著者 : 悠木美桜
ロンドンのホテルで働くアレイナは、一人の男性客を目にして凍りついた。嘘でしょう?なぜラファエロがここにいるの?イタリアの富豪弁護士である彼とは5年前、カリブで出会った。互いに惹かれ合って逢瀬を重ね、アレイナは永遠の愛を夢見た。ところが突然彼に“僕は誰とも結婚しない”と冷たく拒絶され、涙を堪えて、帰国するラファエロを見送るしかなかった。呆然とするアレイナのもとに、4歳になる息子が駆け寄ってきた。じつは別れた直後に妊娠がわかり、密かに産み育ててきたのだ。するとラファエロが表情を一変させ、彼女に詰め寄って…。
父が詐欺罪で逮捕され、莫大な借金を残して獄死したあと、サヴァンナは難病の母を介護しながら必死で働いてきた。ある日、知り合ったばかりのデート相手に誘われるまま、彼女がホテルに足を踏み入れると、怒りもあらわな男性にいきなり詰め寄られた。ディミトリス!どうしてここに?「その男は僕の妹の婚約者だ。きみは妹の結婚を台なしにした!」10年前、サヴァンナを捨てて去った彼は今や有名な大富豪だ。優しかったディミトリスはもういない。でも誤解だけは解きたい。夢中で抗議するうち、サヴァンナは彼の腕にかき抱かれて…。
10カ月前にヨットから落ちて行方不明だった夫が見つかった?探偵からの連絡を受け、すぐさまギリシアへ飛んだイミーは、夫のゼフに会うなり仰天した。嘘でしょう?あの冷酷だった海運王が、こんな優しい笑顔を見せるなんて。ゼフは妻の存在はもちろん、すべての記憶を失っていた。じつはイミーとゼフは3年契約の偽りの夫婦だった。仇敵の娘であるイミーを強引に娶った彼は、妻に指一本触れず、ずっと蔑んできた。彼女に残された希望は契約満了後の離婚だけ。だがゼフにキスされた瞬間、イミーは不覚にもときめいて…。
ダーシーは亡き親友の娘の養親になりたい一心で、乗り気ではない男友達に頼みこみ、期間限定の結婚をしようとした。ところがボスのイライアスが式の直前に現れ、こう言い放った。「結婚する必要に迫られているなら、僕が花婿になろう」ひそかに憧れていたボスと契約に基づいた結婚をする!?複雑な思いに駆られながらも、ダーシーは申し出を受け入れた。即刻二人でロンドンからラスヴェガスに飛んで挙式したあと、滞在先のホテルでダーシーは彼に純潔を捧げてしまう。イライアスがけっして人を愛せない男性だと知りながら。
「半年だけ僕の妻になってくれないか?むろん対価は支払う」結婚!?この4年、私に見向きもしなかった憧れのボスと?ギリシア彫刻のように美しい億万長者の上司、エツィオの突然のプロポーズに、ティルダの心は揺れた。両親の死後、病気がちな弟の面倒をみてきた。恋は諦めて。エツィオは愛など信じない冷酷なプレイボーイだが、ビジネスを有利に運ぶため結婚を利用しようとしているのだ。彼とギリシアに引っ越せば、弟を不良から引き離せるけど…。ティルダは悩んだすえ、夫婦としての関係はなしという条件で、愛されぬ形だけの花嫁となって、アテネに発つー。