制作・出演 : チェコ・ナショナル交響楽団
円熟の巨匠、舘野泉が長年温めてきたラフマニノフとグリーグの2大コンチェルトを録音。スケールを十分保ちながら繊細さも損なわずに弾ききっている。リリシズムとロマンティシズムの極致がここに。
最高の音で楽しむために!
最高の音で楽しむために!
ヴォルフ=フェラーリの協奏曲とは珍しい。オペラで名を成した人だけあって、美しい歌にあふれていて、しかもヴァイオリンの聴かせどころもそつなく盛り込んだなかなかいい曲だ。どうして、こんな曲がほとんど忘れられていたのだろう。川畠は、ちょっと線は細いが、なかなか気品がある。
このコンビによる、サン=サーンスとフランクのアルバム以来のフランスもの。ちょっとうねるような、息づくようなリズム感を持っている。「海」などの波の動き、躍動感がよく出ている。他の作品でも横の線の律動感が独特だ。フランス風という感じではないが、かなり面白く聴けた。
長谷川陽子が米英のチェロ作品を録音した。演奏機会の少ないバーバーの協奏曲はモダンなテイストの快活な作品。ディーリアスは美しい小品。エルガーの名曲とともに、長谷川が温かな音色で深みのある演奏を繰り広げる。下野竜也の好サポートも光る。
第1楽章でのダイナミックで聴き手を圧倒する指の動きに加え、第2楽章で聴かせる哀愁を帯びた歌心。“自分にしか表現できない音楽”を求めるゲキチの表現力の凄さ。チャイコフスキーの第2番ってこんなに魅力的な曲だったんだと再認識させられるに違いない。
最新から過去までのテレビCMで使用されたクラシックの楽曲を集めたクラシック・コンピ・ベスト。2008年12月〜2009年3月にオンエアされたCM曲と心に残る過去の名CM曲とをコンパイル。演奏家も吟味された充実したBOX集だ。
劇的表現をあまり強調せず、バランスよくまとめ上げている。2004年からチェコ・ナショナル響の首席客演指揮者を務めるロータは、メロディを思い入れたっぷりに歌わせて陶酔感を醸すより、リズムをシャキシャキと歯切れよく刻んで高揚感を演出する方が得意なようだ。
冷徹な分析的解釈とは正反対の音楽。チェコ歴代の名指揮者のもとで薫陶を受けたペシェックは、ボヘミアの風土に根ざした歌謡性とリズムこそが、愛すべきマーラー像だと主張する。ローカル色と洗練された感性が融合した心温まる演奏にホッとさせられる。
映画音楽の大御所ロータはクラシカルな領域でも少なからぬ作品を残している。旋律の魅力はなるほど。面白いのはその形や動きがロジカルに組み上がって落着するのではなく、ビジュアルな想像力に働きかけてくること。曰く物語を誘発する仕掛としての交響曲。
タイトルどおり、耳に残る美しいメロディや口ずさみたくなるリズムに彩られた楽曲を厳選したクラシック・コンピレーション。一流の演奏家を揃えた、贅沢な4枚組となっている。
ありそうでなかった組み合わせで、第一印象のお得感が良い。演奏もなかなか秀逸。決して大向こうを狙うというわけではないが、きっちりと上品に仕上げている。サン=サーンスはスケール感も豊かだし、フランクの方は特に第2楽章以降が優れている。
お通夜や告別式、お葬式のときに流すのにふさわしい楽曲を集めた一枚。クラシックを中心に、日本の唱歌やヨーロッパの民謡なども収録。お葬式だけでなく、お別れ会などにも使えそうだ。
佐藤美枝子が実力を遺憾なく発揮するアリア集。高音の輝きはそのままに、声の力強さを増してきた彼女にとって、まさに打って付けのプログラムである。コロラトゥーラの諸役は言うに及ばず、パミーナやミカエラなどのリリカルな役における感情表現も見事だ。
再録のドヴォルザークが文句なしに良い。自信に満ちたボウイングから繰り出される朗々たる旋律の歌わせぶりに感銘を受ける。チェロと管弦楽の響きが渾然と融和して馥郁たる薫りが漂う。古都プラハでのセッションがこうした雰囲気を醸したのかもしれない。
ゆったりとしたテンポの楽章をフェード・インやフェード・アウト一切なしで収め、1枚あたり500円でまとめた4枚組。音色の統一感があって聴きやすいのはピアノ中心の[3]。総じてムード重視ではなくかっちりとした演奏が多いが、それだけに安心して聴ける。
2007年1月にチェコ・ナショナル響の音楽監督に就任したチェコ出身のリボル・ペシェックが手勢とともにセッション録音したマーラーの交響曲第5番。勢いやパワーに任せない、ベテランらしい味わい深い演奏が繰り広げられている。
チェコ・ナショナル響のヴァニエック(fg)とレゲムザ(cl)、プラハ響のヘルニッフ(hr)が独奏者を務めるモーツァルトの協奏曲アルバム。現在ではあまり耳にすることのないような素朴でほのぼのとしたモーツァルト演奏が展開される。