出版社 : 徳間書店
腕は確かだが難物ばかりが揃う浅草東署。その署で任に当たる新海悟には、二人の親友がいる。テキ屋・瀬川藤太と政治家秘書・坂崎和馬だ。ある日、新海が「三度目の、正直」の言葉と共に撃たれた。犯人を追って奔走する瀬川と坂崎だったが、それぞれにヤクザの跡目、政治家として出馬という人生の選択が訪れる。そして、その選択が友を救う障壁となり…。シリーズ第三弾!書下し。
殺し屋に家族を殺され、独り生き残った少女は復讐を誓う。犯人にたどり着く手がかりはタンゴとシェイクスピア。東京とブエノスアイレスを舞台に、“ロミオ”と“ハムレット”の壮絶な闘いが幕を開ける。アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた復讐劇はどこへ向かうのか?タンゴのリズムに乗せて破滅へとひた走る、切なく痛ましい殺し屋たちの宿命。圧巻のノンストップ・ノワール。
この世には勝者と敗者しかいない。あらゆる策を弄して自分は勝者になるー幼時に両親を失いアルバイト生活を送る早川吾郎は、新聞・テレビ界を牛耳る“マスコミの帝王”五味大造を叩き潰すことを決意する。手始めに五味の愛娘・奈美子に近付き、背後にうごめく疑惑を探ることに。手を変え品を変えて五味を罠にかける早川、反撃に転じる五味。手に汗握る死闘の行方は!謎とサスペンス満載の傑作長篇!初期代表作!
辻斬りまがいの所業を繰り返している同心がいる!?南町奉行所に投げ文が届いた。笠井半蔵は、旧知の内与力から依頼を受け、真相を探ることに。果たして、同心の目的とは?愛妻の制止を振り切り、事件に深入りする半蔵の前に強敵・三村兄弟が立ちはだかるー。一方、矢部定謙のもとには南町奉行の座を虎視眈々と狙う悪しき影が忍び寄っていた。時代剣戟の好評シリーズ第五弾。
HOW=不可能な謎専門の御殿場倒理。WHY=不可解な謎専門の片無氷雨。密室事件と思いきや壁には巨大な穴が開けられていた。犯人の目的とは?(「穴の開いた密室」)トンネルに入った女子高生が忽然と姿を消した。彼女は一体どこへ?(「消える少女追う少女」)など全6篇収録。俺たちには、まだ解いていない不可能で不可解な謎がある。
人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻まれコンクリート詰めにされ埋められた。血を分けた娘と、その恋人によって…。その残虐性から世間を震撼させた『文京区両親強盗殺人事件』から18年後。事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の真実とは!?極上のイヤミス長篇。
三年半ぶりに日本の地を踏んだ復員兵の貝塚透馬は、衝撃の事実を知らされる。空襲を逃れ軽井沢の山荘に疎開していた両親が、ピストルを持った強盗に撃ち殺されたというのだ。犯人は未だ捕まっておらず、遺体の第一発見者であるメイドの八重は事件後、姿を消した。両親を殺したのは誰なのか。東京で八重の捜索を開始した透馬だったが、フランス留学時代の旧友、恵理子に再会したことで思わぬ事態に巻き込まれていくー。事件の裏に見え隠れする、ナチスの隠し財産をめぐる恐るべき国際謀略とは!?
戦国の覇者にして、第六天魔王とまで呼ばれるほどの苛烈な武将として恐れられた織田信長。尾張は、周囲を強大な勢力に囲まれ、いつ呑み込まれてもおかしくはない。それどころか国内も四分五裂。父・信秀の急逝で若くして継いだ織田弾正忠家の家督は、弟・信勝との諍いが起きるなど内憂外官の様を呈していた。そんな中で信長は、戦国の生き地獄をなんとしてもつくりかえるという熱き理想に燃え、常識にとらわれず、既得権益をものともしない領国経営を目指すゆえに「大うつけ」と呼ばれる。破天荒な言動は、自分がつくりあげたい理想の世の中=奪わず、殺し合わなくてもよい世の中「天下静謐」を実現するためだった。熱血の信長の若き日々。長篇戦国歴史ロマンここに登場!
「…しん、おう…まる、盗まれた、んです」。事件を科学的に解明すべく設けられた行動科学課に、真夜中にかかって来た一本の電話。悪戯の可能性を疑うが、何かが引っかかる。同日、死体が雑居ビルで見つかった。電話との関連性はー。美人検屍官・一柳清香、ジオラマで現場を再現する3D捜査官・浦島孝太郎、声から犯人像を絞り込む音解捜査官・日高利久が美にとり憑かれた者に挑む!
「旅と歴史」の依頼で長野県中野市に向かったフリーカメラマンの小内美由紀は、自分と同じ姓に魅かれて、小内八幡神社を訪れる。そこで、全国の八幡社に参っているという飯島老人と知り合い、別れ際、奇妙な言葉をかけられる。その一か月後、飯島の死体が秋田県・竹嶋潟で発見されたのだ!?被害者が浅見光彦の姪・智美の担任教師の父親であったことから、浅見が事件にかかわることに…。
秋田で殺された飯島老人は、なぜ各地の八幡神社を巡っていたのか?浅見光彦は秋田、広島、兵庫、熊本と老人の軌跡を追い、その半生と決して癒えることのない戦争の傷痕を知る。一方、美由紀の婚約者で高知に赴任していた文部官僚・松浦勇樹の周辺で不可解な事件が次々と起こり…。事件の真相を求め高知に飛んだ浅見を待ち受けていたものは!?壮大な構想で描く渾身の傑作巨篇!
休日は必ず息子の友彦を連れ、調布飛行場へ行き、ぼんやりと過ごす三井田久志。実は彼はジェット旅客機のパイロットだったのだが、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声をラジオで聞いて、愕然とする。それは、息子を置いたまま、蒸発した妻の声だった。彼は、息子を隣人に預け、妻の行方を捜そうとする。
浅草東署には、やり手だが曲者の刑事が集まっている。新海悟もその一人だ。ある日、小学校以来の友人で政治家秘書官の坂崎和馬から電話が。最近、衆議院議員の父の様子がおかしいというのだ。新海は、同じく旧友でテキ屋の瀬川藤太に協力を求める。調査を進めると、そこには予想外のスキャンダルが待ち構えていたー。果たして、三人の友は事件を解決へと導けるのか!?
バイト先の店長に惚れ、大学を辞めそうな勢いの従姉を救いたい(「泥棒猫リターンズ」)。ソーシャル・ゲームのオフ会で知り合い、つきあっていたカレシと別れたい(「回線上の幽霊」)。二・五次元舞台のオーディションに受かった小劇団の同期。彼とつきあっている危うい地下アイドル。この二人を別れさせたい(「初日の幕が上がるまで」)。様々な女性の苦難を救ってきたヒナコたちが帰ってきた!
なぜここに、ビールのロング缶とビアマグが置いてあるんだ。世話になった先輩の絞殺死体を前にして、塙反は頭をひねる。先輩はたしか下戸だったはずなのにー。ミステリー界の奇才が贈る、予測不能の衝撃展開!!
就職活動に失敗し心がぽっきり折れた小夜子は、ふらりと通夜に立ち寄る。会場には香の匂いとお経、木魚のリズム、そしてすすり泣く声が。そこには奇妙な老婆がいた。通夜を渡り歩き遺族を慰める「通夜女」だと彼女は名乗る。さまざまな葬儀を通夜女と訪れるうちに、小夜子の心に変化が訪れる。葬儀場で人生が変わる!
小森甚治は流行作家・野山遊介の秘書だ。野山が書き散らした原稿を整えたり、作品に必要な取材をして資料を準備したりするのが仕事である。ある日、野山は偶然新宿で知り合ったホームレスの男から興味深い話を聞き、作品にしたい欲求にかられる。小森はその男からさらに話を聞くことを依頼されるが男は失踪し、やがて高山市の宮川で死体で発見された!?調査を進めるうちに、男が経営していた札幌のクラブのホステスで、高山出身の女がいることが判明する。飛騨高山で交差する連続殺人事件の真相は?書下し長篇。
人の心の闇に憑き歴史の暗部に蠢く“妖の者”と、“神”の識格をもってそれを退治する“空の者”。生身の人間では見届けられぬ、太古より続く両者の戦いに、終止符が打たれる時が近づく。鏡の世界からひきもどされるも、三週間にわたって眠り続ける里見十九郎を巡るそれぞれの想いが交差する「緋色の糸の研究」、路地裏の隠れ家レストラン“シェヘラザード”を舞台とする不可思議な“契約”にまつわる物語「千夜一夜の魔術師」の中篇二篇を収録。大河シリーズ、完結へのカウントダウン、いよいよ佳境に!
禁裏付役屋敷に押し込み捕縛された南條蔵人は、身柄を京都所司代に移された。二条大納言に動揺が走る。彼を裏で操っていたことが露見すると禁裏での立場が危うくなるからだ。家宰に蔵人奪還を命じるが、朝廷の弱みを握りたい老中松平越中守は動きを察知し、対抗策をとるー。朝幕の政争が激化しきな臭さは増すばかり。そんな中、禁裏付の東城鷹矢は驚きの一手を打った。その真意とは!?