出版社 : 徳間書店
賢い姉、愛らしい妹に比べて自分には何もない。夢を持てず、鹿水真瑠子は毎日をなんとなく過ごしていた。そんなある日、バイト先の掲示板で不思議な貼り紙を目にする。「磁力と健康セミナー・無料開催」。それは地獄への扉だったー。認めてほしい。ただその一心で始めただけなのに、どうしてこんなことになってしまったのだろう。マルチ商法にハマった女性の“乱高下人生”をリアルに描く、ノンストップサスペンス!
三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞め移動手段のないお年寄りの病院送迎や雑用をする「しごと」をはじめる。他人に関心がないのは、相手のことをわかった気になりたくないからじゃない?文芸界の注目著者が「めんどうな人」の機微を描く!
事件現場で収集した情報を解析・プロファイリングし、解決へと導く機動分析係。森口泉は機動分析係を志望していたが実技試験に失敗。しかし、係長・黒瀬の強い推薦により、無事配属されることになった。鍛えて習得した優れた記憶力を買われたものだったが、特別扱い「スペカン」だとメンバーからは揶揄されてしまう。自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導くー。泉は早速当て逃げ事件の捜査を始める。そんな折、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚した。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者による線が濃厚で、やがて殺人事件へと発展してしまう…。気鋭の作家が贈るノンストップ警察ミステリー。
元特捜検事・宗光彬。高度な法律関連事案の解決を請け負う彼は、裏社会で「非弁護人」と呼ばれる。ふとした経緯で、パキスタン人少年から「いなくなったクラスメイトを捜して欲しい」という依頼を受けた。失踪した少女とその家族の行方を追ううちに、底辺の元ヤクザ達とその家族を食い物にする男の存在を知る。おびただしい数の失踪者達の末路はあまりに悲惨なものだったー。非道極まる“ヤクザ喰い”を、法の名の下に裁く!!
従業員八百人の早川興業を一代で築き上げた早川卓次は、自宅の庭に蒸気機関車を一両飾るほどの熱烈なSLファンでもあった。早川は愛人で女優の榊由美子と二人で、小樽発九時五十一分の倶知安行き特別列車「C62ニセコ」に乗車した。乗車中の時刻、札幌のホテルで早川の妻が絞殺され、早川は鉄壁のアリバイを主張する。ところが、それを証言するはずの由美子が東京のTV局で殺害されたのだ…!?(「C62ニセコ」殺人事件)他、「十津川警部の標的」「十津川警部 みちのくで苦悩する」の名作三篇を収録!
母と父代わりの伯父に会わせるため、初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。だが時間になっても現れず、彼はそのまま姿を消した。光一は限界集落をテーマにしたフォトエッセイを連載しており、ふたりは結婚後、地方移住の計画を立てていた。自宅のPCに転送された写真を手がかりに、光一の妹・美彩と足取りを追う途中、希美は光一の元交際相手・優子も失踪していることを知る。二人は一緒なのかー?悲しみと怒りを抱えつつ婚約者の足跡を追う女性がたどり着いた衝撃の真相!『白砂』の乱歩賞作家が放つ書下し社会派サスペンス。
「夢の田舎暮らし」を求めて父が突然会社を辞めた。いじめにあい登校できなくなった小学五年生の雪乃は、父とともに曾祖父母が住む長野で暮らし始める。仕事を諦めたくない母は東京に残ることになった。胸いっぱいに苦しさを抱えていても、雪乃は思いを吐き出すことができない。そんな雪乃の凍った心を溶かしてくれたのは、長野の大自然、地元の人々、同級生大輝との出会いだったー。ほんとうの自分を受け容れてくれる場所。そこを見つけるため、今いる場所に別れを告げるのは、決して逃げではない。居場所探しの物語。
万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人。どれが一番長く刑務所に入れるの?老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚もせず、76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。唯一の家族であり親友だったのに…。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。絶望を抱えながら過ごしていたある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ!光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。
一人暮らしのベランダに突然、真っ白な鳩がきた。怪我をしているらしく、飛び立つ気配もない。小森椿は仕方なく面倒をみることにする。白鳩に愛着がわいてきた数日後ー。帰宅途中、謎の男に奇妙な宣告を受けた。「お前は俺の次の『鳩護』になるんだ」鳩を護ることを宿命づけられた者。それが鳩護だという。なにその宿命?どうして私が?混乱する椿をよそに、白鳩は椿の日常を否応なく浸食していく!
ある日起きると、祖父がフンボルトペンギンになっていた。この異常な事態をなぜかすんなり受け入れた柊也は、ペンギンを祖父として世話をすることにする。身寄りはなく、その上引きこもりの柊也。誰にも相談できないまま、一人と一匹の閉じられた世界は平穏に続いて行くかに思われた。しかし、一人の少女との出会いをきっかけに、柊也の日常にさらなる亀裂が入り始めた。
北村彩芽は不動産会社の街づくりプロジェクト担当。出産後すぐに職場復帰するはずが、まだ保育園が見つからない!思わずSNSで呟いた#保育園落ちた人この指止まれに、ママたちの苦悩がたくさん寄せられた。そのオフ会で知り合った2人に彩芽は目をつける。シングルマザーで経理ができる沢村敦子。子をあやすのが上手な江上梨乃。彼女たちの能力を見抜き、彩芽は一念発起する。「保育園つくっちゃいませんか?」動揺する2人をよそに、実現に向けて彩芽は突き進むがー。保育園に落ちた仲間同士の人生をかけたプロジェクトがはじまった。ママたちの奮闘物語。
“オカヤド×折口良乃”モン娘界における夢のコラボレーションで贈る「モンスター娘のいる日常」初のノベライズ化!!ミーア・セントレア・パピ・メロ・スー・ラクネラ・ララ・来栖家の留学生だけでなく、MONのみんな、おなじみのモン娘と一緒にお仕事をすることに!!!モンスター娘たちのお祭り騒ぎな日常がノベルでもはじまります。
小さな子供に何度も後をつけられ気持ち悪い、という通報が松本署にあった。道原伝吉が事情を聞いたところ、その子供は古谷智則五歳と判明。母親古谷未砂子との二人暮らしだが、母親は一週間以上行方がわからないという。やがて諏訪湖畔で自殺を装った他殺体で母親が発見される!しかも親子の自宅から現金一億五千万円が見つかり捜査本部は色めき立った!捜査が進むにつれ、その大金は離婚に際して資産家の夫とその両親から受け取ったものと判明するが…。謎が謎を呼ぶ会心の書下し長篇旅情ミステリー。
難民問題が深刻化する近未来の日本。受け入れ派と排斥派が対立するなか、教育施設から脱走した難民集団『モグラ』によるテロ行為が頻発していた。警視庁公安五課の東郷は、一カ月後に控えたG20でドイツ首相の暗殺が企てられているという情報を掴む。暗殺計画の首謀者・村瀬は暗殺者を雇ったというが、年齢、国籍、性別、すべて謎に包まれていた。その頃、資金繰りに苦しむ会社経営者・香椎のもとに一本の電話が入る。香椎が元自衛官で、ソマリアで傭兵として暗躍していた過去を知っていた相手は、ある提案を持ちかける。東郷、香椎、謎の暗殺者ーそれぞれの思惑が交錯し、死闘が始まった!!生と死を裁くヴァルキリーは誰に微笑むのか。衝撃のサスペンス。書下し。
旅行誌「旅の話」の編集部員・香月修の殴殺体が発見された。怨恨、物盗りの可能性はなさそうだという。警視庁の十津川警部らの捜査が進むにつれ、香月が取材を進めていた“山手線一周の旅”で撮影した写真がなくなっていることが判明。犯人にとって不都合なものがその写真に写っていたのではないかと考えられたのだが、事件は予想外の展開を…!?「山手線五・八キロの証言」他、「午前九時の目撃者」「愛と殺意の中央本線」「L特急踊り子号殺人事件」の傑作四篇を収録!