出版社 : 幻冬舎
天界へと繋がる不思議な力を授かった青年・征一。人智を超越した存在との邂逅、そして彼らとの対話を経て、この世の起源に通ずる“物語”を目の当たりにする。新進気鋭の作家が贈る、ロマンあふれる異世界ファンタジー小説。
真由子は、テレビで見た、イケメンがマッサージをしてくれる店に予約の電話を入れた。都心のデザイナーズマンション302号室の扉を開ける。それが、イケメン花川流星との濃密な関係の始まりだった…。
喜寿を迎えた雪夫は、押し入れの整理をきっかけにこれまでの人生を回想する。青春時代の別れ、伴侶との出会い、そして現在に続く負い目ー。歳月を重ねてもなお色褪せない思いを綴った自伝的小説。
慶応四年。鳥羽伏見の戦いで幕府軍を破った新政府軍が江戸に迫る。多くの町人も交えて結成された彰義隊は上野寛永寺に立て籠るが、最新兵器を駆使する新政府軍にわずか半日で敗北ー。なぜ、名もなき彼らは、無謀な戦いに身を投じたのか。臆病者の武士・小山勝美ら、若き彰義隊隊士の葛藤と非業の運命を情感豊かな筆致で描き出す、傑作歴史小説。
「あたしは、肌馬そのものだったねえ」。自らを繁殖牝馬になぞらえた呟きをきっかけにこぼれ出す、母娘三代の密やかな本音を綴った表題作「肌馬の系譜」。数々の言葉を禁句にし、男女のベッドの中にまで持ちこまれるPC(ポリティカル・コレクトネス)に女流作家・山川英々が憤慨する「F××K PC」。歌舞伎町に流れ着いたホストと立ちんぼ、身元不明匿名カップルの破滅的な青春「ジョン&ジェーン」など、…バラエティに富んだ十三篇を収録!!
民族楽器の幽玄なる響きと、施しを求める物乞いの声。したたかで逞しい現地の人々と、色濃く残る階級意識。悠久の地を揺蕩う、青く澄んだガンジス川。剥き出しのインドを舞台に描き出す、優しく強靱なヒューマンドラマ。
大学進学を機に群馬から上京したばかりの門田暖平は一人、新品のこたつを亀の甲羅のように背負い佇んでいた。配送料が払えず自力で下宿に持ち帰ろうと思ったが、帰宅ラッシュで電車に乗り込むことができない…。途方に暮れる暖平の前に、一台のバンが止まる。乗っていたのは、入学式の日、構内で落語を演っていた落語研究会の部長・忽那碧だった。落研に誘われるが、金もなく、コミュニケーションにも自信がなく、四年間バイト中心で過ごすつもりだと語る暖平。だが、「必要なのは扇子一本。あとは座布団さえあればどこでもできる」という碧の言葉に背中を押され、暖平の人生が大きく動き出すー。
12月の北海道。中学2年の少女・沙耶は、自分を日常的に虐待する両親が、明日の晩、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが下校途中、「児童相談所の職員」を名乗る男・渡辺の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下のやりとりで男にやさしさを感じ、あることから彼女は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であるとの犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。渡辺とは一体、誰で、何が目的なのか?
高校卒業後、当てもなく出てきた都会で恋人と暮らす爽香。就職活動を終え、学生最後の夏休みを前に友人たちと他愛もない日常を送る国生。カジノバーで働きながら、童話作家を目指して執筆に没頭する世理。全く違う世界で生きていた彼らが、運命に導かれて辿り着いた場所とは…。生きとし生けるすべての者に捧げる、脆くて強い愛の物語。
AIアシスタント・ヌガーは、人類を救う世紀の大発明。になるはずだったーwikipedia型小説という斬新な形式で、人工知能が発達した先の“ありえるかもしれない未来”を描いた、禁断のSF作品。
売れない小説家・神野あすみの前に現れた美形の男。その男は、人間の魂を代償に何でもひとつ、願いを叶えてくれる悪魔だという。契約を結び小説家として名を揚げていくあすみだが、いつの間にか小説の題材にした記憶を失っていてー。人ならざるものとの禁断の契約二件を収録。
大学生のあたし・あやがバイトしている中華料理店「久松」に、毎日六時に現れるイケメン・メグ先生。彼はご近所の動物病院の院長で、ドッグランもあるマンションのオーナーさん!学生時代の仲間と理想の動物病院をつくることを目指してずっと頑張ってるんだって。病院のスタッフさん達、幼なじみやご近所さん、あたしはみんなと仲良くなって、先生のお話をたくさん聞くことになった。夢を実現させながら、周りの人もどんどん巻き込んで、そしてみんなから感謝されちゃう先生はホントに凄い!恋人の朱美さんとも良い関係みたいだけど、なんだか最近ちょっと変…?
イギリス・モダニズム文学の代表作家“ヴァージニア・ウルフ”による長編小説「波」。男女6人の独白を通して、それぞれの記憶を巡ると共にたどり着く、不思議な感覚とはー。代表的訳者3人との翻訳比較も収録!
平安末期は、戦争、疫病、飢饉、大地震、大火災が打ち続く時代だった。貴族の世から武者の世へ。崇徳院と後白河院、平清盛と源頼朝。これは、激動の時代を、ひたすら月と花の美しさを歌い上げ、風のように自由に生き抜いた一人の男の物語。
壮絶な生い立ちを乗り越え、仕事も私生活も順風満帆にあった沙織。その矢先、婚約者の駿がバイク事故で死んだー。突然の喪失に取り乱す沙織を支えたのは、彼女と年の離れた夫婦・由理子と繁だった。生きることの意味、そして血縁を超えた「家族」の絆とは。温かく不思議な関係の3人が織りなす、慈愛に満ちたヒューマンドラマ小説。