2000年1月1日発売
都立桃耳高校都立桃耳高校
神様おねがい!アイツの隣に席替えしたいの…。時は1970年、よど号がハイジャックされるわ、大阪で万博は始まるわ、ジミ・ヘンは死ぬわで、もう大変!だったあの頃も今も、高校生の願いは変わらない。深夜放送に眠い目をこすり、創刊されたアンアンを読みながら大福の誘惑に涙を浮かべるちょっと太めのロック少女タヤマシゲミが、文庫書下ろし小説に登場。
聖なる春聖なる春
見えない、聞こえない、想うことしか出来ない。でも、待ち続けている。待てども来ぬ春を。あのクリムトが、そうだったように…。待っているのは私。とり残された土蔵に暮し、クリムトの偽絵を描く、この私。私の前に現れたのは、不幸の匂いを持つ女、キキ。新鮮な果実には腐敗を、若者の肉体には末期の老醜を見てしまう女。そして女も、春を待っていた。-哀しくも静謐な、愛の綺譚。
臥龍の夢臥龍の夢
「われは孔明の生まれ変わりなり」…確信が官兵衛(如水)を比類なき軍師に成長させた。天下統一を目前にして信長が狂った。苦言する者を殺し大量殺人を好み猜疑心は頂点に…遂に自己制御力を失っておのれを神と信じるに至る。万民の幸せをはかる器量は秀吉一人と信じる官兵衛のもとに「朝廷の密命で明智光秀が信長反逆の機をねらっている」の情報が入った。反逆成功は信長の一瞬の隙を突く以外にない。今井宗久・嶋井宗室とはかった官兵衛は信長の隙をつくるべく本能寺の茶会を工作する。その夜、彗星が尾を曳いて流れるー。すずやかな軍師竹中半兵衛の義侠。姿を現しはじめた秀吉の陰の素顔。
花の反逆大友宗麟の妻花の反逆大友宗麟の妻
光り輝く英傑宗麟が「国くずしの大砲」を先頭に九州の大半を制圧すると、なぜか一転、王国崩壊につながる「国くずしの愚挙」を重ねはじめる。離縁の命令をはねつけ、強圧を押し返して、決然と妻の砦を守り抜く火の女のたたかい-。使命観を喪失した現代の夫と妻に問う。
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