュダ、暗殺者ランド、チャールズ王子らとの出会いによって、デュアンは冒険者としての選択を迫られることに!?デュアンの新しい冒険『氷雪のオパール』編に加え、もうひとつの冒険を描いた『アサッシン殺し』編も収録。
第5回電撃ゲーム小説大賞「銀賞」、第1回日本SF新人賞受賞の三雲岳斗が、高校生の焦燥と狂気を描く、SF学園サスペンス第2弾。合衆国生物戦防衛統合計画局が秘密裏に開発したR2ウイルスにより、望まぬうちに人外の力を手にした緋村恭介。自分が人にあらぬ存在となってしまったことに不安と焦燥を感じるその恭介が、新たな事件に巻き込まれる。惨殺された少年たち、彼らが残した殺人者の名“インコグニート”、そして統合計画局を脱走したレベリオン、アラン・ヴィルトールの出現…。果たして事件の結末に恭介が見るものは。
かつて“戦魔”とまで呼ばれ、恐れられていた傭兵ヴァレルは、戦いの場から身を引き、身の回りの世話をしてくれる村の娘アリエとともに穏やかな日々を送っていた。だが、その暮らしも軍の“処刑屋”ロジッタとムーグの来訪によって破られようとしていた…。戦いの場に生きる人間たちを描くアクション・ファンタジー巨編、堂々の登場。
終わらない昭和の街に猟奇殺人事件が起き続ける。高校生たちが互いに銃を向けあい引き金を引く、“連続高校銃乱射事件”。両手両足をバラバラに切断された死体。その各パーツに数字を刻みこんだ“ナンバーズ殺人事件”。事件に挑む雨宮一彦、伊園磨知、笹山徹ー三人の悪夢はまだまだ終わらない。話題のTVドラマ『多重人格探偵サイコ雨宮一彦の帰還』の完全小説化第2弾。
ただひとり、少女シアはその緑色の瞳で、精霊たちを見つめていた…。記憶をなくした孤児であった彼女も、いまではおだやかな日々を過ごしていた。しかし運命の歯車は、とつぜん動きはじめた。ある日森で出逢った、胸部にふしぎな文様が描かれた謎の巨漢。空から落下してきた金属の箱のなかで眠っていた“彼”を捕えるため、兵士の群れが村に現れた。焼きはらわれた村。シアのあげた救いをもとめる叫びは“彼”を凶暴な戦士へと変えた-。精霊、亜人、言術。謎に満ちた「世界」の成り立ちとは。
なにかを理解すること、理解してもらうことなんて本当にできるんだろうか-。惑星グレイストームで暮らす高校生・遙は、街で出会った少女ヴィオレッタとともに、原住種族ウルボアイの村近くにある巨大な「門」を訪れた。その場所は、ウルボアイと奇妙な交流をもつ謎の種族クランガの領域であった。クランガの抜け殻が、人類と星間戦争を続ける異星種族キラーバグの姿に酷似していることに気がついた遙。〈門〉で得た宇宙創世のヴィジョンは、遙の心に新しい意志を芽吹かせた。驚きに満ちた本格SF長篇。