著者 : 玄間太郎
栃尾郷の虹栃尾郷の虹
凶作、飢饉から村人を救ったのはひとりの百姓の妻だった。今に伝わる越後の栃尾縞紬は、江戸天明・寛政期に生み出された。機織りの天才オヨと心ある庄屋の合作は、疲弊した村々を救った。双子の姉妹の糸に込めた思いが四季のめぐりと織り重なって…。
起たんかね、おまんた起たんかね、おまんた
東日本大震災の年の夏、東京。大集会に新潟からきた若い七人の農民の姿があった。彼らは江戸中期・天明三年に起きた越後柿崎一揆の子孫だった。「良民を守る一揆は時を超え」。むしろ旗が音をたてて大きくはためいた。天明三年にタイムスリップした。
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