出版社 : 徳間書店
「孫を助けてくれ!」泥棒の下見をしていた今野淳一のもとに、突然老人が現れた。その老人とは、かつての同業者・草野広吉だった。高校生の孫娘が来日中のN国大統領を狙撃した犯人として捕まってしまったのだという。妻であり刑事の真弓に確かめてもらうと、祖父が元泥棒で前科持ちということで、警察は充分な捜査をせず孫娘を逮捕したらしい。調べ始めた淳一と真弓は、裏社会に渦巻く黒い思惑に気付いてー!?人気シリーズ「夫は泥棒、妻は刑事」最新刊は、政治・マスコミの悪を炙り出す!
厳格な法の運用ゆえに「無罪病判事」と呼ばれた嘉瀬清一は、結審直後に法廷で倒れてしまう。宣告されていたために有効とされた判決は、逆転無罪。無罪判決は死も同然である検察界。担当検事の大神護は打ちひしがれる。有罪率99.7%の日本でなぜ今!その後、この事件で無罪放免となった看護師が殺されたと知り、大神は嘉瀬のもとを訪れるが、嘉瀬は老人ホームにおり、会話もままならない状態となっていて…。あの判決に何があったのか。“法”は救いか縛りか。
2019年夏に放送された『胡蝶綺ー若き信長ー』のスピンオフ小説!儚き蝶が語る、若き信長の素顔とは?戦国の世を駆け抜けた、織田信長。池田恒興、帰蝶、織田信勝を中心に、幼き日の信長と彼らが紡ぎ出す新たな戦国絵巻!
唐沢龍二は、恋人の吉村久美子に誘われて大学の奇妙な会に入る。会の名は「グループ・アノニマス」。一見映画論を語っているようでいて、唐沢の理系の知識を利用して爆弾テロを目論む活動組織のようだった。怪しげなアノニマスから距離を取る唐沢はやがて久美子と破局し疎遠となる。1年後の1998年。東京都西神田のビルで自爆テロが発生した。死亡者でもある実行犯は久美子だという。アノニマスのリーダー・ハンクスこそが真の実行犯で、久美子は利用されただけだと唐沢は気付くが、いち大学生に地下に潜ったハンクスを捕まえることは容易ではなかった。やがて、警視庁公安部の捜査官から唐沢に声がかかる。地下に潜った組織壊滅のための切り札として、公安捜査官にならないかというのだ。公安捜査官となった唐沢だったが、アノニマスのスパイという風評や、危うい捜査はいくつもの敵をつくってしまい…。警察小説の旗手が放つ公安物語!
聖女に選ばれた幼なじみのマガリを厄介払いできたものの、聖剣(魔剣)の処分ができず、正式に“聖剣使い”として任命されてしまったアリスター。どうにか面倒ごとを避けるため、引きこもり生活を送っていたのだが、突然の勅命により聖女の巡礼に同行するはめに。しかも、訪問先の村で出会った人魚の少女ノエルには「最近人魚が行方不明になっているけど…僕を攫う気!?」と誘拐犯に間違われてしまう。『マガリ&聖剣(魔剣)』二人との旅だけでなく、更なるトラブルの予感に不満を抱くアリスターであったが…。“命”の次に大切な、譲れない、守りたい“外面”の為、クズな勇者と聖女が大活躍のドタバタコメディ冒険譚、第二幕!?
後藤ゆみと名乗る女が伊豆・河津七滝のK旅館に宿泊した。二か月前、同じ旅館に泊まっていた同姓同名の後藤ゆみが七滝のひとつ蛇滝で死んでいたのだ。そして今度は、釜滝で男の射殺体が発見される!?その男が東京で起きた連続殺人事件の容疑者であることが判明し、十津川警部と亀井刑事が河津を訪れる。やがて旧天城トンネルで第三の殺人事件が…。後藤ゆみの正体は?(「河津・天城連続殺人事件」)ほか、「北陸の海に消えた女」「L特急やくも殺人事件」「阿蘇で死んだ刑事」の傑作四篇を収録。
石高わずか五千石の小藩・喜連川藩は、なぜ十万石の大名同様の扱いを受けたのか。その裏には、名門足利氏の血を引くふたりの姫君の存在があったー。小弓公方の家に生まれ、美しく武芸にも優れた嶋子は秀吉の側室となりお家再興を願う。父の逝去を受けわずか九歳で古河公方の家督を継いだ氏姫は嶋子の弟、足利国朝に嫁ぐ。豊臣秀吉による関東・奥州仕置、関ヶ原の戦いに勝った家康の幕藩体制強化。ふたつの大きな危機を乗り越え、小藩存続に尽力したふたりの姫の戦いを描く。
生活に不満はないけど、不安はある。家事手伝いの岩居久澄は、心のどこかに鬱屈を抱えながら日々を過ごしていた。そんな彼女に奇妙なバイトが舞い込んだ。祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。ただそれだけで一回五千円もらえるという。二つ返事で了承した久澄は、初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。歌舞伎、オペラ、演劇…。どれも楽しい。けれど、久澄には疑問があった。劇場でいつも会う親切な老紳士。あの人っていったい何者…?
本名、年齢不詳。凄腕のボディガード・キリは、ニュージーランド在住のフィッシングガイド、トマス・リーから警護を依頼された。指定されたホテルに到着すると、頭上で爆発音が起こった。現場はリーと待ち合わせた二階レストラン。目の前で依頼人が爆死したのだ。そこへ大物フィクサー・睦月が現れ、リーの死の真相について調査を依頼される。リーの正体はかつて睦月のパートナーだった増本貢介で、生前「自分は呪われている」と話していたという。増本は呪殺されたのか!?ノンストップ・ハードボイルド“ボディガード・キリ”シリーズ第二弾!
数多の戦場を駆け抜け“死に狂い”と恐れられたユキムラ・クジョウは、故郷の命により聖剣の勇者一行の魔王討伐に参加させられていた。そんなある日、魔王の軍勢を退けたところで勇者から突如としてクビを宣告されてしまう。しかし、懲りずに「さっさと大将首でも取るか」と考えたユキムラは、どこか間違った思いのまま魔王城へ単身殴り込み、勝手に魔王を討ち滅ぼしてしまった!?そして、使命を果した彼は故郷に戻らず、自由な生活を謳歌しようとするのだが…。“死に狂い”に平和など似合わない、魔王が消えた世界で新たな脅威を“斬り”拓く!
天橋立近くの浜で男の溺死体が発見された。右横腹に古い銃創、顔には整形手術のあとが残されており、死の数日前、若狭湾冠島周辺の海面をドローンで撮影する姿が目撃されていた…。そんな折り、十津川警部が舞鶴警察署を訪れる。東京月島で五年前に起きた銃撃事件に、溺死した男が関わっていた可能性があるという。捜査が進むにつれ、昭和二十年八月、オランダ女王の財宝などを積載した第二氷川丸が若狭湾で自沈した事実が判明し、その財宝にかかわる謎の団体の存在に行き当たったのだが…!?長篇ミステリー。
遠州白須賀宿に愛しいきぬを残し、加賀百万石の城下・金沢へ隠密の旅に出た佐久間音次郎。だが、金沢で落ち合うはずの公儀お庭番・村垣重秀は、何者かに捕らわれたという。北の大藩で何が起きているというのか。一方、お庭番の詮索を嫌い亡き者にしようと江戸表から放たれた二人の男が、音次郎たちに迫り来る…。実戦剣法東軍流の剣客が愛刀・左近国綱を手に悪を斬る!
井戸警部の夢の中に、六年前に自殺した身元不明の女性が現れた。その直後に起きた殺人事件の被害者は、夢に出てきた女性にそっくりだった(「死者は瓜二つ」)。直美は、何度も自殺を繰り返すが、偶然に救われていた。そんなとき、彼女の娘がひき逃げに遭い、死亡する。捜査に乗り出した久我山署の刑事たちは…(「死にたがる女」)。長年の経験を活かした刑事たちの推理が冴える傑作五篇。