出版社 : 幻冬舎
武州郷土藩の藩士である須田猛之進は、須田の家に代々伝わる名刀・太刀郷則重の真贋を巡って妻の兄・谷口弥十郎と言い争いとなり、果し合いの末に斬り殺してしまう。私闘を禁じている藩の掟に背いた猛之進は、須田の家が減ぶことを承知で脱藩を余儀なくされ江戸に遁走する。いつ現れるか知れぬ追っ手を待ちながら逃れた江戸で、猛之進は郷則重と共に数奇な運命に翻弄されていくのだった。一振りの太刀を中心にして激しく渦巻く、武士世界の人間模様ー。一瞬の油断が明暗を分ける、真剣勝負!刀剣ファン必読の、歴史エンターテインメント。
戦国史に新たな光を当てる驚きと興奮の歴史ミステリ!!申してみよ、秀吉はいったい誰に毒を盛られたのじゃ?信長・秀吉・家康の囲碁の師として対局を重ねた本因坊算砂。この男だからこそ知り得た豊臣家の秘密と天下人の死の真相ー。
21歳の理子は金銭面で厳しい生活を送ってきたが、ある女性と出会い、人生が好転する。彼女に誘われてラウンジで働き、高い評価を受け、新規の店を任されることになったのだ。充実した暮らしぶりをSNSに投稿する一方で、その飛躍を妬む者も増えていく。百貨店で閑職に追いやられ、しまいには墓穴を掘ってクビになった小島もその一人だ。そんななか、世間では無差別殺人事件が立て続けに起きる。模倣犯なのか。警視庁サイバー犯罪対策課の長峰は一連の事件の奇妙な共通点に気づく。折しも、小島の理子への嫉妬心は殺意に変わっていくー。虚弱体質。群れたくない。ITオタク。刑事らしくない男が社会の暗部を暴く。
いじめっ子といじめられっ子からはじまった、「さいきょうのでこぼこコンビ」。何でも言えた小学時代、言えないことやあえて聞かないことが増えた中学時代。それでも、お互いを思う気持ちは変わらない。きっとこれが「大人になる」ってことなんだろう。学校という小さな世界でもがく少年たちの機微を描いた、淡色の青春群像劇。
両親と病気の妹を故郷に残し、大連の大学に進学した陳丽萍(チンリーピン)は、アルバイト先のクラブで遭遇した日本人に広い世界の魅力を教えられた。やがて彼女は夢の海外国費留学を勝ち取るも、最愛の妹の死と家族の離散とともに理不尽に破綻する。自身の力で生きていくことを決意した丽萍は、大連の小さな旅行会社から、大都会上海で再起を期すー。一人の中国人女性が混沌の時代に立ち向かい、力強く行動する、希望を抱く若者の活劇。
水泳選手としてトップアスリートの仲間入りを果たした愛莉。常時、居場所情報の提供が義務づけられ、制限のある生活を送る。そんな中、F1レーサーである兄がレース中に事故死。操作ミスが原因とされたが、愛莉は違和感を覚える…。「何かがおかしい?」その事故に隠された真相とは…。臨場感溢れる筆致で、驚愕の真相を暴き出す!
キリシタンとして長崎の島原に生まれ育った徳。しかし時代は徳川幕府からのキリシタン弾圧が厳しい非情な世となっていた。このままでは皆殺しにあうー。祖父をはじめ戦う者を残し、故郷を捨て新しい土地・五島を目指して旅立つことを決意する。五島で新たな生活をはじめるも、待っていたのは決して平穏とは呼べない苦難の連続だった…。
ミス大洲・北島恵利子は偶然出会った青木治郎に燃え立つような憧れを抱き、ひと夏のロマンスを過ごす。夢のような思い出と寂しさを胸に日常に戻っていく恵利子だったが、しまなみ海道で何者かの襲撃を受け、拉致されてしまう。救出の指令を受けた青木は、正体不明の組織に立ち向かうー。元海上保安官の著者が描く、ノンストップスペクタクル。
数学教師の弓削は冤罪で捕まり、日本初の西洋式監獄である奈良監獄に収監されていた。ある日、殺人と放火の罪で無期懲役となった印刷工の羽嶋が収監される。羽嶋も自分と同じく冤罪だったことを知った弓削は、彼とともに脱獄をたくらむ。典獄からの嫌がらせ。看守の暴力で亡くなった友人。奈良監獄を作った先輩からの期待。嵐の夜、ついに脱獄を実行するー。人気BL作家が描く、究極の友情。
『闇に香る嘘』『同姓同名』どんでん返しの名手が仕掛ける常識がひっくり返るエンタメミステリ短編集。SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代ニッポン!どんでん返された回数が多ければ多いほどあなたの頭は凝り固まっている!
東京・奥多摩の山中で他殺体が発見された。警視庁捜査一課の樋口班は現場に急行。調べを進めていくと、殺されたのは渋谷署の係員が職質をしたことがある女子高生で、売春の噂があったことが判明する。樋口顕は被害者の友人である美人女子高生と戸外で面会。すると、その様子を撮影した何者かによってインターネット上に写真を流され、同僚やマスコミから、あらぬ疑いをかけられてしまう。秀でた能力があるわけではなく、他人を立てることを優先し、家族も大切にしながら、数々の難事件を解決してきた樋口。謀略を打ち破り、殺人事件の真相に辿り着くことができるのか。女性の貧困、性の商品化、SNSの悪意、親子関係の変質…。現代日本の歪みを照らし出す社会派ミステリーの白眉。
足にハンディキャップを持つ主人公・大人輝男は、亡くなった母ちゃんへの恩返しとして再就職することを決意する。生意気な年下の先輩や子猫のクマ君と出会い、忙しくも充実した日々が始まった。そんな中、憧れの人に似たとある美女に一目惚れしてしまい…?表題作「我輩は清掃人じゃ」ほか、ユーモアあふれる全3編を収録。
定年目前最後の仕事に精を出す土田有三は、ある日、仕事の機密情報が入ったUSBメモリを紛失してしまう。そんな彼のもとに転がり込んできたのは、「“ゴミ仙人”なる人物に依頼すると、数日のうちに失せ物が見つかる」という奇妙な噂。藁にもすがる思いで“ゴミ仙人”のもとに訪れた彼は、そこで信じられない光景を目にするのだった。表題作『塵芥仙人』ほか、計3篇の傑作を収録。
まだ日本が貧しかったころ、小学三年生の慎ちゃんはカリブ海に浮かぶドミニカ共和国に家族で引っ越すことになります。一カ月の船旅を経てたどり着いたのは、にぎやかで自然豊かな島。日本では食べられない珍しいフルーツがあったり、青空の下でドラム缶風呂に入ったり、沼地にある浮島に向かって友達と釣りにでかけたり。ドミニカでの“あたり前”は、慎ちゃんにとって驚きと発見の連続でドキドキが止まりません。しかし、革命によって笑顔あふれる毎日にもお別れするときがきて…。“カリブの楽園”ドミニカでのちょっと変わった、一生忘れられない冒険物語。
神奈川県警のエース・佐伯が挑むのは、警察全体を揺るがす未曾有の組織改変!しかしその裏には、あらゆる思惑が複雑に交錯していたのだったー。巨大組織を舞台に繰り広げられる裏切りの連続から目が離せない、スリリングな警察小説。最後に信じられるのは誰か?
古狸が居心地のいい世界に、明るい未来はない。僕は必ず、新しいカタチの医局を作る!実績よりも派閥が重要?SNSをやる医師は嫌われる?教授選に参戦して初めて知った、大学病院のカオスな裏側。悪意の炎の中で確かに感じる、顔の見えない古参の教授陣の思惑。「医局というチームで大きな仕事がしたい。そして患者さんに希望を」-その一心で、教授になろうと決めた皮膚科医が、“白い巨塔”の悪意に翻弄されながらも、医療への純粋な情熱を捨てず、教授選に立ち向かう!現役大学病院教授が書いた、“ほぼほぼ実話!?”の教授選奮闘物語。
商社に勤める結城隼は、ロンドンへの勤務を命じられる。東京での最後の出社日、送別会もなくまっすぐ家に帰るとドアの前でひとりの少女が待っていた。中学卒業以来一度も会っていない、幼馴染の娘だった。彼女の頼みは、行方不明になった母親を探すこと。タイムリミットは、ロンドンへ旅立つまでの五日間。結城は少女と共に、故郷である神戸に向かうがー。「ある罪」によって繋がった仲間たちを描いた、慟哭の長編ミステリー。
たったひとりのスタンドオフ、足立による部員集めから始まった大磯東高校ラグビー部。湘南の青空の下、15人は花園につながるグラウンドに胸を張って立つー。あの青春の背景には、一人ひとりの物語があった。ときに躓きながらも、自分と向き合い仲間と心を通わせた煌きのような日々をそれぞれの視点で振り返る、モノローグ型小説。