著者 : チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
自由という色を底にひめた紫色のアイビスカスーありのままでいる自由、したいことをする自由。中学校に通う物静かな少女カンビリ。厳格な父親のもとを初めて離れて身を寄せたおばの家は、自由な空気に満ちていた。政権批判の砦であるスタンダード紙の社主にして大工場を経営する父、威勢のよい大学講師のイフェオマおばさん、土地の音楽が好きで議論好きないとこアマカ、若くて、うっとりするような美声のアマディ神父、伝統を重んじる民話の名手の祖父パパ・ンクウ…規律正しい家族の生活から解放された少女が出会う、まったく知らなかった彩り豊かな世界。世界文学の新たな旗手による衝撃のデビュー長編、ついに邦訳!!!
高校時代に永遠の愛を約束したイフェメルとオビンゼ。アメリカ留学を目指す二人の前に、現実の壁が立ちはだかる。オビンゼと離れてアメリカに渡ったイフェメルを待っていたのは、階級、イデオロギー、人種で色分けされた、想像すらしたことのない世界だった。世界を魅了する物語作家が三つの大陸を舞台に描く傑作長篇。
人種問題を扱う先鋭的なブログの書き手として注目を集めるイフェメル。一方オビンゼは、イギリスからナイジェリアに帰郷し、不動産取引で巨万の富を得て、美しい妻や娘と優雅に暮らしている。別々の道を歩んだかつての恋人たちに、再会の時が訪れる。全米批評家協会賞受賞の長篇代表作、待望の文庫化。
ラゴスからアメリカに移民した若い主人公がエクストラ・ヴァージン・オイル色の目をした白人の男の子と親しくなる表題作(「アメリカにいる、きみ」改題)のほか、「ひそかな経験」「明日は遠すぎて」など、人種、ジェンダー、家族にまつわるステレオタイプな思考を解きほぐす、天性のストーリーテラーの切なく繊細な12の短篇。
アフリカの若き俊才、最年少オレンジ賞受賞作家のO・ヘンリー賞受賞作を含む初の短編集。アメリカにわたったナイジェリアの少女のふかい悲しみをみずみずしく綴った表題作ほか、いずれも繊細で心にしみる珠玉の短編全10編。