著者 : 内田春菊
私は、よく娼婦の顔をしているといわれる。さまざまな仕事を経験したが、それだけは絶対にしなかったのに。ところが私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人のお客は彼女の情夫で、私の育ての父だった…。多感な少女の生き抜く力に圧倒される自伝的小説。
劇団「風呂上り」主宰、苫米地輝は、公演『戦場の面食いホリデー・怒涛の墓参り編』の脚本を数枚書いたまま消えた。残された劇団員、夕暮銀子の凶暴さが牙を剥く。何も知らない二人のゲスト(漫画家・日取河、小説家・満場雪太)のうち、餌食はどっち?体だけの関係の振りをしていた河の相手、安藤三津実もついに立ち上がる!内田春菊初の、ハッピーエンド恋愛長編。
大王様、どうぞ永遠にそのままでいらして。わたくしども女こどもは、別の国へ旅立ちますー私の人生を、あんたなんかの思い通りにされてたまるもんか。歪んだ王国の最期を描く、バイアス長編ファンタジー小説。
花屋で働く年下のボーイフレンド、あるおは、逢うたびに同じことを話す。彼はものを憶えられない「病気」だった。あたしは、あるおに抱かれながら、たとえ彼が意識の上で完全にあたしを忘れてしまう日が来ても、それでいいと思うー。性愛を通して人の存在のもろさと確かさを描いた「あたしのこと憶えてる?」、ゼリーにからだをもてあそばれる「ときどき軽い」など、大胆で繊細な九篇。
自儘な性暴力を続ける義父と、見て見ぬふりをする実母に訣別し、16歳で家を出た主人公・静子の凄絶な青春時代。逃避行、東京への出奔、セックス、中絶、旅館の住み込みからスナックのホステスとなり、マンガ家や歌手への夢を抱いて再び上京、レーサー崩れの男との結婚・破局まで、激流のような、辛苦と希望が交錯する日々。
果てしなく求め、無限に連なる快楽のひだに身をまかせながら駆け抜ける、男と女のセクシュアルな関係を妖しく揺れうごく心理とともに描きだす。過激に、大胆に、繊細に、そして軽やかにとらえた様ざまな恋愛のすがた。九編を収録。
私は、よく娼婦の顔をしているといわれる。さまざまな仕事を経験したが、それだけは絶対にしなかったのに。ところが私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人の客は私の育ての父だった…。多感な少女の自由を求めての旅立ちを描いて圧倒的話題となったベストセラー。