著者 : 笠井潔
復讐の白き荒野復讐の白き荒野
流氷に埋めつくされた極寒の知床ー。番屋を守る宗吉老人が助けた男、間島勲は国後島の強制収容所を脱走、えん罪をはらすため決死の覚悟で流氷原を渡ってきたのだ。昭和維新を唱える塾頭、経済界の黒幕、彼らを操る影の人物ー、戦後日本の政治・経済・思想史を背景に壮大なるスケールで描く戦慄の復讐劇。
天使/黙示/薔薇天使/黙示/薔薇
『バイバイ、エンジェル』は、フランスに滞在していた20代の後半に、『テロルの現象学』と並行して書かれた、最初の小説作品である。『バイバイ、エンジェル』は少年の幸福な初恋、『サマー・アポカリプス』はさまざまに屈折した大人の恋愛…。
巨人伝説(3)巨人伝説(3)
英雄ツァラに〈絵を描く術〉を与えられた誇り高き黒鹿部族のトマだが、洞窟の底深く足を踏み入れてはならぬというツァラの掟に背き、“永遠の闇の洞”を越えた。気候の変化による獲物の激減と、妖術師ダク・ツムの出現で、狩猟によって生きる彼の部族が餓死か、南に移住して農耕するか二者択一の危機に瀕しているのだ。だが、掟を破って洞窟に入ったトマを、闇の底で何かが待ち受けていた。長篇神話SF。
巨人伝説(2)巨人伝説(2)
2年来の世界的な異常気象による飢餓と貧困は死者300名を超える東京大暴動をもたらした。そんな不穏な状況下で、確実に信者を増やしている組織があった。〈コムレ協会〉である。巨人津荒羅の復活による世界の「立替え立直し」を説く協会の開祖・古牟礼マキは実質的な指導者・生島郷治を片腕に、太古の黄金時代「古牟礼御世」の再建を目指すのだが…。《復活篇》に続く近未来SF長篇、待望の第2弾。