小説むすび | 著者 : 横山啓明

著者 : 横山啓明

五つの星が列なる時五つの星が列なる時

イギリスのオックスフォードで若い女性が惨殺された。無惨に切り裂かれた遺体の上には一枚のコインが残されており、何かの儀式を思わせた。やがて第二の殺人事件が発生、被害者はやはり若い女性で、遺体にはまたしてもコインが置かれていた。取材でこの地を訪れていた作家のローラは、警察から犯罪現場の写真を撮る仕事を請け負っている元恋人フィリップとともに、この異常な事件を調べ始める。そして、そのコインが紀元前400年頃のエジプトで使われていたものの模造であることを突き止めた。さらに、殺人の行なわれた日が占星術に基づいて決められていることにも気づく。そして、第三の殺人が起きた。犯人はいったい何を企んでいるのか?調査を進めるローラとフィリップは、やがて1851年にも酷似した連続殺人事件が起きていたことを探り出す。そして、一連の事件に偉大な科学者ニュートンが深く関わっていることを知るが…錬金術、占星術の知識を巧みに織り込み、壮大なスケールで描くサスペンス小説。知的興奮を呼び起こす話題作。

ブラック・ウォ-タ-ブラック・ウォ-タ-

女性の身でオレンジ郡保安官事務所の殺人課を仕切る巡査部長マーシ・レイボーンには、試練の事件だ。保安官事務所の身内であるアーチー・ワイルドクラフト保安官補の自宅で惨劇が起きたのだ。妻のグウェンがバスルームで射殺され、アーチー自身も頭部に銃弾を受けた人事不省の状態で発見されていた。状況から見て、妻を射殺したアーチーが自らにも銃口を向けた無理心中事件と思われる。しかも彼ら夫婦は身分不相応の邸宅に住み、収入以上の生活を送っていた。経済的に追い詰められたアーチーが、覚悟の行動を起こしたのだろうか?だが、マーシは割り切れないものを感じる。状況に不自然な点が多過ぎるうえ、周囲の語る事件前の夫婦の生活からは事件の前兆すら嗅ぎ取れないのだ。やがて昏睡から覚めたアーチーは記憶の一部を失っており、自らの無実を語ることも出来ない。マスコミの圧力が高まり、マーシの疑惑をよそにアーチーの起訴を急ぐ検察局。だが彼女は事件の陰に大きな闇の存在を感じはじめていた-『サイレント・ジョー』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を獲得した著者が放つ、最新傑作。

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