出版社 : NHK出版
「虎に翼」完全小説版。主人公は日本初の女性弁護士で後に裁判官になった一人の女性。困難な時代に道なき道を切り開く情熱あふれる法曹たちの物語を極上のリーガルエンターテインメントとして描く。
全身全霊で歌うスズ子!戦後を暮らす人々を明るく照らし出す!病に倒れ大阪で療養中だった愛助は、「赤ちゃんに会いたかったな…」という手紙を残し還らぬ人に。ひとり音楽活動を続けながら東京で出産したスズ子はぼう然とする。しかし、愛助の死を乗り越えるために羽鳥善一が書き下ろした『東京ブギウギ』は、空前のヒットとなり、“ブギの女王”と呼ばれるようになる。そして、日本のブギウギ歌手として、アメリカに行くことに…。
災害公営住宅への移転に伴い解体作業が進む仮設住宅の一室で見つかった他殺体。発見場所は出入り口がすべて施錠された完全密室、被害者は町役場勤務の、仮設住民の担当者。笘篠誠一郎刑事と蓮田将悟刑事は仮設住民と被害者とのトラブルの可能性を想定し、捜査にあたる。そこで遭遇したのは、蓮田にとって忘れがたい決別した過去に関わる人物だった。
豊臣秀吉の天下一統の後、平安の世が訪れたかに思われた。だが、秀吉亡き後、遺児・秀頼をめぐって思惑は乱れはじめる。石田三成との溝は深まり、やがて天下分け目の関ヶ原の戦いへと突き進んでいく…。さらに「大坂冬の陣・夏の陣」までを描き、家康の天下平定の物語、ここに堂々の完結!
歌って踊るのが大好きな大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子は、地元の歌劇団に入団し、抜群の歌唱力により頭角を現す。昭和13年、東京で人気作曲家と出会い、“スウィングの女王”と呼ばれる人気歌手となる。しかし、戦争が始まると、活動の場は制限されることに。激動の時代の渦中で、ひたむきに歌と踊りに向きあいスター歌手への階段を駆け上がっていく…。
東京大学植物学研究室で研究を続けていた万太郎だったが、教授の田邊から研究室への出入りを禁止されてしまう。自宅での研究には費用がかかり、家計は苦しくなるばかりだった。そこで寿恵子は叔母のみえを頼って働くことに…。
最愛の妻子を失い傷心の家康は、ある決心をして織田信長に仕えていた。そんなとき「本能寺の変」の報がもたらされ、すぐさま三河へ向け脱出をはかる。命を狙われる大ピンチに、家康は家臣団と力を合わせて伊賀越えを敢行し、からくも生還する。その後、織田家の後継者争いを巡って羽柴秀吉との対立はいよいよ深まり、「小牧・長久手の戦い」の火ぶたがいま切られようとしていた…。
好きなもののため、夢のため、一途に情熱的に突き進んでいく!春らんまんの明治の世を舞台にした、植物学者・槇野万太郎の大冒険。植物学者・牧野富太郎をモデルにしたオリジナルストーリー。
今川氏の滅亡により遠江を手に入れた徳川家康だが、将軍足利義昭を擁し京に上った織田信長に越前征伐に引っ張り出される。浅井長政の裏切りに気づき、織田・徳川軍はからくも金ヶ崎から脱出。姉川の合戦で勝利を得る。一方、遠江・浜松は戦国最強の武将・武田信玄の脅威にさらされる。「弱き主君は、害悪なり」という信玄が怒濤の勢いで侵攻してきた。そして“三方ヶ原”で両軍は対峙する。家康は浜松城を守り通すことができるのか…。
ひとりの弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語。国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代は、今川家の人質として、ひっそりと生涯を終えると思っていたー。しかし、三河武士の熱意に動かされ、弱小国の主として生きる運命を受け入れ、織田信長、武田信玄という化け物が割拠する、乱世に飛び込んだ。待っていたのは生きるか死ぬかの大ピンチ!個性派ぞろいの家臣団を頼りに、夢と希望にあふれた波瀾万丈の物語がここに幕をあける。
第二次世界大戦下の一九四二年、アンネ・フランクは、十三歳の誕生日に父親から贈られた日記帳に、思春期の揺れる心情と「隠れ家」での困窮生活の実情を彩り豊かに綴った。そこに記された「文学」と呼ぶにふさわしい表現と言葉は、いまを生きる私たちに静かな勇気と確かな希望を与えてくれる。
明治になり松江藩でも、武士たちはその身分、家禄を失った。幼いころは武家の娘として大切に育てられてきたセツは、住まいを追い出され、働く意欲を失った父に代わって、縫物仕事や機織りで糊口をしのいでいた。折しも日本に憧れ、来日したものの、原稿が採用されず、英語教師となったラフカディオ・ハーンが松江の尋常中学校に“ヘルン先生”として赴任する。縁あってセツはハーンの身の回りの世話をすることに。セツが語る怪談に興味を示したハーンは、何度も繰り返し話すように頼む。こうして二人の共同作業が始まった…。
「一億玉砕」から「民主主義」へー。標語は変われど、その本質は何も変わらなかった戦後日本。そんな中、それを言われると世間が困る「声」を持つ人たちがいた。酒におぼれる小説家・上原、既婚者・上原に恋するかず子、麻薬中毒に苦しむ弟・直治。彼らの葛藤とその「声」に、太宰治が込めた思いとは何だったのか。一九四七年に発表された爆発的ブームを巻き起こした『斜陽』に、太宰文学の核心を見る。
50代半ばの男性が、健康を理由にはじめたロードバイクにのめり込む。折しもコロナ禍、会社の業績不振という息苦しい状況が訪れるなか、会社では部下、自転車では師匠となる女性とともに新しい扉を開いてゆく。
「恋愛って、つきあったらそれで終わりじゃない。好き同士になってからも、気持ちは日々、増えたり減ったりを繰り返している」何気ない日々の中できらめく、はかなく、かけがえのない瞬間の数々。こぼれ落ちそうな小さな喜びや幸せを噛みしめるように、あるカップルの一年の記憶から60のピースを紡いだ、無垢でまっすぐな物語。優しく温かく、時に切なく心を揺さぶる文章とイラストが、大切な誰かとの日常をさらに慈しみ深い時間へと導いてくれる。SNSフォロワー23万人超の人気文筆家・蒼井ブルーと、アニメーター・演出家・イラストレーターと多彩に活躍する新井陽次郎による強力タッグ!