著者 : 門田泰明
松平政宗は謎の忍び一族から受けた傷で死線を彷徨った。危機を脱した政宗を執拗に狙う知・業ともにすぐれた凄腕集団。事件の背後に見え隠れする次期将軍の座をめぐる暗闘。幕閣内で怪しく蠢く勢力から、四代将軍・徳川家綱を護ろうと、政宗は江戸を発った。一刻の猶予も許されないと向かう先は?その政宗を重武装の一群が追う!壮大雄渾の死闘ここに。
等身大人形師の義男は、兄嫁の春子に密かな想いを寄せている。彼の気持ちに気付いた妻の咲子は、夫が制作中のコンクール出展用の等身大人形が春子に思え、胸締め付ける嫉妬心に抗うことができず、それを壊して捨ててしまった。そのときから春子の身に異変が起こる…。幻想と現実を交差させた、震えあがるようなスリラーの世界。門田泰明の恐ろしい筆が冴える。
最先端技術の粋を結集した超電導船「海洋丸」が、試験航海中、爆発、沈没!最新技術を狙う謎の組織“十三の神”の仕業か?さらに敵は、超電導研究の佐野原博士夫人を誘拐した。夫人救出のため、単身“十三の神”の本拠地に潜入した黒木豹介のベレッタが熱く吼える。
無頼学生を自認する加賀田省平は、大学の建物でこの世のものとは思えない光景を目にした。その衝撃が癒えぬ間に、恋人の玲子が怪異な現象に襲われる。叔父から渡された古文書を繙く省平は、彼の先祖が起こした身の毛がよだつような、血の事件を知る。その先祖の血を自身の体内にも感じた。やがて、想像を絶する展開へ…!?人間の恐ろしい「業」を描く。
倉脇総理のもとへ「殺」と一文字のみの速達が届き、黒木豹介は調査を開始する。謎の伊賀忍群に襲われた黒木は三重県名張へ急行するが、「復讐」の声と凄絶な山岳戦が黒木を待ちうけていた。「復讐」とは何を意味するのか?そして陰ながら黒木を守る謎の美女の正体は。終りなき戦いを描く大人気シリーズ。
日本のVIPの乗った航空機を墜落させた巨悪組織は、通信網の中枢を怪電波を使ってコントロールし、日本政府をパニックに陥れた。日本でただ一人、国家安全委員会から「殺しのライセンス」を与えられた世界最強の男・黒木豹介は、美貌の秘書・高浜沙霧と共に組織壊滅のため出動する。待望の黒豹シリーズ。
満開の桜の下、弘前城を身じろぎもせず眺める男の姿があった。黒木豹介ー国家から殺しのライセンスを与えられた、日本で唯一人の“特命武装検事”である。偶然にも、日本財界のゴッドファーザーと異名をとる滋賀雷鋒にでくわした黒木は、滋賀が、不審な外人グループにつけ狙われていることに気づく。苦渋に満ちた雷鋒の表情…。黒木は巨悪の存在を直感し、稔書高浜沙霧に指令を出した。
天野川を下った町のはずれに、邦子の嫁いだ小さな造り酒屋がある。子供に恵まれず、夫と舅夫婦との平穏な毎日を送る邦子だったが、東京から移り住んできた日本舞踊の月形流家元・月形霧玄に淡い憧れを抱き始めていた。思いかけず、京都月形会館の竣工パーティに招かれた邦子は、ためらいながらも一人旅立ち、誘われるまま瑳峨野で一夜をともにしてしまう…。人妻のはかない純愛を描く長篇恋愛小説。
妙高高原火打の里。雑賀与四郎は雑賀財閥を一代で築いた立志伝中の人物だが、いまは財閥から放逐され、心臓病で療養中の一人息子・呑龍とひっそり隠棲生活を送っていた。嵐の夜。妖しい光を発する物体が火打山の麓に落ちるのを目撃した呑龍は風雨を衝いて現場に向ったが、そこで意識を失った。長い眠りから醒めて邸に戻った呑龍だが、目の前には心臓を掴み出されて死んでいる父の姿が。超時空サスペンス。
会員20万人、日本舞踊界最大流派・草柳流家元の草柳少緑は、実質的な家元の座を一人娘の夏子に譲っていた。が、実力の伴わない夏子に対する反発が次第に高まり、逆に夏子は、批判に対して厳しい制裁を加えていた。そんな折り、草柳流筆頭後継者の流山竜子が、夏子を無視して単独公演を計画、夏子は、強力なスポンサーを紹介するという名目で竜子に近づくが…(「姦通」)、他9篇を収録。社会派ニュー・ロマン。
電機業界のリーダー的存在である極洋電気の営業企画次長・本郷直文は、次期社長候補の岡部専務から経営戦略室長への昇格を言い渡された。経営戦略室とは社長直属の組織で、社のシンクタンクともいうべきエリートセクション、室長経験者は取締役への昇進が約束されているという。本郷が夢にまで見たポストだった。だが、本郷は前任者・田代の突然の退社を知らされる。田代に何が起こったのか…?