出版社 : 幻冬舎
長年の目標だった、長編小説をついに書き上げた。しかしー眠る妻の枕元に、原稿を置いた。気づいてもらえない。芸術家になった後輩を呼び出した。逆に、彼の作品の感想を求められる。仕事仲間のディレクターに的を絞った。仕事の悩みを相談される。初恋の女性から連絡がきた。お願いする前に、“お願い”された。誰かに、読んでほしい。誰でもいいから、読んでほしい。読んでほしいだけなのに!誰に会っても、自分の話を切り出せない。気づくと、相手の話を聞いてばかり。はたして、この小説は、誰かに読んでもらえる日が来るのだろうか!?
「棲みにくくなったよ。人間は邪魔しないでおくれ」農園の周りで過ごしているたくさんの命の嘆き。限られた自然の中で生き物と上手に暮らしていくためには、どうすれば良いのでしょうか。子どもにも大人にも地球環境の大切さを改めて教えてくれる一冊。
洋菓子店「パティスリー・ブランシュ」を閉じるはめになった白井。そんな時、常連客だったマダムが現れ、次の借主が決まるまで厨房を貸して欲しいという。そこで彼女が始めたのは、風変わりなお菓子教室だった。心とお腹が満たされる★★★の物語。
小さな楊枝屋の四男坊・鈴之助は、相思相愛のお千瀬の生家、大店の仕出屋『逢見屋』へめでたく婿入り。誰もが羨む逆玉婚のはずだったが…。祝言の翌日に、隠居の申し渡し!?料理が取り持つ情けと縁。くすっと笑って、ほろりと泣ける感動の夫婦奮闘記!
貴金属泥棒で大金を手にした三つ子の前に、ライオンを連れた謎の女が現れたとき、彼らの運命は急転する。わけもわからず向かわされた砂漠の地で、三つ子が目撃する驚愕の超展開とは!?稀代のストーリーテラー・万城目学が挑む、面白さ全部載せの物語。アクションあり神話ありでどのページからも目が離せないジェットコースターエンターテインメント!
自衛隊PKO部隊の一員としてイラクに派遣された三つ子。彼らを待ち構えていたのは砂漠の底に潜む巨大な秘密、そして絶体絶命の大ピンチだった!展開予測は不可能。唯一無二の物語の紡ぎ手・万城目学、とどまるところを知らず。ページをめくるたびに新たな驚きが待ち受ける超ド級スペクタクル巨編、ここに完結!
女性判事・片陵礼子のキャリアには、微塵の汚点もなかった。最高裁判事になることが確実視されてもいた。そんな礼子は、ある男のことが気になって仕方がない。かつて彼女が懲役刑に処した元服役囚。近頃、裁判所の前に佇んでいるのだという。判決への不服申し立てなのか?過去の公判資料を見返した礼子は、ある違和感を覚えて男のことを調べ始める。それによって二人の運命が思わぬ形で交わることになるとも知らずに…。
10番スタンドオフ。たったひとりの部員、足立。若手教員佑子に見守られながら、部員集めからスタートしたラグビー部の快進撃が始まるー一度きりの夏を駆け抜ける。楕円球に魅せられた少年たちの等身大の青春小説。
冗談と本気の狭間で怪しく躍動する麺々(面々)が、誰もが予想しなかったムーブメントを巻き起こす!!初代B-1グランプリでチャンピオンの栄冠に輝いた「町おこしの先駆者」の快進撃の秘密とは?痛快!町おこしストーリー。
仮想17世紀、北米大陸は白人による土地や資源の収奪が進んでいた。「太陽を背負う女」ことツー・サンズをはじめとするインディアンたちは地の利と知恵を活かして徐々に勢力を強め対抗していくが、残忍で用心深い実力者ザ・プルートを前に一進一退の膠着状態が続いていた。そこへ、老獪なアラスカ地区長官ザ・ウォーター率いるロシア軍が進出してきて…。もうひとつの“アメリカ”誕生を描くスペクタクル大作!
1999年7月、グループ会社の顧問を務めていた佐藤雅夫はディック・ペイント株式会社の代表取締役社長に就任する。ひと知れず闘志を燃やす男は、これまで誰もが見て見ぬふりをしてきた韓国合弁会社のずさんな経営に物申すー。日本vs韓国。企業の生き残りをかけた闘いの幕がいま上がる。
1946年、島根県益田市。異国の海風に誘われるように日本に降り立った元兵士の韓国人・郭昌宇。見知らぬ土地で出会ったのは、言葉を知らぬあどけない少年だった。そんな彼を見かねた郭は、生きるための知恵を授け、母国へと去っていく。それから月日が経ち、少年はあの日、自分を助けてくれた男を求め、故郷を、そして日本を飛び出していく。国を出た少年が見つけたものとはー。
ある暑い夏の午後、突然気を失った私がふと目を覚ますと、そこには丁度待っていたように「地獄・極楽列車」が停まっていました。初めて見るあの世の世界は果たしてどんなところなのでしょうか?ようこそ、死後の世界へ。車掌の青鬼が地獄から極楽までご案内。降りる駅は罪の重さで決まります。悪行は必ず跳ね返ってくる?子どもも大人も「今の生き方」を考えさせられる一冊。
職場で起こった、人から見ればささいな出来事をきっかけに、正義の心は壊れ、引きこもるようになってしまう。妻は何も言わずかわりに働きに出た。情けなさに耐え切れず眠剤に頼る日々。そんな正義の閉ざされた心を揺り動かしたのは、青春時代に聴いていた音楽だった。音楽との再会をきっかけに、人との絆、社会とのつながり、自分の生きる意味を取り戻していくー。一歩を踏み出す勇気をくれる再生の物語。
20XX年、世界に衝撃を与えたインド映画『マルト神群』その主演を務めた謎の日本人俳優、婆須槃頭。渾沌を極める世界情勢下、彼が提起したのは死者たちが証言台に立ち、一神教の罪業を論ずる空前絶後の国際宗教裁判だったー。
寝坊で卒論を出しそこね、留年が決定した海平。片見里の実家に報告に戻ると、ばあちゃんからバイト代とともに頼まれた。「東京に出た同級生・中林継男を捜してくれ」と。一方、大学入学で片見里から上京してずっと一人で生きてきた、荒川区に住む継男。同郷の次郎から「オレオレ詐欺」の受け子の代役を頼まれ、老女の家を訪ねることに。-同じ片見里出身ということ以外、接点のなかった継男と海平が荒川で出会った。継男はある“ヤバい”ことを海平に依頼する。