出版社 : 幻冬舎
玉川パートナーズ法律事務所に所属する弁護士・一色桜子は、高級住宅街田園調布の一画に居を構える法曹一家の令嬢。幼い頃のトラウマから「濡れ衣を晴らす」ことに人知れず執着している彼女に、殺人事件の弁護の依頼が舞い込む。被疑者との初めての接見で無実を直感した桜子。だが、事件の裏には空恐ろしい真実が隠されていた。新感覚ミステリ!
実力主義の信長家臣団の中でも、明智光秀の出世は異例だった。現代でいうと、五十歳で三菱商事に課長待遇で入社し、三年後には筆頭取締役に昇進するようなものだ。諜報、監視、駆け引き、裏切り…。織田信長と足利義昭ー。二人の主君に同時に仕えた男は、情報、教養、そして、したたかさを武器に、いかにして出世の階段を駆け上がったのか。
「ぼくだけはしっかりしていなければ」。父の事故をきっかけに、両親は別々の神さまを信じはじめ、家族には“当たり前”がなくなった。信じられるのは、一足先に大人になってしまった親友の龍之介だけ。妹のミッコを守ることでなんとか心のバランスを取るけれど、ますます家族は壊れていく。ぼくは自分の“武器”を見つけ、立ち向かうことにしたがー。
母親に連れられて初めて句会に参加した、大学生・桜木杏。俳句といっても、五・七・五で季語を入れればいい、くらいしか知らなかった杏だが、挑戦してみると難しいけど面白い。句会のメンバーも個性豊かな人ばかりで、とりわけ気になるのは爽やかなイケメン・昴さん。四季折々の句会で俳句の奥深さを知るとともに、杏は次第に恋心を募らせて…。
学校から帰宅し、母親に捨てられたと知った小学生の純矢。母の親戚・歌子の家に預けられたがそこはデブ女、無職の中年、67歳の引きこもりや毒親の老婆など、純矢が「生きてる価値ない」と思う大人の吹き溜まりだった。捨て子の自分も同類だと不貞腐れていたある日、「歌子が双子の姉を殺した」と聞き探り始めるが。大人になれない大人たちの感動ミステリ。
様々な理由で実親と暮らせない赤ちゃんが生活する乳児院・双葉ハウス。ここでは子供に専属の担当養育者「マザー」を決め擬似的な親子関係を築き、子供が物心つく前にその関係を終了させる。担当児に深い愛情を注いできた保育士の温子は、最初に担当し我が子同然だった多喜の不幸を感じ…。乳児院とそこで奮闘する保育士を描く、溢れる愛の物語。
権謀術数を駆使して美濃の蝮と恐れられた名将・斎藤道三の孫、龍興は酒と女に溺れて戦嫌い。だが、織田信長に国を追われて流浪するうち、武芸に励み、兵法を学びながら次第に合戦の虜に。何度も信長に挑み、追い詰めていく…。愚将と呼ばれながらも、群雄割拠の時代に魔王に怯まず対峙し、家臣や民を愛し続けた斎藤龍興とは何者か。戦国一代記。
不義を働く鼠小僧・次郎吉を密告し、我こそ真の義賊にならんと誓った伊賀者・百地市郎太。だが鼠を騙る賊が新たに出現、探索に乗り出す。人を殺めた偽鼠の得物から甲賀衆に辿り着くが…。目的は何か。市郎太は天敵の同心・大谷木の疑惑をかわし、賊を追い詰めることができるのか。太平の世における忍びの義と掟を問う、興奮必至の第四弾。
正体不明の大悪党・千住の市蔵は、争闘の場で見たお夏への復讐心を滾らせていた。お夏とて母を殺めた市蔵との決戦は望むところだが、表の顔はあくまでも居酒屋の毒舌女将。同心の濱名茂十郎は、お夏抜きで市蔵捕縛に向かう。正義と悪が激突する白山権現。そこで運命の悪戯ともいうべき事態が判明!お夏の運命は?人気シリーズ、堂々の決着。
島抜けした元博徒・丹次の兄捜しはいよいよ佳境。眼を悪くした兄・佐市郎の居場所へついにたどり着けそうな予感に気が逸る。一方家業の乾物問屋を潰し、親に首を吊らせ、佐市郎を捨てた兄嫁と情夫とは方をつけなければならない。そしてすべてが済んだ時、丹次が下した衝撃の決断ー。兄弟の強い絆に胸締め付けられる、感涙のシリーズ最終巻。
蔦屋重三郎の法要の膳を出すことになった福田屋善四郎。この日に賭けた善四郎の料理は見事に座の賞賛を呼び、大田南畝、山東京伝ら時代の寵児と知己を得る。やがては料理の道で天下が取れるとの南畝の言葉通り「八百善」の名は高まっていく。文政に入り善四郎が著した『料理通』が大評判となる中、遂に店に将軍の御成を告げる使いがやってくる。
「わたしが実はマゾだったら、どうする?」。高潔なフラワーアーティストの妻・貴子から突然告げられ、SM愛好家・綿貫の家に連れていかれた竜平。「奥さんはこういう風にされたかったんだよね」。貴子の股間にきっちり食い込む真っ赤な二本のロープ。目の前で繰り広げられる妻の痴態に、竜平は怒り狂いながらも勃起していたー。圧倒的SM官能。
30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件。死刑がすでに執行済みにもかかわらず、被告の娘が再審を請求した。娘の主張が認められれば、国家は無実の人間を死刑台に追いやったことになる。司法の威信を賭けて再審潰しにかかる検察と、ただひとつの真実を証明しようと奔走する娘と弁護団。「権力vs.個人」の攻防を迫真のリアリティで描く骨太ミステリ小説。
大阪府警の堀内は恐喝がバレて依願退職。民間に拾われるが、暴力団と揉めて刺され、左脚に障害が残る。収入はゼロになり、女には逃げられ…。そんなとき刑事時代の相棒、伊達が二十兆円市場と言われるパチンコ業界にシノギを見つけ、協力を求めてきた。警察、極道との癒着、不正な出玉操作ー業界の闇に、堀内は己の再生も賭けて切り込む。
破綻国家の国債を二束三文で買い叩き、欧米で訴訟を起こし、勝訴判決を受けるや、その国のタンカーや外貨準備、はては人工衛星まで差し押さえ、投資額の十倍、二十倍のリターンをむしり取る「ハイエナ・ファンド」。日本ではほとんど報道されていないその実態や欲望渦巻く国際金融市場の苛烈な闘いを、綿密な取材をもとに描ききった話題作!
ペルー、ザンビア、コンゴ、ギリシャを血祭りに上げたヘッジファンドは、アルゼンチン政府との十五年戦争に突入。一方、国際NGOがファンドによる強奪と権力者の汚職を阻止しようと、先進国や国際機関に働きかける。だが、NGOからも金に窮してヘッジファンドへ転職するメンバーが出現ー。激烈な国際金融バトルを制し、最後に笑うのは誰か!?
金も仕事も住処も失った元エリート・溝端了衛は20年ぶりに故郷に帰る。だがそこは、携帯の電波は圏外、住民は曲者ぞろいの限界集落。地域に溶け込む為、了衛は手を尽くすが、村八分にされ、さらには愛犬が不審死する。追い詰められ考えた乾坤一擲の策は予想外の結末をもたらしー。降り注ぐのは恩寵か厄災か。著者史上最狂ミステリ。
「恩師が跳び降り自殺しないように見張ってほしい」と大学OBの居酒屋店主から頼まれた匠千暁は、現場で待機するも先生を死なせてしまう。老教師の死の理由を追い、真犯人から“悪魔の口上”を引き出す表題作。刑事の実家で二十三年間続く午前三時の心霊現象の謎と隠された真実を解く「無間呪縛」他、読み応えたっぷり、四つの珠玉ミステリ集。
企業交渉人・鶴谷康に舞い込んだ新たな依頼は、横浜市で持ち上がったカジノ(IR)誘致事業への参画を突如取り消されたアミューズメント会社の権利回復。分の悪い仕事を鶴谷は男気で請けるが、政官財と裏社会の利権が複雑に絡み合う交渉は、想像を絶する事態を招いた…。欲望の渦に揉まれる「捌き屋」に活路は!?人気シリーズ最新作!