著者 : 田口俊樹
人生に退屈を感じはじめた口腔外科医ドク・アダムズは、友人のリアティス・ローンティスの頼みに心が動くのを感じた。ある戦友を見つけ出す手助けをしてくれというのだ。ヴェトナム戦争当時、ローンティス指揮下の特殊作戦部隊、〈デイジー・ダックス〉がある村の危機を救った礼として、黄金のシヴァ神像をローンティスはもらい、副官のヴィラードと山分けすることにした。ところが、最近になって香港の銀行の保管庫に預けてあったその像を二人で受け出そうとしていたところ、突然ヴィラードが行方不明になってしまったというのだった。〈デイジー・ダックス〉の男たちを探るドクの冒険が始まった!『ケープ・コッド危険水域』『幻のペニー・フェリー』に続く、アドベンチャー・スピリットと遊び心に溢れるサスペンス長篇。
1940年代、シカゴ。とある路地で、3人の郵便屋が相ついで殺されるという事件が発生した。弁護士マローンは飲み代欲しさに首を突っ込んだが、世の中そんな甘くはない。ただでさえ厄介なこの事件、例のごとく友人のジャスタス夫妻にかきまわされて、滅茶苦茶な様相を呈していったのだ!笑いとペーソスが彩るライスの秀作、待望の新訳決定版。
出所したばかりの息子リッキーの行状に頭を悩ますパウダー警部補だったが、仕事は待ってくれない-。父シドニーが消えた失踪人課に訴えにきたロバート少年の話を聞き、その家に出向いたパウダーは、異状に気づいた。謎に包まれた男シドニーの失踪の裏には、いったいどんな秘密が隠されているのか?一方、車椅子にのった女刑事フリートウッドは、コンピューター技術メンセリから実に妙な話を聞いた。自らも車椅子で暮す彼がコンピューターで行なった調査によれば、インディアナ州の身障者が次々に殺されている可能性があるらしい。パウダーは、周囲からの圧力もはねのけ、奇怪な話の真偽を確かめようと動き始めたが…。現代ハードボイルドの雄が、警察小説の分野に独自の地歩を確立した話題のシリーズ第3弾。
引退したギャングのボス、フランク・ディシリアが死んだ。未亡人カレンには、400万ドルとフロリダの豪邸が遺された。ただし、条件があった。フランクは、カレンが浮気しないよう遺産管理者に命じて、彼女に近づく男たちを脅迫するようにしたのだ。そこへ2人の男があらわれた。用心棒ローランドと流れ者のマグワイア。400万ドルとカレンの魅力に目がくらんだ男たちが火花を散らす、これこそまさしくレナードの真髄、人間味あふれる悪党たちの物語だ。