著者 : 牛次郎
人妻やヌードモデルとの逢瀬を重ね、その情事をクールに観察し、小説を書きつづける流行作家・三田村倶治。そんな三田村を溺れさせるほどの人妻・坂崎彩子が突然、殺害された。彩子の死に様は、扇情的で怪異な姿であった。しかも殺害場所は、三田村と彩子の密会場所、面影坂ホテル…。ホテル従業員の証言から警察にマークされた三田村は、自らの疑惑を晴らすべく、事件解明に乗り出す。だが、彩子に潜む戦慄の過去と血脈が、三田村を追いつめる。男と女の狭間に蠢く欲望を大胆に活写。著者会心のロマンミステリー、書下ろしで登場。
「地球上で俺という人間はたった1人。1回きりの人生なら、自由に“ぶっ太く”生きなきゃ、生まれてきた甲斐がない」をモットーに、新興宗教両妙宗の教祖に成り上がった八幡野現太は、教団を日本一にするため、日々布教活動に励んでいた。“妙孔観聞の秘法”と、己れの妙棒尊、巨根をもって、次々と美女を歓喜法悦の境地に導く。夜の女たちが、OL、若妻、貴婦人が、そして碧い瞳のブロンド美人が、現太の秘技の虜となる。両妙宗の信者は激増、現太の野望は達成されるかに見えたが…。仕事も女も“ぶっ太く”欲をかいて生きる男の痛快人生を描くサクセス官能ロマン。
総理大臣の椅子を目前にした北見は、恐怖に震えていた。戦友二人が立て続けに殺されたのだ。それも白昼、自衛隊から強奪された武器を使って…。彼の中で消えつつあった戦争末期の沖縄でのあの事件が、いま自らの死につながろうとしている。史実から抹殺された“大虐殺”の痛みを胸に、四十年の歳月を経て三兄弟の怒りが炸裂するアクション巨編。
暴力団市富士組組長・市村の女となった光枝は“姐さん”として生きるべく、秘所に蛇の刺青を彫った。それが“凶運の女”の誕生だった。縄張りを狙う新興の堂政一家との血で血を洗う斗い。やがて抗争は全面戦争へ突入した。ヒットマンに仕立てられた男と、掟を破った男と女への凄惨なリンチ…。暴力によってのみ繁殖し、また滅亡する組織とその興亡。女を犠牲にして悪を生きる男たちと、その男を愛してしまった女の凄まじい姿を、綿密な取材をもとに描く著者初のバイオレンス・ロマンの傑作!
奇妙な技を駆使して、“裏の仕事”を請負う者たちがいた。密法者。密教から引き出された「裏密」を修得した超人。彼らは金で動く。が、口はむろん、影も、形も、匂いもない。中でも裏丸は、秘中の秘「性法」に勝れ、性忍と異称される。しかも、闘具は長く太い。“天狗様”と呼ばれる裏丸の男性自身は、性の秘技と相まって、恐るべき密法パワーを発揮した。