小説むすび | 著者 : 庭植奈穂子

著者 : 庭植奈穂子

心があなたを忘れても心があなたを忘れても

クリュザンダーの子が、わたしのおなかの中にいる。その事実を知ったマーリーは、彼に打ち明けるべきか悩んだ。同棲しているものの、セクシーなギリシア大富豪の彼は、いまだにふたりの関係をはっきりさせようとしないのだ。マーリーはさっそく、仕事から戻ったクリュザンダーに問いかけた。「僕は“関係”なんて結ばない。わかってるだろう、きみは愛人だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉にマーリーが失望する暇もなく、クリュザンダーは30分以内にこの家を出ていけと彼女に命じた。訳もわからず放り出された彼女は、ほどなく何者かに誘拐されてしまう。3カ月後、ようやく解放されたマーリーは、記憶を失っていた…。病院からマーリーを引き取るため、クリュザンダーは彼女の婚約者と名乗る。けれども、彼との“関係”を望んでいたはずのマーリーは皮肉にも、彼の顔を忘れているのだった。この人が私の恋人。赤ちゃんの父親。でも心が乱れるのはなぜ?そう不安になり…。

スター作家傑作選〜この恋は宿命〜スター作家傑作選〜この恋は宿命〜

アシュリーは幼なじみとの結婚式を数時間後に控えていた。だが身支度を整えながらも、悲劇的な結末を迎えた10代の頃の初恋相手ー新郎の兄であるジェイクの姿を心から消せずにいた。そのときアシュリーのもとに、ずっと音信不通だったジェイクから、かつて彼女が愛の証として渡した、ハート形のロケットが届いて…(『借りもののハート』)。社交に明け暮れる母の企みで、ジェニーは有力な一族の子息と結婚させられようとしていた。だが式の直前、自分が本当に愛しているのは、幼い頃から見守ってくれた親族のブレーンだと気づく。でも、もう遅い…。引き渡し役のブレーンと腕を組んで教会に入った瞬間、ジェニーは絶望のあまり気を失い、愛しい彼の胸に倒れ込んだ(『たどりついた愛』)。ドレスショップで働くメアリーは眼鏡の内気な女の子。知的でハンサムな弁護士ジェームズに憧れているけれど、棚の陰からそっと見つめるだけで精いっぱい。すると、見かねた店主が彼女にドレスを贈り、ジェームズも出席する舞踏会へ行くよう説得した。メアリーは勇気を出して美しく盛装し、名前も変えて会場に向かった!(『シンデレラへの招待』)。夢の初恋短篇集!

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