著者 : 田中光二
元処刑捜査官の北条貴は、国際警察刑事機構の助っ人としてバンコクへ飛んだ。そこのチャイナタウンで、かつては権力者の圧政から中国の民衆を守る互助組織であった三合会が、犯罪組織へと変貌し世界に進出していた。北条に組織から、彼の仲間の耳が送られてきた。明らかな宣戦布告に、貴はすべてを覚悟して、単身、今もっとも不気味な中国マフィアの本部へ乗り込んだ。
ケン・コズマはウォドロン軍の戦闘兵30人を指揮する4級戦闘士だ。ジャハラでのザルカンダ軍との戦闘で勲功をたて、生れ故郷テルミナに帰還したケンは、突然憲兵局に逮捕される。ウォドロン人には絶対許されない、戦いへの懐疑を抱いたためだ。軍事法延が開かれ、懲罰兵士として、最悪の地獄の戦線ザンタナに送りこまれたケンを待ちうけていたものは…。銀河を舞台に描く壮大なロマン。書下し長篇。
北条貴は、警視庁の白バイ乗りだ。非番の日、彼は、恋人で婦人警官の由紀とのドライブの最中、暴走族に襲われた。病院で意識を取り戻した北条は、有紀の死を知らされる。心身ともに憔悴し切っている彼に、身内の者だという奇妙な訪問者があった。その男は、暴走族に復讐する気はないか、と尋ねる…。法手続き抜きで極悪人を制裁する、新シリーズ書下ろし力作。
不思議な賦活物質をもつダルマをわがものにする野望のために、この巨大植物と共棲してきた惑星プロトコルをも根絶した恒星間帝国に十五年の歳月が経った。帝国は倦み、国家の黄昏は万民の目に明らかだった。そんなある日、齢百六十五歳になったシュラクサイの元に皇帝シビルピューマ五世から招きの親書が届いた。狂宴と拷問と淫行で人生の老期を迎えた皇帝は、不死の妙薬のことを妄執して、かつて帝国に謀反したフレッチェル大尉とプロトコルの首長の娘ラブ=ラブとの間に生まれた男子を利用する話をもちだしたのだ…。
民間人初の宇宙飛行士、ウェイトレスのサンディーと探偵のデュークを乗せてスペース・ローリーは飛び立った。直後に地球は核戦争で壊滅。孤立無援の船はやむなく地上に降りた。しかし、地上に破壊のあとはなく、原始の自然が広がるのみ。しかも口のきけない村人達はサンディーを神とあがめるのだった。-故郷の石塔の中で女神サンディーヌがタリオンに語った不思議な物語。それは女神自らの運命をも巻き込んだ妖魔と人間の遥かな戦いの歴史だった。そして神々の血を受けついだタリオンの使命とは?いま新たなる戦いがタリオンを待ち受ける。
自らの出生の謎を解き明かすべく、タリオンは故郷の村を目ざす。氷雪に閉ざされた酷寒の地。自然の猛威に加え兇悪な三兄弟の率いるならず者の軍隊が行く手を阻むが…。一方、東方の蛮族の帝都侵攻を好機として、フォルタらは帝国への反乱の狼煙を上げた。帝国打倒の呼びかけに諸国の人々は立ち上がるのか?また、タリオンを育んだ小人族の島に迎えられたレヴィ王女のその後は?さらにミシュリーヌ殺害がもたらしたフリオ侯爵と狂気の剣士バランの確執のゆくえは?いま大陸全土を戦雲が覆いゆく。
邪神の呪いを解いたタリオンに光と音と言葉が戻った!レヴィ王女を奪還したフォルタ団長一行とも合流する。さらには老戦士ポーロの告白により、驚くべき自らの出自をも知る。帝国との北辺の戦い。ポーロ率いるタスク族の裏切りとトロビト村の虐殺。唯一人生き残った赤子…すべては皇帝の奸計によるものだった。新たな怒りに燃えるタリオン。折しも、センペカの捕虜五百人の処刑の日が迫りつつあった。感慨に浸る暇もなく、タリオンらは捕虜奪還のため、妖魔の末裔たる皇帝と教皇が待ち受ける神都スメラルドに、勇躍乗り込まんとしていた!
サバン城陥落。帝国軍の殺戮の嵐が去った後には、レヴィ王女以下わずか5百人の市民将兵が生き残るのみ。フォルタ団長はモルティーギ将軍への臣従を装い、ひそかに5百人救出の機をうかがうが…。一方、師スパドゥロスと共に修道僧軍団に捕われたタリオンは帝国の神都スメラルドに連行される。テラノーヴァ神を祀る邪悪と淫風に満ちた大寺院の内でタリオンの前についに姿を現わす教皇ゲミロウス。この、恐るべき帝国の妖花との間に交わされる熾烈な戦いは、やがてタリオンの身に驚くべき変化をもたらすのだった…。白熱のシリーズ第3弾!
眉目秀麗な盲目聾唖の戦士タリオンの超人的剣技。サーカス団の団長フォルタの巧妙な戦術。2人の味方を得たレヴィ王女率いる熱帯の小国センペカは帝国軍百万の猛攻によく耐えていた。しかし圧倒的劣勢は否めず、いまやセンペカに残された希望は悪を破る力を秘めたフォントベラの剣のみ。しかし曲折の後にタリオンの手に帰した神剣は、未だタリオンの支配を受けつけない。かくて神剣を自在に操る術を学ぶべく、タリオンは修行の途につくのだった。訪ねるは霊峰に隠棲する老師スパドゥロス。果たしてセンペカ陥落前にタリオンの修行はなるのか!
地球の闇の世界と死を賭した闘いを繰りひろげた千夏響と竜造寺悟らエクソシストたちは、地球の危機を救うべく“神界域アガシュ”へとさらなる旅に出発した。一行は暗黒の魔手によって、かけがえのない2人の仲間、ウィスパリング・スカイとリゼロッテを失った。だが、光の洗礼を受け霊人となった響は、宇宙船セグを駆って意識ホールへと突入していった…。