1993年1月1日発売
傭兵部隊・鬼道組の副官である上条はイタリア・ボローニャで一人の老人に出会う。殺しのプロを擁する謎の組織に家族を惨殺され、旧式ライフルを手に復讐の炎を燃やす老人により、眠っていた野獣の血を呼び醒まされた上条は、戦闘に参加する。圧倒的な戦力を誇示する敵本拠に攻勢をかける二人。命を賭した死闘の果てに全貌を現す驚くべき謀略とは。
ある日食堂に入ってきた男は昔アフリカで殺したはずの男だった。「豹男に生き返らされたんだ」と語るその男は不吉な気配を漂わせていた…。トマス・バーク「がらんどうの男」をはじめ、隠退した医師を毎夜脅かすインド人の幽霊、コナン・ドイルの医学奇譚「茶色い手」、アルプス登山の姉弟を誘う死者からの手紙、邪悪な霊の侵入を描いて迫真のアン・ブリッジ「遭難」、アイルランドの民間伝承に材を採ったJ・S・レ・ファニュ「妖精にさらわれた子供」、H・R・ウエイクフィールドの精妙きわまる怪異譚「チャレルの谷」他、ハリファックス卿「ボルドー行の乗合馬車」、ニール・ミラー・ガン「時計」、レディ・ディルク「死神の霊廟」、J・H・リドル夫人「エニスモア氏の最期」、ニュージェント・バーカー「ウエッソー」、オリヴァー・オニオンズ「事故」、E・F・ベンスン「閉ざされた部屋」、いずれ劣らぬ恐怖の名匠たちの怪奇と幻想の物語全12篇。
箱根山中で白人女性の白骨死体が発見された。その直後、お寺の副住職で警視庁特命警部でもある鳥居快海のもとに、「手掛かりはヤマナシ。カゲキに聞け」というタレ込み電話があった。カゲキとは、男とも女ともつかない過激な衣装を纒った作家の志茂田景樹だろうか?快海は早速、テレビに出演中の作家に会うべくスタジオ入りしたが、そこで意外な手掛かりが。
激変する幕末、土佐勤王攘夷派の首領・武市半平太を慕い、ともに京に赴いた岡田以蔵。ただ勤王のためという大義名だけで、殺人剣を振り続け“人斬り以蔵”と怖れられた男。剣も思想にも理屈は無い。日本の夜明けを目指す勤王の志士たちとは異質な道を歩み志士たちから重宝がられ、ひたすら暗殺をくりかえす男。修羅の京の町に血飛沫が舞い以蔵が走る。