小説むすび | 著者 : 中原裕子

著者 : 中原裕子

大統領法律顧問大統領法律顧問

法律問題の側近として絶大な権力を持つ大統領法律顧問。そのオフィスに所属するマイケル・ギャリックは有能な青年で、将来を嘱望されている。そんな彼が大統領の娘ノラからデイトに誘われた。ノラの奔放な振る舞いに驚きながらも、その魅力に引き込まれていくマイケルだったが、思わぬ事件に遭遇する。彼の上司、大統領法律顧問のサイモンの姿を偶然見かけ、あとを追った彼とノラはサイモンが何者かに大金を渡している証拠をつかんだのだ。だが、その時からマイケルの運命が狂い始めた。法律顧問オフィスの一人が殺され、マイケルが容疑者としてFBIから追及されることになったのだ。FBIはノラも共犯者と見なしていた。大統領選挙の年にそれが公になることは絶対に避けなければならない。強さと弱さを合わせ持つ複雑な性格のノラを守りつつ、マイケルは自分の無実を証明するために、陰謀の真相を突き止めようと調査を始める。だが、次々と思いもよらぬ事件が起き、彼は蜘蛛の巣にからめとられるように絶体絶命の危機に陥っていく…。ホワイトハウスを舞台に、巧妙な罠を仕掛ける敵とマイケルが繰り広げる白熱の頭脳戦。圧倒的な面白さで全米を熱狂させたサスペンス大作。

好敵手好敵手

サラとジャレッドはニューヨークに住む仲のいい夫婦。妻のサラは半年間の職探しののち、ようやく検事局に入ることができた。だが、検事補としての初出勤の日、大規模なリストラが行なわれることを知らされる。とにかく仕事の実績をつくろうと、サラは敏腕の上司が扱う事件を横取りしてしまう。が、被疑者はいわくつきの男で、彼の背後に何かがからんでいることがわかってくる。一流法律事務所に勤務するサラの夫ジャレッドも仕事で行き詰まっていたが、突然、押し込み強盗で逮捕された被疑者を弁護してほしいとの依頼が入る。彼は喜んで引き受けるが、やがてその事件は妻のサラが担当していることが判明、しかもこの裁判に勝たなければ妻の命はないと依頼者から脅迫される。妻に打ち明けることは許されなかった。一方、サラも謎の人物から脅迫を受ける-裁判に負ければ夫の命はないと…。一見単純そうに見えた押し込み強盗事件がしだいに複雑怪奇さを増していく。そして、愛し合うがゆえにだまし合いをしなければならなくなった二人に、思わぬ運命が!軽快なタッチで描く、策略に満ちたサスペンス。

射程圏射程圏

組織の資金を横領した会計士が、ホテルで射殺された。殺したのは、ガンビーノ・ファミリーのボスにして、五大ファミリーをまとめる“ボスのなかのボス”ヴィンセント・ジェネロ。高級コールガールのニコール・バスは、折悪しく現場を目撃するが、会計士のブリーフケースを奪い、かろうじて脱出に成功した。そのブリーフケースの中には、会計士が横領した巨額の金を預けた口座を記すフロッピーも入っていた。ジェネロは即座に部下に指令を下し、その行方を追わせ始めた。冷酷非情な部下たちは、あらゆる手段を用いてバスに迫っていく。一方、ニューヨーク市警では、市警情報部組織犯罪監視班の辣腕刑事ジャック・カービイが捜査を開始した。自分の不注意から娘を死なせ、それがもとで離婚した過去を持つ彼は、以来ジェネロの逮補だけを生きがいにしてきた。懸命の捜査で事件を目撃した人物がいたことを突き止めた彼は、バスに接触、やがて彼女の護衛にあたることになる。だがその時、業を煮やしたジェネロは、第一級のスナイパーにバスの抹殺を依頼した!壮絶な闘いをサスペンスフルに描く待望のハード・アクション巨篇。

最高裁調査官最高裁調査官

イェール大学を卒業したばかりのベンは、合衆国最高裁判所の正面に立ち、大きく息を吸った。今日からここで、最高裁裁判官付きの調査官として、新たな人生の一歩を踏み出すことになるのだ。調査官の職務は、激務につぐ激務と考えて間違いなかった。莫大な量の判例を調べ上げ、裁判官が提出する意見書の草稿を執筆しなければならない。だが、不眠不休で仕事をこなす見返りは大きい。最高裁調査官になれる者はエリート中のエリートだけであり、任期を終えれば、輝かしい未来が開けるのだ。しかし世間知らずのベンは、ふとしたことから詐欺師に騙され、極秘情報を漏らしてしまう。詐欺師はその情報を利用し、巨万の富を手に入れることに成功。もしその件が発覚すれば、ベンの人生は破滅だ。詐欺師はそれをいいことに、さらなる情報を要求してくる。ベンは同僚のリサと三人の親友の力を借り、正体不明の詐欺師に反撃を試みるが-?弱冠26歳の大型新人が、溢れる才気と無条件の面白さで全米を熱狂させた、新世代リーガル・サスペンス。

かくも冷たき心かくも冷たき心

ミックス&マッチ殺人鬼-被害者たちをバラバラに切断し、頭部や四肢を寄せ集めてつなぎ合わせては死体を遺棄することから、こう名づけられた猟奇殺人犯は、実はCIAが旧ソ連からひそかに亡命させ、保護・監視していた元KGBの大佐ジョン・マリクだった。事実の隠蔽を目論むCIAは、警察やFBIにはいっさいの真相を伏せ、内密裡にマリクを捕らえることを決定する。そこで白羽の矢が立てられたのが、亡命前からマリクの性向を熟知している元ベテラン工作員のマイク・カリーだった。CIAの秘密工作を擁護するため偽証罪に問われ、連邦刑務所に服役していたカリーは、かつて自分を裏切ったCIAに複雑な思いを抱きながらもマリク捜索の任に着いた。一方、この動きを察知したFBI側も心理分析官のジャック・マシューズを捜査に当たらせ、徐々に犯人像に迫りつつあった…。かくして、KGB仕込みの殺人、暗殺、拷問のテクニックを駆使して次々と犯行を重ねる恐るべきサイコ・キラーとCIA、FBIの三つ巴の闘いが始まった。

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