出版社 : NHK出版
「恋愛って、つきあったらそれで終わりじゃない。好き同士になってからも、気持ちは日々、増えたり減ったりを繰り返している」何気ない日々の中できらめく、はかなく、かけがえのない瞬間の数々。こぼれ落ちそうな小さな喜びや幸せを噛みしめるように、あるカップルの一年の記憶から60のピースを紡いだ、無垢でまっすぐな物語。優しく温かく、時に切なく心を揺さぶる文章とイラストが、大切な誰かとの日常をさらに慈しみ深い時間へと導いてくれる。SNSフォロワー23万人超の人気文筆家・蒼井ブルーと、アニメーター・演出家・イラストレーターと多彩に活躍する新井陽次郎による強力タッグ!
「恋愛や性的な話を振られてもよくわからない。でも愛想笑いをしていれば大丈夫…」兒玉咲子は、そんなもやもやとした気持ちを家族や友人、同僚に理解されないまま、恋愛や結婚を促され続け、居心地の悪さを感じていた。そんなある日、「アロマンティック・アセクシュアル」というセクシュアリティを自認する男性・高橋羽と出会い、驚くと同時にどこか救われた気持ちになる。誰にも恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれないふたりが、自分たちなりの生き方を模索すべく始めた共同生活は、周囲に波紋をひろげていく。その生活の先にある、それぞれの「幸せ」のあり方とはー。NHKよるドラ「恋せぬふたり」をオリジナル書き下ろし小説化!
明治新政府から出仕の要請を受けた渋沢栄一は、いまだ武士の習わしから抜け出せない政府の中で果敢に改革を推し進め、銀行の設立にも奮闘する。そして三年半後、栄一は官を辞し、民の立場で実業の一線に立つことを決意。一筋縄ではいかない商人たちがうごめく世界に飛び込んだ栄一が目指すものとはー。話題の大河ドラマ「青天を衝け」第32回〜第41回の内容を収載した、完全小説版ここに完結!
慶喜が将軍となり、心ならずも幕臣となった渋沢栄一。そんな折、慶応三(一八六七)年のパリ万国博覧会に派遣される徳川昭武ら使節団の随行員に選ばれ、渡欧を決意。産業発展めざましいフランスの地で、株式会社や銀行の仕組みを知り、官と民が平等の社会に影響を受ける。「大政奉還」の知らせを受けた栄一たちは、急遽帰国の途へ。徳川の時代が終わり、一変した日本の様子に栄一は驚きを隠せずー。話題の大河ドラマ「青天を衝け」第22回〜第31回の内容を収載した、完全小説版第3弾。
官尊民卑の世の中を変えるため、目指せ、攘夷の志士!ところがー従兄の渋沢喜作らとともに、尊王攘夷に傾倒していく渋沢栄一。江戸に出入りして同志を集め、ある暴挙を企てるが、実行直前にして断念することに。一転、幕府から追われる立場となった栄一は、喜作とともに京へ逃げる。そんな彼らに助け船を出したのが、徳川慶喜の側近・平岡円四郎だった。一橋家に仕えることを決意した栄一の運命が、再び大きく動き始める。話題の大河ドラマ「青天を衝け」第11回〜第21回の内容を収載した、完全小説版第2弾。
虐げられる身分のままでは終われない。俺は、武士になる!武蔵国血洗島村(現・埼玉県深谷市)の藍玉作りと養蚕を営む富農の家に生まれた主人公・渋沢栄一は、頭の回転は早いが、大人や権力に物おじしない“やんちゃ坊主”に育つ。商才に長けた父の背中に学び、商売のおもしろさに目覚めていく栄一だったが、17歳の頃、人生を変える最初の事件が起こるー。幕末から明治へ、時代に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続けた渋沢栄一の、熱き青春の日々がここに始まる!
作曲家として活躍する古山裕一と、彼を明るく支える妻・音。終戦後、裕一は、自分の曲が人々を戦争へと駆り立てたことを悔い、音楽から距離を置くようになる。やがて家族や仲間とのふれあいを通じて音楽の力を再発見した裕一は、復興に向かう人々の心を勇気づけようと、新しい時代の音楽を奏でていくー。音楽の力を信じ、奏で続ける応援歌(エール)!夫婦の物語、ここに完結!
勝田繁太郎(26歳)は、働く意欲がなく、これといった趣味もなく、恋愛経験もゼロで、ただただ平穏にのんびり過ごす日常を愛する男。人に気を遣うことができず、仕事でミスをくり返してもまったく気にしないマスペースさゆえ、彼の周囲では珍事が尽きず、周囲からは疎まれている。だが、高名な陶芸家として知られる祖父だけは繁太郎の人間性に好感を持ち、彼の陶芸の才能を見出していた。陶芸への興味を引き出し、あとを継がせようと画策する祖父の思惑は果たされるのか。そして、繁太郎が成長する日は訪れるのだろうかー。破天荒な祖父との交流と、26歳にして訪れる初恋。笑って、笑って、少ししんみりして、心温まる。世のおかしみと愛すべき人々を、疾走感あふれる筆致でユーモラスに描く至極の長編大衆小説。
作品の舞台は、治療法のない疫病「ペスト」に突如襲われ、封鎖されたアルジェリアの都市オラン。終わりなき災厄に見舞われたとき、人はそれにどう向き合うのか?ノーベル賞作家カミュの上質な文章と透徹したまなざしによって描かれる群像劇は、コロナ禍を経験した私たちに多くの示唆を与えてくれる。
昭和という激動の時代、福島の老舗呉服店の跡取りとして育った主人公・古山裕一は、たび重なる挫折を経験しながらも、音楽への夢を膨らませていく。やがて行動力にあふれる運命の女性・音と出会い、二人は夫婦に。個性豊かな周りの人々を巻き込みながら、裕一と音は二人三脚で、人々の心に寄り添う数々のヒット曲を生み出していくー。少し気弱で天才肌の作曲家の夫と、行動力にあふれる明るい妻が織りなす、波乱万丈な物語。第1週〜第十三週の放送台本をもとに小説化。
ユゴーの『ノートル=ダム・ド・パリ』は神話や叙事詩に似た「開かれた構造」を持つ「神話的小説」です。その前近代的な構造にもかかわらず、二十一世紀に生きる私たちにも訴求する超近代的な人間ドラマが展開し、現代を予言するようなテーマも描かれています。映画の手法をも先取りした幻視者である天才によって書かれた、驚嘆すべき快作なのです。
アニメーションにしかできない表現を求めてーアニメーターへの憧れを胸に上京し、アニメーション制作の現場へ飛び込んだ奥原なつ。生き別れた家族との再会や人間味あふれる新宿の人々との出会いを経て、個性豊かなアニメ仲間たちと切磋琢磨しながら女性アニメーターとして成長していくー。夢と冒険、愛と感動のドラマ、ここに堂々完結!