出版社 : 幻冬舎
フリーターの私が影武者に!?平々凡々な正二は、双子の兄の病気を隠すため「村長代理」を頼まれた。村人たちの精神的支柱である“正一”として彼らとふれあううちに、この村のぬくもりに自分も魅了されていく。嘘の先で明かされる、おどろくべき秘密とはー。家族、隣人、恋人。大切な人たちとの絆を描いた、3つの物語。
“正しい”が揺れ動いたこの3年間。あなたはどう感じ、どう行動しましたか?コロナ禍、SNSで不用意な発言をした2.5次元俳優・翔馬。“M”と名乗り彼を「アゲる」記事を書いていた平凡なこたつライター・真生は、その発言を捉えて彼を「叩く」方へ転じる。ファンの反発により“M”は炎上。しかし程なく流れは変わり、コロナに危機感を抱く世間が一斉に翔馬を叩き始め、スターは“殺された”。高揚感が抑えられない真生だったが、以前から“M”の正体が真生だと知る何者かに、自宅を晒される、怪文書が届けられるなど嫌がらせを受けていた。半同棲の恋人・春希と共にその犯人を突き止めようとするが、浮かび上がったのは意外な人物だった…!時代の気分を大きく左右したコロナ禍の大衆心理を生々しく炙り出す、一気読みサスペンス!
さあ、「のぼれる灯台」をめぐる旅へ。全国に16基ある「のぼれる灯台」、参観灯台。すべてをコンプリートする計画を立てたふたりの渚を待つのは、津々浦々の絶景、名物、そしてキラキラ輝く水平線。読めば旅に出たくなる、爽快ノンストップストーリー。国内旅行のモデルコースとしても!
宇野龍平は、二度目の心臓発作を起こし、病院での生活を余儀なくされた。お見舞いにきたのは、四人の子供とその伴侶と孫十人。「この子らにオレが残せることはあるやろか」夢破れ、挫折を味わいながらもたくさんの人に助けられてきた経験が、この子たちの行く先の光になるかもしれないーそう思いついた龍平は、自分の人生を語り始める。孫たちへ、そして未来を生きるすべての若者へ伝える、人生で本当に大切なこと。
動物は、限りある生命をもって私たちに今という時間の大切さを教えてくれる。ときに励まし、慰め、自分を見つめなおすきっかけを与えてくれる動物たちとともに生きた一人の少年の物語。
夫のDVを逃れ、七歳の娘を育てるシングルマザーの貴代に届いた、滞納家賃の督促状。強制退去まで、あと十日!?親戚にも街金にも借金を断られた彼女がすがったのは、SNS上で客を集める個人間融資の「ソフト闇金」だった。やけに親切に返済を猶予し、子育ての相談にも乗ってくれる、「未奈美」と名乗る見知らぬ貸主。その優しさとは裏腹に、貴代の借金は雪だるま式に増えていく。ひとたびネットの暗闇を彷徨えば、二度と元には戻れない…。
売れない脚本家・三林草生介は、人気大物監督に頼まれ、内田裕也・樹木希林夫妻を主人公にしたホームドラマの脚本を書くことになった。執筆は難渋。なんとか書き上げるも監督からはダメ出しが。失意の底に沈み街中をさまよう草生介がたどりついたのは、希林の旧宅。誰もいないはずの家からは、なんと希林が現れる。「あんたが私たちのホームドラマを書くのに協力してあげる。代わりに手伝ってほしいことがあるの」その日から、希林と草生介の不思議な共同生活が始まったー。
後輩へのパワハラ&約7億円の投資トラブル…お笑い芸人「TKO」とは何者なのか?ネットニュースの見出しで彼らを理解した気になるのは、もったいない。1987年、大阪の大東市。地元で人気者だったヤンチャな少年、木本と木下は、ダウンタウンのライブを目にする。地を揺らす衝撃。鼓膜を破りそうな歓声。「カッコええなぁ…」。彼らは芸人になることを決意し、松竹芸能へ入所する。しかし、待っていたのは、鳴かず飛ばずの日々。『よゐこ』『千原兄弟』など天才たちに打ちのめされ、一念発起し東京進出を目指すも、住処がなく、公園でダンボールを敷いて寝る始末。しかし諦めず芸を磨き、ついに『爆笑レッドカーペット』でブレイク。やっと花開いたかと思ったが、木下が「ペットボトル事件」を起こし松竹芸能を退社。そして、木本も…。失敗したことのある、すべての人へ。新たな「芸人小説」の誕生。
昭和38年、農業高校を卒業して大学進学するも、生き方を模索し静岡から上京した一人の若者がいた。様々な人との出会いや仕事を経験しながら自問自答を繰り返し、遂に医師になる決意をする。晩年になっても夢を追うことを諦めなかった男の生涯を描いた成長記。
転校生の里香は、クラスで浮いていた彩名と仲良くなるが、徐々に彼女の束縛がエスカレートする。彩名の親友が事故死したことを知った里香が死の詳細を探るうち、「あの子を殺したのはわたしなんだ」と彩名に告白される。それを境に、里香の持ち物がなくなったり、机に花瓶が置かれたり、不穏な出来事が続く。「あの子の時と同じだ」と噂するクラスメイト達。なぜ彩名は里香を追い詰めるのだろうかー。
医師国家試験に合格し、野呂は金沢のまほろば診療所に戻ってきた。娘の手を借りず一人で人生を全うしたい母。母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。末期癌の技能実習生。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。…それぞれの家庭の事情に寄り添おうとするけれど、不甲斐ない思いをするばかりの野呂には、介護していた祖母を最後に“見放してしまった”という後悔があった。
小川遥香、16歳。3歳で母に捨てられた彼女は、育ての親である祖母も亡くし、正真正銘のひとりぼっちだ。そんな彼女が出会ったのが走馬灯を描く旅をアテンドする“ブレーメン・ツアーズ”。遥香はお調子者の幼なじみ、ナンユウとともにその仕事を手伝うことに。認知症を患った老婦人が、息子に絶対に言えなかった秘密。ナンユウの父が秘めていた、早世した息子への思い。さまざまな思い出を見た彼女は、人の記憶の奥深さを知る。そんな折、自分を捨てた母から「会いたい」と連絡が来るのだが…。
施設育ちの賢太郎が脳腫瘍と診断され、女医の遙香と出会う。通院を繰り返すうちに賢太郎と遙香はお互い惹かれ合う存在に。一方で、遙香には誰にも相談できない家族の秘密があった。打ち明けられた賢太郎にも遙香との間に予期せぬ事実が発覚。DNA鑑定によって、それぞれの思いが交錯する中で、2人の運命を大きく変える衝撃の事実が明らかになる。
東京都久慈見町で幻の高級ワイン「クジミ」を飲んだ11人が死亡。居合わせたマヤの相棒・代官山も意識不明の重体に。ワインには新型の農薬が混入されていた。マヤは愛する(?)代官山を奪われた怨念を胸に、ドラマかぶれの熱血刑事・天神弥太郎と共に捜査に乗り出す。果たしてこれは無差別殺人か怨恨か。大人気ユーモアミステリー、待望の最新刊!
少ない降水量にもかかわらず、雨により埼玉県の黒部山で土砂崩れが発生した。一人が行方不明になるなか、瓦礫からは不法投棄された産業廃棄物が大量に発見される。県警は事件と判断、捜査一課の奈良健市も捜査に加わる。捜査本部は崩落発生地の所有者特定に着手。すると、意外な人物の名があがった。それは迷宮入りさせてしまった十六年前の殺人事件で、奈良が犯人だと確信し、逮捕直前まで迫った因縁の相手なのだが…。産廃の闇に消えた二つの命。遺族と向き合う刑事が執念の捜査で掴むのは真実?冤罪?警察小説のヒットメーカーが満を持して放つ、傑作ヒューマンミステリー!
病に冒されながらもピアノを弾き続けた妻がこの世を去った。シューマンの楽譜の間に短くもあたたかい手紙を残してー。無慈悲な現実の中、明るく生きた家族の物語。第25回日本自費出版文化賞入選、話題作が文庫化。