著者 : 貴志祐介
ある嵐の晩、資産家男性が自宅で命を落とす。死因は愛車のエンジンの不完全燃焼による一酸化炭素中毒。容疑者として浮上した被害者の甥、日高英之の自白で事件は解決に大きく向かうと思われたが、それは15年前の殺人事件に端を発する壮大な復讐劇の始まりだった。“犯罪者”を執念深く追い詰める警察・検察、英之を献身的に支える本郷弁護士、その依頼で事件調査を始めた元リストラ請負人の垂水、恋人の無実を信じて待つ千春。それぞれの思惑が絡み合い、事件は意外な方向に二転三転していく…。稀代のストーリーテラーが満を持して放つ!これぞ現代日本の“リアルホラー”
『皐月闇』-命を絶った青年が残した一冊の句集。そこに記された十三句を解釈していくほどに、隠された秘密が浮かび上がる。『ぼくとう奇譚』-奇妙な花魁たちと遊ぶ夢を見る男。その謎を解かなければ命が危ないという。やがて夢の中の様子も陰惨さを極めていき…。『くさびら』-リング状の模様を描いて、キノコが家を埋め尽くしていく。怪現象に何らかの意思を感じた男は、呪法の儀式を行おうとする。
奇妙な宿命を背負った男が語る、おぞましくも悲しい因果の物語。-「餓鬼の田」。作家が体験した超常現象の記録。たどり着いた戦慄の真相とは。-「フーグ」。無名歌手が残した究極の絶唱には恐るべき秘密があった。-「白鳥の歌」。追い詰められた人々が挑む禁忌の儀式。命懸けのゲームの結末は。-「こっくりさん」。
探偵・茶畑徹朗の元にもたらされた、「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子だったが、調査を進めるにつれ、次第に自分たちの前世が鮮明な記憶として蘇るようになる。果たして犯人の正体を暴くことはできるのか?
「夜の記憶」-『十三番目の人格ーISOLA-』『黒い家』の本格デビュー前に書かれた貴重な一編。貴志祐介ワールドの原点!「呪文」-『新世界より』の刊行後ほどなくいて発表された短編。惑星「まほろば」で何かが起きている…。「罪人の選択」-「罪人」の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。果たして正解は?「赤い雨」-新参生物のチミドロによって、地球は赤く蹂躙された。スラム出身の瑞樹はRAINの治療法を探る。最新SF!
暗闇の中、赤い怪物として目覚めたプロ棋士を目指す塚田は、「青の軍勢」と戦えと突然命じられる。周囲には、やはり怪物と化した恋人や友人たちが、塚田が将となった「赤の軍勢」の駒として転生していた。将棋のようなルールのもと、特殊能力を駆使し、知恵と駆け引きで敵の王将を狙う「赤VS青」、異形同士の七番勝負が始まった。異次元空間で繰り広げられる壮絶な“対局”の行方は?衝撃のバトルエンターテインメント開戦。
怪物同士の戦いは、力が倍増する昇格を経て、新たなステージに突入した。希望なき破壊ゲームと化す中、赤軍の王将・塚田は、現実世界でも将棋の敵である、奥本率いる青軍との最終決戦に臨んでゆく。恋人・理紗への思い、奨励会での競争と葛藤、探検部との冒険旅行…去来する現実世界での出来事は、この死闘とどう関係しているのか。そして、なぜ戦いの舞台が軍艦島でなければならないのか?慟哭の真相が明らかになる決着編。
『百瀬、こっちを向いて。』の相原ノボルの高校時代のクラスメート・田辺が17歳の夏に経験した切なくも不思議な出来事(「鯨と煙の冒険」)。防犯探偵・榎本径の不在時に起こった密室環境での事件。自殺か他殺か?弁護士・芹沢豪と青砥純子が挑む(「一服ひろばの謎」)。女子高生・清海が恋人・星良一の浮気調査を多田と行天に依頼(「多田便利軒、探偵業に挑戦する」)。あの人気作品のサイドストーリー12編が楽しめるアンソロジー。
11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まったー。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!
意味も明かされぬまま異空間で続く壮絶な七番勝負。只中に“転生”した塚田率いる赤軍は一勝二敗の劣勢で第四局を迎えた。青軍の将奥本は現実世界でもプロ将棋棋士の座を賭けて死闘を続ける敵だ。だが、なぜ戦場が“軍艦島”なのか?そして、地獄のバトルに決着はあるのか?人間精神の暗黒面を抉る非情のエンターテインメント。その終局で明かされる真実に瞠目せよ!
圧倒的人気を誇る教師、ハスミンこと蓮実聖司は問題解決のために裏で巧妙な細工と犯罪を重ねていた。三人の生徒が蓮実の真の貌に気づくが時すでに遅く、学園祭の準備に集まったクラスを襲う、血塗られた恐怖の一夜。蓮実による狂気の殺戮が始まった!ミステリー界の話題を攫った超弩級エンターテインメント。
元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。ほか、欠陥住宅の密室、舞台本番中の密室など、驚天動地の密室トリック4連発。あなたはこの密室を解き明かせるか!?防犯探偵・榎本シリーズ、第3弾。
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが…(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾。