制作・出演 : 大橋純子
30周年記念ならではのコンセプトのオリジナル曲が見事。70〜80年代のソウル系のサウンドをバックに、それらのサウンドが青春の日々に流れていた大人のいまの姿、都市で暮らす大人のさまざまな愛のかたちを歌う。★
張りのあるダイナミックなヴォーカルが魅力の大橋純子のベスト・アルバム。日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞したヒット曲「シルエット・ロマンス」ほか、全20曲を収録している。
大橋純子の唄の巧さを味わえるミニ・アルバム。彼女のファンの主流である中年層には、体力的にもこれくらいのボリュームが適当。ちょっと退き気味の位置から柔らかく唄いかけてくるから、オジ&オバも安心して唄の世界に同化できる。若い心を持ち続けている大人向け。
前作から2年を経て発表される“歌姫”大橋純子のニュー・アルバム。“美乃家セントラルステーション”のメンバーを起用し、R&Bからラテンまでさまざまなスタイルを採り入れた意欲作だ。
二十数年前、美乃家セントラル・ステイションとのライヴではマーヴィン・ゲイを演っていたし、元祖R&B系実力派シンガーと呼んでいいだろう。本作も都市生活の孤独が滲むファンクの(1)、デビュー時を彷彿とさせる軽やかさが気持ちいい(3)など、快唱揃い。
最近は『夜はヒッパレ』的なシンガーになってしまった感もある大橋純子のベスト。愛をテーマにしているせいか、彼女のアクティヴな面が今イチ出てない、というよりもともとこんな感じだったのか。(13)のような英語モノの発音がディナー・ショーっぽい。
大橋純子の77〜81年のヒット曲。椎名恵の86〜90年のカヴァー曲を中心にしたヒット。高橋まり(真梨子)のリード・ヴォーカルによるペドロ&カプリシャスの71〜75年のヒットを収録している。スタンダードとなっている彼女たちの歌声は安心して聴ける。
洋楽カヴァー・シリーズの第3弾。いずれもポピュラー・ミュージックの名曲ばかりだけに、ほかの歌手によるカヴァーも多く、歌い手にとってはプレッシャーも相当なものだろうが、大橋の伸び伸びとした歌声が心地好い。実力のほどを十分に発揮している。
シティ・ミュージックの流れをくむフュージョン系のヴォーカリストには、あまりよい状況とは言えない昨今だが、やはりこういう“歌える人”が元気でいてくれないとつまらない。じっくり耳を傾けても何気なく聴いていても、どちらでも満足させてくれる。
文字どおり大橋純子ボサ・ノヴァの名曲を歌うといった内容のアルバム。持ち味が歌い上げていくタイプのヴォーカリストだけに、オリジナルの気怠い情感ではなく、彼女は軽快にして派手めの印象を与える歌にしている。だから大橋純子なのだと実感させる。
アルバム『フィーリング・ナウ』でデビューして以来、大人の恋を歌い続けている純子サン。デビューからもうウン十年も経っているのに「ペイパー・ムーン」や「シンプル・ラヴ」を歌っていた頃の瑞々しさは今作でも変わらず。大人のためのソウルってやつだ。
大橋さんのライフワークとしてスタートしたというロック・カヴァー集。ツェッペリン、パープルの曲における本気度には圧倒される。願わくば、こうした大橋さんもプレーヤーも「ホンキださなしゃあない」振り切れた曲ですべて構成してもらえれば。と思う。
ベスト的編集ながら、全曲再レコーディングされている。往年のヒット曲(2)(5)(7)には、ニューミュージックが誕生当初持っていた中庸の革新性がくっきり。今やそれが(4)のような新・保守の歌へと収束してきているわけだが。アレンジに、も少し工夫が欲しい。