出版社 : 幻冬舎
「おじさん。ごめんね。私の分まで幸せになって」女性とは無縁でさえない生活を走っていた中年男・高津の前に現れたのは、21歳の美女・華奈。高津の人生が輝き始めたその時、惹かれあう2人の間に悲惨な現実が待ち受ける。表題作「花とおじさん」ほか、親子の絆を感動的に描いた「よいとまけな母ちゃんへ」愉快でコミカルなサスペンスの「北海の大地にて女のロマンを追え」3作品を収録。懐かしのあの時代の雰囲気がよみがえる短編小説集。
悠久の昔。地上界と魔界との間でひとつの協定が結ばれた。これにより、魔界の者がむやみにこの世界に現れ、人々の魂を奪うことが禁止された。しかし、魑魅魍魎は人の魂を渇望するあまり、たびたび地上へやってくるのだった…。これは、巫女と眷属の姫たちの、時空を超えた宿命の物語。
地球型惑星への移住を企む「ORIONS計画」。宇宙船の開発ハ順調に進み、やがて旅立ちの時が来た!天才六人衆とニューロンコンピューター「乙姫」が往く宇宙大冒険。最先端技術の融合を描く、傑作エンタメSF。
行きつけの喫茶店がある、通いなれた自由が丘。学生時代からの友だちとの晴れやかな会話から掘り起こされる、あの別れ話ー。恋愛のトラウマに縛られているつもりはない、でも忘れられない。緑の庭園に秘められるアヴァンチュール、欲望が無意識に犯してしまった事故、旅先のスペインでの邂逅。誰もが一度は経験する恋愛のトラウマ、それを乗り越えるために美代子がとった選択とは。人生と恋愛に悩むすべての年代の読者に贈るラブ・ストーリー。
人間関係を器用にこなす男子高校生・結城は、よく人たらしと言われることに悩んでいる。見学に行った軽音楽部で新入生女子・サワのパワフルなドラムパフォーマンスに魅せられ、自身はベースでバンドを組むことを決意。中学時代からの気の置けない友人・雄大も確保しスリーピースバンド「3S」を結成する。サワと過ごす時間、音楽の話、笑うとかわいいえくぼ、ジャムる瞬間の高揚ー。今まで感じたことのない嫉妬や独占欲。溢れ出す感情に戸惑いながらも、新たな一歩を音楽と共に踏み出していく。
1945年8月、広島。日本軍が東京から送りこんだ最後の秘密兵器とはー人々の祈りと願いが国の運命を、愛する人の命をその手に取り戻す。この信頼と絆は時代を超えても変わることはない。日本の混迷期を舞台に駆け抜ける壮大なファンタジー。いま、生命が蘇える!
小さな海辺の町で生まれ育ち、スナック「漁火」で働く美紀には小学生の頃の忘れられない思い出があったー。心に傷を負い東京からやって来た奈美、男に騙され実家に戻った沙耶、2人の子どもを育てるシングルマザーの康代。つましくも明るく暮らす人々の交流と人生の葛藤を描いた物語。
エッセイ、小説、絵画など、さまざまなジャンルで描く、死の淵から生還したからこそ見えてきた未来への希望とは。余命宣告を受け、奇跡的に生還した著者が綴る、明日へ向けた提言の書。残りの人生、どう考え、どう生きるか。
現在の東京・府中市の一角。そこはかつてハケ下と呼ばれ、多摩川が氾濫するたび大変な被害に見舞われていた。ハケ下大野郷の貧農に生まれた伊助と、浅間山の噴火で故郷を追われ流れ着いた志津。いつか豪農になることを夢見、開墾に明け暮れる日々。貧しくとも、家族に囲まれささやかな安穏を掴みかけていたが…。長年に亘り江戸庶民の暮らしを研究してきた著者が、懸命に生きた農民たちの人生模様を鮮明に描き出す意欲作。噴火、洪水、飢饉に疫病ー数多の困難が襲った江戸後期。度々訪れる災難、愛しい者の死。それでも一所懸命に前へ進んだ、名もなき農民たちの尊い暮らしの物語。
決して忘れることはないだろう、一緒に旅したあの日々を。スライムとの友情を描く代表作『Slime Slime Slime』他、記憶を消されて未来から過去に送り込まれてしまう『未来神』、体に神が降臨して教えが脳内に届くようになる『偽りのスフィア』…斬新な世界観で繰り広げられる珠玉の6作品を収録した短編集。王道RPGの世界。
第一志望の大学で充実した日々を送る沢波俊樹。サークルで出会った、一見クールでひときわ美人な春田恵美と、高校時代からの友人で気心の知れた木下和との間で揺れ動く心。そんな彼に、恐ろしい病魔が迫っていたー。青春のときめき、切なさ、葛藤、温かさを爽やかに描いた、感動の純愛小説。
3年前にH県で発生した未解決殺人事件、「冬湖楼事件」。行方不明だった重要参考人・阿部佳奈からH県警にメールが届く。警視庁新宿警察署の刑事・佐江が護衛してくれるなら出頭するというのだ。だがH県警の調べでは、佐江は新宿の極道にとことん嫌われ、暴力団員との撃ち合いが原因で休職中。そんな所轄違いで無頼の中年刑事を、若い女性であるはずの“重参”がなぜ指名したのか?H県警捜査一課の新米刑事・川村に、佐江の行動確認が命じられるー。筋金入りのマル暴・佐江×愚直な新米デカ・川村。シリーズ屈指の異色タッグが炙りだす巨大地方企業の底知れぬ闇。
有料インターネットラジオ『ネットONGAKU』で朗読コーナーを担当するいっ子は、ラジオのネタ探しに奔走する生活を送っていた。不良女子高生グループや未解決事件に関わっていた元警官、ゲイの友人など、ユニークな登場人物たちと繰り広げられるエキサイティングな日々を描いた、感動の傑作短編集。
「フミオ君、あなたは人をほんとうに愛したことがあったのですか」別れたばかりの妻から届いた手紙には、エゴイスティックに生きてきたぼくに問うそんな言葉がしたためられていた。その答えを求めて出かけた京都で、オーケストラの響きのように彼女と過ごした日々が堰をきって溢れ出す。晩夏の古都で交錯する過去と現在。繰り返す出会いと別れ。いまだ愛を知らなかったぼくが、旅の最後に見つけたものとはー。「愛とは何か」を求めて旅立つぼくの、喪失と再生の物語。だれもみな、「愛」を知るために生まれてくる。「愛」、その本質に迫った異色の純愛小説。