小説むすび | 著者 : 葉山嘉樹

これまで高校国語教科書に掲載されたことのある、プロレタリア文学のアンソロジー。教科書に準じた注と図版を付した。理解を深めるプロレタリア文学についての対談も収録。

ダム建設現場で働く男がセメント樽の中から見つけたのは、セメント会社で働いているという女工からの手紙だった。そこに書かれていた悲痛な叫びとは…。かつて教科書にも登場した伝説的な衝撃の表題作「セメント樽の中の手紙」をはじめ、『蟹工船』の小林多喜二を驚嘆させ大きな影響を与えた「淫売婦」など、昭和初期、多喜二と共にプロレタリア文学を主導した葉山嘉樹の作品計８編を収録。ワーキングプア文学の原点がここにある。