制作・出演 : チェコ・ナショナル交響楽団
クラシックのコンピレーション“ベスト・オブ・ベスト”シリーズの第6弾。歌劇の序曲などを集めた1枚と、国別地域別の楽曲をまとめた3枚からなるBOX。フェード・イン、フェード・アウトなしで、たっぷり5時間収録している。
ロタ、チェコ・ナショナル響の3枚目は、ラヴェルのオーケストレーションを楽しむアルバム。ロタの個性が遺憾なく発揮されている。特に「展覧会の絵」では、テンポや緩急の付け方が面白く、なかなかビジュアルな、あるいは物語的な効果を出している。
最晩年の名指揮者コシュラーが育成に力を注いでいたオケ。それがチェコ・ナショナルso.だ。しかし新録音が出るのは久しぶりではないか。「名演奏を一発かましてやろう」などという気負いがオケにも指揮者にもまったくない点に、未だ初々しさが保たれている。
チェコのパワフルな息吹きを感じる演奏である。低音部を充実させ、アーティキュレーションも刺激的なくらい際立っている。新興のオケながらチェコの良き“伝統”が紛々と漂うと同時に“今”を如実に伝える演奏だろう。なかでも第25番が良い出来である。
一度耳にすると忘れられない強烈な個性を持つ演奏である。ヨーロッパの長い伝統から離れ、ここには今まさに曲が誕生したばかりのような新鮮さが充溢している。もし、モーツァルトが現代に生きていたらこんな溌剌たる演奏を聴かせてくれるのかもしれない。
快く無理のないテンポ、大げさな表情づけは一切なし。すべてが適切にコントロールされ、音楽は生き生きと展開される。プラハ出身の指揮者ペシェックによる演奏は、ベテランならではの巧みな棒さばき。繰り返し現れるテーマの扱いもとてもチャーミングだ。
モーツァルトの生誕250年を記念して組まれたセット。オーケストラ曲はすべて新録音で、いずれもフェイド・アウトなどはなし。主要楽曲はすべて網羅し、クラシック初心者にも十分に楽しめる内容となっている。
新生オーケストラならではの活力とボヘミア的情緒がほど良くブレンドされた滋味掬(きく)すべき演奏。チェコ音楽の伝統を受け継ぐペシェックの解釈は慣習的枠組を堅持しながらも鮮烈である。第8番の第4楽章開始を告げるトランペットの朗々たる響きが印象的だ。
指揮のロタは、まだ日本ではあまり知名度がないが、これからが期待できそう。多少のツメの甘さはあるけれど、ゴチャゴチャになりやすいスコアをかなり明快・克明に鳴らしている。揺れ動くフレーズへの柔軟な対処も巧い。オケも熱のこもった演奏ぶり。
同オケは93年に創立された新参ながらすでに数多くの録音がある。まだ同団固有の特色を打ち出すまでには至っていないと思われるが、まだ完成度は低いとはいえ演奏水準はなかなかのもの。精悍な音色とアンサンブルがかえって刺激的な効果を生んでいる「幻想」だ。
チェコの民主化後、今は亡きチェコの名指揮者コシュラーのもとに編成されたチェコ・ナショナル響と巨匠との「我が祖国」。死の1年前のコシュラーの遺言ともいうべき録音。
チェコの民主化後、故コシュラーのもとに編成されたチェコ・ナショナル響の新譜は、プラハ放送響の首席指揮者ヴァーレクによるドヴォルザークのスラヴ舞曲集。共感に満ちた本場の演奏。
ミレニアムにデビュー25周年を迎えた彼女が、約9年ぶりにベートーヴェンとメンデルスゾーンの協奏曲を録音。女性ならではのソフトさにしっかりとした円熟味を加えた、オトナのアルバムである。