出版社 : 幻冬舎
預かった映像を死後に届ける「アフターメッセージ」、弁護士が多様な依頼に対応していく「男衾法律事務所」、長年片思いをしていた女性の子供に転生してしまう「生まれかわり」。人のつながりを様々な視点で描いたハートフルストーリー。
最強の初心者現る。200km/hのサーブを打つ“テニス初心者”の田中は、同い年の中井とレッスンを重ね、40歳にして初めての大会に挑む!!スポーツの楽しさを再発見する大人の青春小説。
盲導犬訓練施設で働く歩美は、訓練士の研修生。たくさんのラブラドールレトリバーに囲まれて、一人前になるため勉強中。ある日、盲導犬と暮らす飼い主から「犬の様子がおかしい」と連絡を受け、犬と話せるという、美男子なのに謎多き先輩訓練士・阿久津と一緒に様子を見に行くことになるが…。お利口に職務を全うする盲導犬たちの姿を通して見えてくるのは、その飼い主、家族など人間たちの悩み、嘘、そして、罪。人生は本当に難しいけれどー。
彼らに残っていたものは、もはや後悔だけだった。19年前に世間を騒がせた、天才ギタリストの「伝説の死」。その美しい旋律に掻き消された慟哭の真相とはー。濃密な人間ドラマと哀切を極める結末。ミステリー小説の白眉!
片山美沙は、海外日本人学校教師となった夫・翔一郎とともにその派遣先であるインドでの生活を始める。48℃を超える灼熱の夏、インド特有の常識や生活様式、日本人コミュニティ内での立ち振る舞いなど戸惑うことばかりだったが、同期の家族や、『赤毛のアン』を愛する一年先輩の北川怜子との交流をとおして美沙は少しずつこの地での暮らしを愉しんでいく。インドでの“日常”を一人の日本人女性の視点からリアルに描いた一冊。
就職を機に上京した橘子は良き先輩社員に恵まれ、消息不明だった幼馴染・清躬との再会も果たす。一方、清躬の戀人・紀理子は忽然と姿を消す。そして、橘子も謎の屋敷の者たちによって危機に陥る。「希望は蜘蛛の糸に過ぎない」と言われた橘子だったがー純真な魂を巡り策謀が渦巻く、長編ファンタジー前編。
“神秘”と呼ばれる少女を絵に描ける清躬は、その秘密を語る。その鍵を握っていたのは、幼馴染の橘子だった。謎のお屋敷では、盲目の少女たちを救い出そうと梛藝佐が動く。不可知、不可能を認めない男・神上がめぐらす策謀に、妹の詩真音もかかわるのだったがー若者や少女たちが新たな世界を開く、長編ファンタジー後編。
そこは、「常識」という名の数多のルールに縛られた世界。いつだって真面目に、謙虚に、礼儀正しく、愛と思いやりの心をもたなければならないーそんな面倒な「人間の世界」に誤って生まれてしまった、不運な受精卵。人として生きるものの、的外れで常識がなく、型にはまらない彼らは、「大人」になりきれず、そもそも「こども」の域にも達することができない、「受精卵」レベルの未熟な人間ー。そんな彼らの奇妙な巡り合わせを、アイロニックに鮮やかなタッチで描き出す痛快ドラマ。
「因果」は連鎖し、「狂気」は増殖する。日常に潜む非日常への扉を開く奇妙でシュールな短編小説3篇。-あの時のお金だ!実家の古いタンスの裏から手に入れた大金をきっかけに、小さな善意が思わぬ運命をもたらしていく。(『ホースディアーだけのチケット』)毎日どこかで、「だれか」が「だれか」に殺されるー。「悪意」がもたらす不幸の連鎖。(『間接殺人』)とある寂れた町のレストラン。だれもが絶賛する味の秘密が明かされるや、町中が戦慄するーあなたの周り、最近妙に穏やかではありませんか?(『ホシのレストラン』)
小説家になる夢を捨てきれず、勤めの傍ら小説を書き続ける主人公の男の家に、小中学校の同級生・湯川秀樹が風呂敷包いっぱいの原稿を抱え、「作家になりたいんや」と押しかける。鼠のような目をした湯川は、うすのろぶりを皆に馬鹿にされ続けてきた奴だ。しかし、その可笑しな感性を生かし、常人には作り得ない作品世界を作り出せるのではないか…。蔑んできた男が、自分が心から欲している才能を隠し持っているかもしれないという期待と嫉妬。湯川のことが頭から離れなくなった男は、いつしか湯川を題材に小説を書き始めるー表題作「となりの男」ほか、3篇の人間の本質に迫る短篇を収録。
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るいーキクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。
農業を志す脱サラ夫婦、証券会社をリストラされた男、人知れず、発達障害に悩む男、愛妻の死後、ある女性と不思議な縁を結ぶ男、一族の血を背負い、やがて救世主となる男。それぞれの「紆余曲折」と「転機」を淡々と、静謐な筆致で描きだす短編小説5編を収載。
いつの間にか辿り着いた田園地帯でマムシに咬まれ、病院に搬送れてしまった大島浩三。九死に一生を得た大島だったが、この事件をきっかけに田園地帯の自然保護を謳う前市長から市長選での応援演説を依頼されてしまう。『市長選挙のキーマン』となり政局の渦に飲み込まれていく彼は、自分のなすべきことを追い求めていく。
突如としてネット上に現れた、謎の「誘拐サイト」。“私たちが誘拐したのは以下の人物です”という文言とともにサイトで公開されたのは、6人のみすぼらしい男たちの名前と顔写真だった。果たしてこれは事件なのかイタズラなのか。そして写真の男たちは何者なのか。半信半疑の警察、メディア、ネット住民たちを尻目に、「誘拐サイト」は“驚くべき相手”に身代金を要求するー。日本全体を巻き込む、かつてない「劇場型犯罪」が幕を開ける!
2025年地域創生事業のテコ入れのため自律型ロボットの全国展開を始めた日本。そんな中、都会の暮らしに行き詰まったシングルマザー駒場郁美は、地方への移往を決意する。国の実証実験に参加する形で、育児・デスクワーク支援型アンドロイド『PA108』と出会い、一人娘の里美と共に平穏な日々を送るはずだったのだが…。
生命の起源を探究する隕石研究者の神峰良樹は、フィンランドでウイルス研究をしている高月結と18年ぶりに再会を果たす。そんな中、神峰は隕石の中に不思議な核酸塩基を発見し、これを国際会議で発表するためにイタリア・ベネツィアへ渡航。一方の結は、国際医療チームに参加するためアフリカへ旅立つが、スーダンで行方不明になってしまう。2人に忍び寄る新型コロナウイルスの影、大きく揺れ動く運命、そして、「ソラサイド」に込められた3つのメッセージとはー。
謎の求人、鶏舎での「捕鳥」。警備会社での孤軍奮闘、仲間との絆、裏切り、そして決別…。ろくでなしのオヤジは、なぜ「探偵」になったのか。北の大地を舞台に繰り広げられる、スーパー破天荒な人生の物語。ちょっとだけ平凡をはみ出した男の、実話のような作り話。
誰かを好きになった時だけだよ、体の中の心の位置を掴めるのは(「Who are you.」)。過去最大に炎上している地獄のようなリプライ欄。キリはスマホを伏せて、サイとのキスをまた思い返す(「Pandemic.」)。緊急事態宣言が発令されて、2週間が経った(「Confusion.」)。女って、なんなんだ。すぐに愛が欲しいと叫び出す究極のエゴイスト(「BREAK!」)。これは恋なのか。それとも執着なのだろうか。まだ傷つき足りないのだろうか。それとも傷つきすぎて、このままでは後に引けないのだろうか(「Hurt Me More.」)-マスクをおろして、キスをする。コロナ禍、猛スピードで変わる世界。最新恋愛小説。