著者 : 額賀澪
美大に入学したての友親は、知り合った先輩の若菜と親交を深めるうちに、自らの中にある問題に向き合うことになる。一方、若菜も心に傷と秘密を抱えていて…。友親の前に現れた少女・恭子は何か知っているのか。かつての悲恋、家族との軋轢、才能への渇望と絶望ー若者の痛みとその再生を描く青春小説。
村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都ー当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作!「彼女」は敵か味方か…微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが描きだす逸品ぞろいの短編小説集。コワくてせつなくて愛しい物語の世界をぜひご堪能ください。
経営難で閉校が噂される武蔵映像大学で、卒業制作の映画を撮れるのは、たった一人。監督志望の安原と北川は、コンペでガチンコ勝負することに。天然の安原と、策士の北川。撮影は、前途多難の幕開けとなったがー。さまざまな喪失を経て傷つきながら、彼らが手にしたものは。瑞々しく輝く青春ストーリー!
深作日都子は小学五年生の時、理不尽なことから熾烈ないじめの対象となった。その時から日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。そんなヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけだった。地元の高校の入学式。小五で転校した冬希の姿がそこにあった。毒親の母を棄て、父とともに戻ってきたのだった。冬希はまったく変わってしまった日都子の姿に驚く。そしてその原因が、自分が飼い、置いてきた金魚と知り…。大人気の青春小説、待望の文庫化。巻末に特別短編収録。
周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を控えたある日、唯一の肉親である父親から、謎の通帳を渡される。“誰か”が自分のために振込を続けてくれていたことはわかったが全く心当たりがない。唯一の真相を知る父は、脳梗塞で昏睡状態に。そうなって初めて、父の過去や自分の過去も詳しく知らないことに気づく。その“誰か”を探し始めた周作は、25年前のある傷害致死事件に行く着くのだが…。小さな希望が灯る、新しいカタチの家族小説。
ひとりぼっちの高校生活を送る引っ込み思案の少女・志音。くじ引きで吹奏楽部部長となった大志。屋上でドラムのバチを手にリズムを刻む志音を見た大志は思わず部活に勧誘する。大志との二人きりの演奏を通して人と一緒に演じる楽しさを知った志音は入部を決意する。その夢は大きく「東日本大会」出場!
夏休み中、交通事故に遭い古谷野真樹(高2)は後遺症ですべての記憶を失った。学校生活に復帰した新学期、文化祭前の高校で謎の落書き事件が勃発。最初は他愛ないいたずらかと思われたが、落書きは段々とエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも真樹に向けられたメッセージのようだった。その謎を追っていくうちに次々と見えてきてしまった親友の秘密。そして…記憶喪失の僕が取り戻した大切な「真実」とは。
美大入学を機に上京した寺脇友親。同じアパートに住む才能豊かなイケメン先輩・柚木若菜を知るうちに、自分が抱える息苦しさの正体にも気づいてゆくー松本清張賞作家25歳が描くリアルな涙。美大生たちの日々に満ちる輝きと不安が胸に刺さるー傑作青春小説。
友達がひとりもいない県立高校へ入学した引っ込み思案の少女・給前志音は、ワケありの部長・日向寺大志に誘われ吹奏楽部に入部するーやがて厳しい練習の日々が始まって…目指すは東日本大会出場!音楽と友情の疾風怒涛。第22回松本清張賞受賞。