2022年5月20日発売
「果穂、おまえはどっちについて行く?」家族というこの船には穴が開いてしまった。海水が流れこみ、もうじき沈むのだ。父と母、どちらがより深く私たちを愛しているのか。私たちの胸に、どちらへの愛がより強固に存在しているのか。正直なところ、どちらも選びたくないし、どちらも選びたいのだ。(「沈みかけの船より、愛をこめて」より)奇想・異空間・そして限りない叙情。いくつもの顔を持つ著者による、驚愕の「ひとりで四人」アンソロジー。
たがいの気持ちを確かめあった勝利とかれん。そのかたわらで進行していた「それぞれの物語」!丈と京子の恋は、星野りつ子と原田先輩は、中沢先生や若菜は、オーストラリアのアレックスは…。『おいコー』の物語を彩ったキャラクターたちはどこへ?そして、勝利とかれんがウルルの空の下で見る「未来」とは!?興奮と感動の『Another Story』!
自由という色を底にひめた紫色のアイビスカスーありのままでいる自由、したいことをする自由。中学校に通う物静かな少女カンビリ。厳格な父親のもとを初めて離れて身を寄せたおばの家は、自由な空気に満ちていた。政権批判の砦であるスタンダード紙の社主にして大工場を経営する父、威勢のよい大学講師のイフェオマおばさん、土地の音楽が好きで議論好きないとこアマカ、若くて、うっとりするような美声のアマディ神父、伝統を重んじる民話の名手の祖父パパ・ンクウ…規律正しい家族の生活から解放された少女が出会う、まったく知らなかった彩り豊かな世界。世界文学の新たな旗手による衝撃のデビュー長編、ついに邦訳!!!
二〇〇〇年春、東京大森に事務所をもつ彦坂一郎のもとに、白鳥和子は現れた。初対面の彦坂に「わたしの遺言の執行人となってほしい」と依頼する和子にその理由を尋ねると、「あなたの名前がとても素敵だから」と言う。特別な名前ではないと不思議に思う彦坂だったがー。和子の死後に明かされる、隠されていた戦争の悲劇と愛。心に響く、現代の名作。後見契約によって結びつけられた天涯孤独の女性と司法書士が奏でる、希望の物語。
異世界転生してチート戦闘力おじさんになったタクミは、わずか1年でS級冒険者にまで成り上がったが、キツイ・汚い・苦しいの3K仕事にうんざりし、リタイヤを決意。立派なパパ活おじさんになるべく、稼いだ財産を全額、エッチな娘さんとのエロ遊びにぶっこみはじめたのだった…!やり手ロリババアエルフのヤエルに紹介された店や、いかがわしい裏路地には、異世界ならではのお金もHも大好きな美少女がいっぱい!金の力で瑞々しいお姉さんたちの心とカラダをゲットしまくるタクミだったが、街には思いのほか危険なダンジョンが現れて!?チート強いスケベおじさんが女の子たちのアソコも懐も熱くさせる、パパ活異世界ファンタジー開幕!
1560年。織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を討ち取った年。信長の戦いを間近で見た基綱は、彼の躍進に向けて影で着々と手を打っていた。しかし将軍・足利義輝は織田の勝利はまぐれだと断じる一方、上杉家に大きな期待を寄せていたため、基綱との意見対立が鮮明に。足利家との関係は過去最悪へと陥る。そんな中、何者かの放った刺客が基綱の邸を襲撃する!婚約者である春齢にも危害が及びかねない状況に、基綱はどう動くか…!?「必ずそなたを守ってみせる」大人気戦国サバイバル「淡海乃海 水面が揺れる時」の異伝、第3弾!書き下ろし外伝×2本収録!
「5メートル竜女から難病の娘を救ってください」呪竜を倒して英雄となったイコマは、とある大阪人の土下座の頼みにまたも二つ返事した。「いいですよ!」誰もが止めるなか、新たなドラゴンが支配する闘技場から人質を救うべく“複製スキル”を発動する。大量薙刀を連投し、瞬く間に上級剣闘士すら圧倒し順調と思われたがーチャンピオン“無限の拳”は異質だった。イコマのお気軽さとは対称的な重い拳に、タックル、フィニッシュムーブが彼を襲う。さらには彼のお人好しにつけこんだ衝撃の事実まで発覚して…?果たして桁外れのお人好しは、これまでにない無理難題を突破できるのか?“痛快英雄譚”第2弾!書き下ろしSS&コミカライズ第1話を巻末収録!第9回ネット小説大賞受賞作!
その“暗殺者”は、わたしににっこりと微笑みかけたー。乙女ゲームの世界で5歳児の“悪役王女”・リュシエンヌになって以来、ずっと王妃たちからの暴力と空腹に耐える日々だった。そんなある日、隠し攻略対象の彼と出会った。名前はルフェーヴル。薬草の手当てで寝かしつけてくれたり、動けないわたしに水やビスケットをくれたり。生まれて初めて触れた温かさにーわたしは決めた。「お兄ちゃんにだったら、ころされてもいいよ」シナリオにはなかった孤独な二人の出会いが、ゲームを根底から変えていく!無垢な王女と腹黒アサシンの年の差・偏愛ファンタジー!特別書き下ろし番外編「少し未来の三人」を収録!
死んだ後、最後に一日だけ現世に戻り、会いたい人に会える時間が与えられる不思議な場所、『さよならの向う側』を訪れた四人の男女。会えるのは自分が死んだことを知らない人だけ、という困難なルールのある中、案内人に導かれ、彼らが選んだ最後の再会とは…?