制作・出演 : エマニュエル・パユ
20代半ばのパユによる、EMIでのデビュー・アルバム。当時すでにベルリン・フィルの首席奏者となっていたパユは、年齢を感じさせない落ち着きがある。気品漂う美しいモーツァルトだ。
パユがベルリン・フィルから離れてソリストとして活動を始めたころの録音。気心の知れたベルリン・バロック・ゾリステンとの共演で、最新のバッハ研究を踏まえ、現代に息づくバッハ像を打ち立てている。
当代一のフルーティスト、パユとケルビーニSQのメンバーとの、活き活きとして清々しいモーツァルト。どのフレーズを取っても音楽の喜びに満ちていて、その一体となった密なアンサンブルが素晴らしい。
ドビュッシーの名を世に知らしめた「牧神の午後への前奏曲」をはじめ、アバドがベルリン・フィルを振ったドビュッシー集。BPOから透明で淡い色彩感を引き出し、ドビュッシーの魅力をたっぷりと聴かせてくれる。
23歳でベルリン・フィルの首席奏者に抜擢され、退団後もソリストとして人気を博しているパユが、ジャズ・ピアニストのテラソンらとコラボレートした異色の小品集。痺れるような緊張感が心地良い。
ベルリン・フィルの首席奏者をするかたわら、ソロや室内楽で幅広く活躍したパユの近現代フルート作品集。高度なテクニックと流麗な音色、見事なバランス感覚など、彼の魅力が充溢した一枚だ。
東芝EMIの“Best Classics 100”シリーズの音源を使用したニンテンドーDSのゲーム・ソフトに登場する犬のキャラクター“ごはん”が、クラシック楽曲をナビゲートしてくれるコンピ盤。心が癒される名曲の響きが楽しめる。
楽曲演奏、とりわけバロック作品における様式感とかオーセンティシティと言われるものへの、パユからの自由奔放とすら形容できそうな回答。要は、旬の名人らしさが全開の生きのいいヴィヴァルディ。古楽器がどうしたとか言うのも馬鹿馬鹿しくなる。
1996年にEMIでの録音をスタートさせたパユの10年間の軌跡=ディスコグラフィを俯瞰する試みである。バロック作品でのアーティキュレイションをはじめとする奏法の吟味や、シュトラウスの音楽の膨らみ、メシアンや武満での色彩など、すべてが充実しているのはさすが。
木管アンサンブルはとかく地味に思われるが、フルートのパユをはじめ現在望みうるフランス最高の木管楽器奏者たちが結集して演奏しているのだから面白くないわけがない。しかもプーランクやミヨーなど、彼ららしい妙技と味わい深さが発揮された演目も絶品。