著者 : ウィリアム・ディートリッヒ
時は一七九九年。エジプトを蹂躙したフランス軍の次なる目標は中東だった。対するイギリスは、シリアの独裁者、殺戮者ジャッザールと手を組み、イーサン・ゲイジに指揮官ナポレオンの動向を探るよう依頼した。ユダヤ、キリスト、イスラム。三つの宗教が交差する聖地パレスチナを舞台に大戦の火ぶたはついに切って落とされる。フリーメーソン、テンプル騎士団、カバラ数秘思想、そして第四の文字が記されたロゼッタ・ストーン…銃殺、毒殺、蛇の穴をかいくぐり、ゲイジは全貌をあらわした“絶対の叡智”を手にすることができるのか?前作『ピラミッド封印された数列』からクライマックスへ。歴史ミステリー大活劇。
フランス革命直後のパリに滞在するアメリカ人イーサン・ゲイジがカードゲームの賭け代でせしめたメダルには、古代エジプトの秘密への暗号が隠されていた。メダルを狙うシラノ伯爵はゲイジに殺人の濡れ衣を着せて追い詰める。メダルの秘密と引き換えに、若き野心家ナポレオンの保護を受けたゲイジは、エジプト遠征軍とともに戦乱のエジプトに降り立ったー。フリーメーソン、エジプト式儀礼派、そして黄道十二宮の碑版…ギザの大ピラミッドに埋め込まれた数値の数々とは。
ヘロドトスの書『歴史』に曰くピラミッドの地下には巨大な空洞があるー。メダルの謎は、その空洞へと誘うのか?ナポレオンとネルソンの海戦、陸地の追撃戦。英仏両大国の激しいつばぜりあいのなか、シラノ伯爵とゲイジの「絶対の叡智」をめぐる謎解き争いは、いよいよクライマックスをむかえる。バラバラだったパズルの断片が轟々と音をたてて、ひとつの形をつくりだした。フィボナッチ数列、黄金比、円周率π、そしてパスカルの三角形…。古代エジプトの知恵の精髄『トトの書』の秘密とは。
南極横断の冒険に失敗して失意の底にあったアメリカ人飛行士オーエン・ハートは、1938年、ナチスドイツに雇われ、再び南極探検へと出発した。しかし航海中、ノルウェーの船と戦闘状態になり、破損して南極の小さな火山島にたどり着く。そこには、苦悶に顔をゆがめた死体の山があった。何か新種の病原体らしい。ナチスの高官ユルゲン・ドレクスラーは、それを生物兵器に利用しようと考える。