音楽むすび | なごやか寄席 五代目 柳家小さん::うどん屋/粗忽長屋

なごやか寄席 五代目 柳家小さん::うどん屋/粗忽長屋

なごやか寄席 五代目 柳家小さん::うどん屋/粗忽長屋

東海ラジオ放送の公開番組『なごやか寄席』音源をノー・カットで収録している初CD化シリーズ。第3回目となる本作は、75〜86年に中電ホールでのライヴ録音。当時はかなりの人気者だったが、故人となり近頃では忘れられている噺家たちがこのシリーズに含まれている。中でも、九州出身だけに江戸口調を意識していた不機嫌そうな語り口調の古今亭志ん馬。どこまでもとぼけた味がにじみ出ている柳家小せん。はきはきとした口調でくすぐりなしの正攻法で聞かせる三笑亭夢楽。ゆっくりとしたテンポで丁寧な口調の桂文朝。キザな口調で人気を得た三遊亭小圓遊。軽妙であっさり味の多少早口の春風亭柳朝。独自のフラで語る新作落語の春風亭柳昇。東京で上方落語を聞かせた桂小南など。それに脂の乗っていた頃の桂文治や柳家小さんなどの噺までも聞ける貴重な音源シリーズだ。

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五代目古今亭志ん生の名演を収録会社の枠を超えてより抜きし、全48集にまとめようという大仕事も、いよいよ後半。第31集から48集が一挙に発売された。音声が一部不鮮明だった音源はリマスタリング。また、ニッポン放送などに眠っていた未復刻高座も精力的に収録するなど、アンソロジーとしての価値は高い。31集は歌舞伎でも有名な名作「文七元結」からスタート。32集「鰍沢」34集「妾馬」と絶頂期の名演が続く。この「妾馬」も初復刻音源だ。33集の「千早振る」はナンセンスながら、人気の高い一品。それとカップリングされているのは志ん生には珍しい怪談ものの大作「怪談阿三の森」。41集から42集にかけて続く「御家安とその妹」は、全編聴き通すと2時間近くに及ぶ超大作だが、さらに凄いのは44集から46集にまたがる「名人長二」。下手な映画など足下にも及ばない、語りのリアリティを贅沢に味わえる。しかし、その大作の余韻をさらうのが、続いて収録の「芝浜」だ。これこそが、昭和36年暮れに倒れてから奇跡的な復活を遂げた志ん生がとつとつと語った復活の名演、本邦初復刻なのである。★ 2005/12/14 発売

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