音楽むすび | にっかん 飛切落語会 蔵出し::五代目 三遊亭圓楽 名席集 佃祭/王子の狐

にっかん 飛切落語会 蔵出し::五代目 三遊亭圓楽 名席集 佃祭/王子の狐

にっかん 飛切落語会 蔵出し::五代目 三遊亭圓楽 名席集 佃祭/王子の狐

五代目圓楽は意識して豪放磊落を装っていたフシがあり、それが繊細さに欠けると一部で評された原因でもあった。とくに後年はホールでの口演が主になったため、大ネタ・人情噺ばかり注目されがちだった点も、一面的な評価を許すことにつながったのかもしれない。しかし、師匠の八代目圓生がそうであったように、最後まで滑稽味を大切にした噺家でもあった。たとえば爆笑噺に衣替えしたかのような「佃祭」やサゲ間際の強烈なクスグリが印象深い「文七元結」、「死神」のえも言われぬ可笑しさ、そして「酢豆腐」の若旦那の不思議な面白さ。クスグリをちりばめた軽い噺・滑稽噺をもっと聴きたかった、といまさらにして思う中高年ファンも少なくないだろう。今回リリースされた5枚は、77年7月の「死神」から89年5月の「反魂香」まで“にっかん飛切落語会”の音源から10席。

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五代目古今亭志ん生の名演を収録会社の枠を超えてより抜きし、全48集にまとめようという大仕事も、いよいよ後半。第31集から48集が一挙に発売された。音声が一部不鮮明だった音源はリマスタリング。また、ニッポン放送などに眠っていた未復刻高座も精力的に収録するなど、アンソロジーとしての価値は高い。31集は歌舞伎でも有名な名作「文七元結」からスタート。32集「鰍沢」34集「妾馬」と絶頂期の名演が続く。この「妾馬」も初復刻音源だ。33集の「千早振る」はナンセンスながら、人気の高い一品。それとカップリングされているのは志ん生には珍しい怪談ものの大作「怪談阿三の森」。41集から42集にかけて続く「御家安とその妹」は、全編聴き通すと2時間近くに及ぶ超大作だが、さらに凄いのは44集から46集にまたがる「名人長二」。下手な映画など足下にも及ばない、語りのリアリティを贅沢に味わえる。しかし、その大作の余韻をさらうのが、続いて収録の「芝浜」だ。これこそが、昭和36年暮れに倒れてから奇跡的な復活を遂げた志ん生がとつとつと語った復活の名演、本邦初復刻なのである。★ 2005/12/14 発売

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