音楽むすび | 桂 文枝1 [軽業講釈][浮かれの屑より]

桂 文枝1 [軽業講釈][浮かれの屑より]

桂 文枝1 [軽業講釈][浮かれの屑より]

上方落語協会の会長を務めていた五代目桂文枝のシリーズ3枚は、50代になったばかりの脂のノッた時代(小文枝時代)の名品揃いだ。[1]の「軽業講釈」は、上方落語の大きな特色である下座囃子(拍子木、鳴り物)が、もともと客の気を引くアイテムであったとの講釈から始まる陽気な噺。[2]の「舟弁慶」は、故橘ノ円都師が常々「小文枝のが一番ええな」と褒めていたもので、夫婦喧嘩が「舟弁慶」のパロディに発展するなど遊び心にあふれている。[3]の「天神山」は、狐と結婚した男のにぎやかな人情噺。

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五代目古今亭志ん生の名演を収録会社の枠を超えてより抜きし、全48集にまとめようという大仕事も、いよいよ後半。第31集から48集が一挙に発売された。音声が一部不鮮明だった音源はリマスタリング。また、ニッポン放送などに眠っていた未復刻高座も精力的に収録するなど、アンソロジーとしての価値は高い。31集は歌舞伎でも有名な名作「文七元結」からスタート。32集「鰍沢」34集「妾馬」と絶頂期の名演が続く。この「妾馬」も初復刻音源だ。33集の「千早振る」はナンセンスながら、人気の高い一品。それとカップリングされているのは志ん生には珍しい怪談ものの大作「怪談阿三の森」。41集から42集にかけて続く「御家安とその妹」は、全編聴き通すと2時間近くに及ぶ超大作だが、さらに凄いのは44集から46集にまたがる「名人長二」。下手な映画など足下にも及ばない、語りのリアリティを贅沢に味わえる。しかし、その大作の余韻をさらうのが、続いて収録の「芝浜」だ。これこそが、昭和36年暮れに倒れてから奇跡的な復活を遂げた志ん生がとつとつと語った復活の名演、本邦初復刻なのである。★ 2005/12/14 発売

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